昨日は、井の頭公園へ大友さんの即興オーケストラ、TOKYO FUKUSHIMA!に
参加してきました。
私は金曜の夜に急に思い立って申し込みしたのだけど、
T.D.C.のカタノさんも地元ドラムサークルの仲間と参加していて、
終わった後、いつもクールなカタノさんがあんなに大興奮口調で
「ね!これやばいでしょ!はまるでしょ!」と言うのは初めて見た。
こちらも「超ヤバいっす!!」の連発。
受付では、荷物置き場から出て来る人がみんなギターや、
金管木管楽器ばかりで、スネアの人など見当たらず、
打楽器関係大丈夫なのか…と心配になったのけど、
行ってみたら、ガムランチームもいるし、
ジャンベはいっぱいいるし、どういうわけか改造して楽器になっている机とか、
おもしろ楽器もいろいろありました。
11時からリハーサルということだったけど、受付に人がいっぱいでなかなか
進まず30分遅れてのリハ開始。しかも、当初の話だと、
リハーサル 2時間/休憩 1時間/公園練り歩き 1時間/オーケストラライブ 30分
ということだったのだけど、始まってみたら、
リハーサル 30分/休憩 2時間/公園練り歩き 1時間/オーケストラライブ 1時間
リハたったの30分!休憩長過ぎ!と思いきや、これがかなりいい案配で、
リハやりすぎるとたぶん、みんな飽きちゃったと思う。
そして、この長い休憩のおかげで、ランチを食べがてら、
それぞれみんな、周りの興味ある楽器を触らせてもらったり、
自然発生的にあちこちでセッションが始まったりした。
わたしのそばは福島からきた人達がいて、
みんなでカーペンターズとか、なつかしい曲を演奏して楽しかった。
メロディーがあってこそできることもいろいろあるね。
わたしも欲しかったベルリラを持ってる人がいたので触らせてもらったり、
弁当の具を交換してみたり、ドーナツもらったり、
HAPI DRUMに夢中になったり、ちょっとトイレに行って戻って来てみたら
大友さんが私のドラムを叩きまくっていたり(どうですかね、このドラム、と聞いたら、
音はそれぞれの好みだから、と言いつつ、安いドラムの音がするね~と言われた(笑)。3990円だからなぁ)、
なんだかもうみんな勝手気まま。
わたしを含めて、1人で参加した人も案外多かったので、この長~い休憩時間が
逆にとてもいい時間になったと思う。楽器を持っているからこそできる交わりかたで。
さて、ハンドサインについては、twitterで説明してくれた方がいたのでそのへん借用&加筆。
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大友良英即興オーケストラのルールは、指揮者の指の本数で演奏が決まる。
・一本指は単音のヒット(ただし繰り返すときは音色を変える)
・5本指全部はロングトーン
・グーはノイズ。
・3本指は一般的な西洋音楽っぽい音(はらだ注:ドミソ?)
・4本指は音程が出る楽器だけでCM7
・2本指はその時点で音を出してる人は音を止め、止めていた人は音を出す。
・指を射された人だけ演奏(キムヨナのポーズ)
・指一本をカギの形にしたときは、そのメロディーをみんなでマネする。
・人さし指と親指でかっこを作ったときは「キープ」
・手のひらを向かい合わせて、離せば離すほど不協和音、近づけたら元に戻る
・おでこに手を当てたらそのときのフレーズを「メモリー」
けっこういろいろあったのですが、このくらいしか思い出せない!
しかも大友さんが伝授したこのハンドサインのあとにやった
七尾旅人や郁子ちゃん、ピカちゃんは、誰1人としてこのルールをあまり守らず(笑)
それぞれだいたい独自サインで行い、みんなもそれについていきました。
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楽器別に分けるのかなと思ったらそうではなく、みんなぐちゃぐちゃのまま。
(そして、どうみても200人以上いた。)
初めに一本指のヒットを全員で、「じゃん!」と音を出したとき、鳥肌が立った。
ほんと「オーケストラ」の音だった。
いろんな楽器があるから、一音でもすごく重層的なんで、音がすごくいい。
エッグマラカスとか100均の鈴みたいな、ちゃんとした楽器じゃない人も
いっぱいいたけど、その感じがよかった。
指揮者(ファシリテーター)も演奏者の中から選ばれたりもする。
誰もが交換可能で、誰の存在も許されている。
小さな鈴がみんなのリードをすることもあるし、
ドラを持ったファンキーな外国人がファシリテーターの思惑を越えて
みんなを煽動していくこともある。
まわりをよく見る。人の音をよく聴く。
大友さんはルール以外の注意はひとことも言わなかったのに、
みんなふしぎとそれができてしまう。
ふくらんだり縮んだり、みんながひとつの生き物みたいだった。
身体の奥から楽しい気持ちがわきあがってきて、
「音楽っていいな」と心から思った。
七尾旅人や郁子ちゃん、ピカの3人がどんなに奔放なファシリテートをしても
大友さんはにこにこして見ていて、むしろ面白い流れがあればそこに加担していった。
あの委ね方はすごい。
信用していれば、うまくいくんだな、と思う。
コントロールしようとすると、途端にばらばらになるのだ。
指揮者:ひっばりあげられた放射能ナベの人→大友さん→TAVITOの流れ
(音がもうちょっとちゃんと拾えてたらなー惜しい!
七尾旅人のときには、指をさされた人がヘソをみせないといけない、というルールまで発生)
このオーケストラ終演後には、帰り難かったひとたちが集まってセッションしていました。
この感じ!この日の空気をよく表していると思う。
大友さんは、ゆらっとやってきて、福島のことも原発のことも言わなかったけど、
この日のイベントの名前は、「オーケストラTOKYO-FUKUSHIMA!」だった。
これからの世界を生きるために必要なものは何なのか、
あの場で共有したものが、その答えだ。