はーぴー日記

イラストレーター&デザイナーはらだゆきこの日記です。

映画RISE/UFO CLUB10周年記念ライブ

2006-01-31 01:41:35 | Weblog
今日は、仕事の後、うまく映画の時間に間に合ったので
エリ・エリ・レマ・サバクタニ」と「RISE」どっち見ようか迷った末、
サバクタニは天気いい日に見たいなと思い、RISEをシネマライズに
見に行った。最初に出る字幕…「この映画の中のダンスは早回しではありません」
この言葉で、おお!そんなすごいの?!と高まる期待!
で、実際、すっごい映画でした。LAのサウスブロンクスで育つ黒人の若者たちが
ダンスすることで悪に走らず生き延びて大人になっていくドキュメンタリー。
とにかくそのダンスってのが、とんでもなかった。
外から見て、かっこいい、とかそんなんじゃなくて、
本当に内側から出てくる衝動に付き動かされているみたいな動き。
彼らのスタイルは、人が輪になって、真ん中に踊りたい人が出ていって踊るんだけど、
不意に観客の子の腕とか服掴んで、斜めの姿勢で踊りを続けたり、
ダボッとしたTシャツ来てる子のTシャツの中に頭をつっこんで、足だけで踊ったり
とにかく何が起こるかわからないフリーキーなダンス。そりゃ見てるほうも面白いわ。
中には、3~4才の子が大人とほとんど変わらない素晴らしいダンスをしてたり、
ものすごい巨漢も、びしっとかっこよく踊る。
いろんな子がでてくるけど、みんなとてもいい顔していた。
ゼロもしくはマイナスの状況から、喜びや楽しみを自分たちで作りだしていく、
彼らはすごいな。

その後、渋谷AXで、高円寺UFO CLUB10周年記念イベント、
ゆらゆら帝国/DMBQ/ギターウルフのライブを見る。
本当はくまさんと行く予定だったが、体調不良でくまさんダウンで残念。
今日のライブはまた強烈でした。あまりの音のでかさに耳がイカれそうでした。

最初はDMBQ。アメリカツアーでチャイナさんが亡くなって、今日の編成は
増子さんがドラム+ボーカル、ギター松居さん、ベース渡邊さん。
初めてライブ見たんですが、ベースの人は八ツ墓村みたいに、
両耳あたりに、マグライトみたいのを装着しているし、増子さんは
妖怪にしか見えないし、松居さんは30年くらい時が止まっているみたいだし、
いやーびっくり。ひっくりがえしたオモチャ箱の中身を、粉々に踏みつぶして、燃やした、
よーなライブ。ついでに、この人たちすごく仲がよさそう。さいごに何度か
ステージ前で3人で万歳(よくツアーの最後にやる手をつないで万歳するもの。)を
して、大きな拍手を浴びてちょっと泣けた。

次のギターウルフは、去年、リトルモア地下三島タカユキさんの写真展でギターウルフを見て
いいなぁと思っていたのですが、ボーカルのビールの一気飲みからライブが始まった
(いつもなんだろうか?)途端、若いファンが一斉にステージ目掛けて
突進してきた。人気あるんだな~。こういう美学あるバンドは、
それに縛られてつまんなくなってしまいそうだけど、ギターウルフは、
バカだけど、バカじゃないから、こうして支持されているのかな。
ステージはDMBQに続いてまたも、すごいハンテンション。
ものすっごい高いとこによじ登ってジャンプしたのには驚き。(これが
その後のゆらゆら坂本さんの行動に繋がったか??)しかしあまりの過密ぶりに
酸欠+運動不足による立ち疲れで、かなりふらふらになり、
ピンクの皮ジャン着た熊谷真美似の女の子がステージ上げられて
ギター渡されて弾きだしたとこくらいで目が覚めて、その女の子がやたら指示された末、
ステージから突き落とされる(※やさしく)、という出来事で完全に覚醒。
マイクスタンド(マイク付き)を何本かバッタバッタと倒し、いろいろ蹴飛ばして
ライブ終了。

こんなライブの後に、メロウなゆらゆらなわけがなく、
今まで見た中でいちばんすごかったなーーーー。
見に行った甲斐があった!!!
選曲もノリノリで良かったし、いつも「午前3時のファズギター」、
もしくは「ロボットでした」あたりでしか炸裂しないサイケデリックなギターが
今日は大盤振る舞い。しかも、機材にナナメジャンプしたり、階段状に積まれた機材を
慣れない足取りでそろり…そろりと登っては降り、登っては降りして、
ファンの肝を冷やしつつも、最後に1番高いところで、
仁王立ちしたシルエットが浮かんだときには、
「良かったね!!」と声をかけてあげたくなりました。(そのあとちゃんとジャンプ)
そんなふうに、とにかくやたらと坂本さんが激しく動いていたライブでした。
後半の「男は不安定」では、のけぞったまま後ろに倒れ、
しばらく起き上がんなかったり、(一部では失神という噂が…)
まぁ、機材に登ったり暴れればいいのか、というと別にそうでもないんですが、
やっぱりそういうパフォーマンスがこっちに伝えてくるものは、結構でかい。
しかし、坂本さんの声は、魅力的である。
なんともいえない色気があるのです。
私からは見えなかったけど、いつも不動の亀千代さんも
かなり動いていたようで、見たかったなぁ。

とにかく、3バンドのとてつもないエネルギーを浴びて
ふらふらで家に帰りました。やっぱりライブはいいなぁ。

ホテル・ルワンダを見た

2006-01-14 23:52:49 | Weblog
今日、「ホテル・ルワンダ」の映画が公開されました。
で、ナカマサと見に行ったのです。

この映画は公開をめぐって若者が立ち上がった、ということで
いろんなところで報道されました。
私はもともと町山さんのブログから映画を知って、
そういう動きがあることもそこから知ったのです。
この運動を起こした人たちのおかげでこの映画を
見ることが出来て、本当に良かったです。

もやもやと、この映画が日本で公開されない、
と決まった時点で報道するマスコミがいなかったことに疑問を感じたり、
この映画を興行的に見込めない、と判断した配給会社の人の頭は
どうなってんのか?という思いもありましたが、映画を見たら
そういうことがどうでもいい気がしてきました。
そんなものに頼ってもしかたがないのだ…。

映画は、もう見てくださいとしか言えませんが、
私が感じたことを言えば、「言葉は武器なのだ」ということと、
「正気を保つのは難しい」ということ。

この映画の背景は、去年の7月の日記に詳しいので、読んでいただきたいのですが、

映画の冒頭、ツチ族を批判するラジオが流れてくる。
最初に出てくる「言葉」を武器にする人たち。

そして、主人公が、ワイロも欧州の後ろ盾も無くなって、
最終的に戦う道具にするのも、「言葉」。

勝ち目のない手札で、どんなふうに相手と戦うか、
人を殺すのも、生かすのも、「言葉」なんだと
いうことが、絶望のようで、光のようでもあった。

国連大使の北岡伸一さんの文章で、
「外交は説得と交渉によって、合意に達するアートだ」
というのがあったが、主人公の言葉は見事なそれだった。
いや、そういうこと言いたいんじゃないのだけど、
相手とのコミュニケーションを諦めたとき、
当時のルワンダでは、殺す側に立つか、殺される方になるか、
になってしまう。
でも、どっちにもなりたくない、という選択肢を選んだら、
馬鹿じゃダメなのだ。味方は誰もいない。
使えるものを全部使って、パワーバランスを変えていかないと
負けてしまう。
この選択を選んだ主人公のまともさが
狂気に満ちた状況では一番異常に見える。
どうしてこの中で正気でいられるんだろうという感じ。

安全な場所で映画を見ているから、皆殺しにする民兵たちが
狂ってるように思えるけど、自分がその場所にいたら、
自分も狂気に飲まれているかもしれない。
民兵は、もともとただの市民だったわけだから。
普通に暮らしていて、どのへんからキナ臭いとか、
狂気っぽいぞって気付けばいいのか。
もしかして、もうやばいのか。
そういうことが、分からなくなってくる。

ホテル・ルワンダを見たことで、分からないことと知らないことが異常にいっぱいある、
ということがよく分かった。


ナカマサと、映画を見たあと長く長く話をした。
あの映画を見たら、みんな誰かと話したくなると思う。(だから2人以上で行くといいよ)
なにかがどばーっと溢れるような映画なのだ。
日本の片隅の2人が4時間もルワンダの話をしたからといって、
世界の不幸な出来事が終わるわけではない。
でも今の自分は「知ること」と「考え続けること」しか、
やれることはない気がする。

ルワンダの話は結局「人間ってなんだ」という話に行き着いて、
どこの世界も、人の心の芯の部分は、危うくて、揺らぐもので、
心細い子どもみたいなものなんじゃないかと思った。
その弱さをどう捉えるかによって、行動が変わってくるのかもしれない。


「大人の作法」

2006-01-12 02:47:57 | Weblog
今年に入って読んだものは、佐藤雅彦の「四国はどこまで入れ換え可能か」、
藤原正彦の「古風堂々数学者」、池波正太郎の「男の作法」。
3冊の共通点は、ちょっとだけ著者の名前が似ている(気がする)くらいか。

しかし、年の始めに読んだものがこの3冊でよかった。

佐藤さんのは、取っつきやすいかわいさの中の深い底に荒ぶる魂が宿っている。
藤原さんの、世の中への見方は、そうだそうだと膝を打つ言葉がたくさん。
池波さんの本は、「粋」ってどういうことなのか、ということが分かる本。
ひさしぶりにページに線を引っ張ったりして忘れないでおこうと思った言葉がいっぱい
ありました。

池波さんも藤原さんのも、社会で大人として生きていくルールとは何か、
ということのエッセイだったのですが、根底で共通していることは、
「世間という世界で生きているかぎり、必ずその世界から恩恵を受けて生きてるので、
自分もそこへ恩を返さないといけないよ」ということ。

世間に返すというのは、何もでっかいことをしないといけないんじゃなくて、
お互いが気持ち良く生きてくためにどうするか、ということで、
それは、電車のマナーであり、レストランで混んできたらスッと席を立つということであり、
寿司屋で知ったかぶりしないということであり、いい運転してもらったらタクシーに
チップを払うということであって、つまりはお互いが気持ち良く過ごせる思いやりってことなんですね。
「粋」というのは、かっこつけることじゃなくて、こういうことがきちんと出来ること
なんでしょう。

そう思ったら、その「粋」を試せる機会が、ごまんとありました。
よい仕事をすることも、もちろんこのルールの範疇。

ところで皆さん、虫カレンダーはダウンロードして頂けましたか?
無料ですから、遠慮せずよろしく~。





本日から虫カレンダー配布開始だよ

2006-01-08 23:38:30 | Weblog
昨年からイラストを描かせて頂いている
ほぼ日刊イトイ新聞内の「虫博士たち。」で、
1月~2月の壁紙カレンダーをダウンロードできるようになりました!
これであなたも越冬昆虫に詳しくなれちゃうぞ!!
洋服屋の店員が「わたしも~これの色違い持ってるんですぅ~」
と言うように、というわけじゃ決してありませんが、
わたしも壁紙にして愛用しております。

大雪

2006-01-08 02:18:46 | Weblog
子ども時代を雪の降る土地で過ごせたことは本当に良かった。
雪が積もった朝に、外へ飛びだしていくときのうれしさや、
しんしんと雪が降り積もるときの、ほの明るい夜。
小学校では雪像大会が催され、グランドには
さっぽろ雪まつりのように、でっかい雪像が並んだものです。
いまでも、雪に勝るおもしろい遊び道具はないと思う。
でも雪かきはたいへんだ。