はーぴー日記

イラストレーター&デザイナーはらだゆきこの日記です。

SOI TRAVEL

2005-04-30 03:01:18 | Weblog
今日はGW初日。渋谷club asia "P"へ。
SOI TRAVELを観に行きました。
入り口から建物に沿ってすごい人の列!期待と人気の高さを思い知らされます。

で、本日のkiiiiiii、かなり良かったんじゃないかしら!イベント的に、みんなのお目当ては
futonかSPANK HAPPY(すごい名前だなぁ)って人が多かったと思うんだけど、
そんな彼らの心に思いっきり足跡をつけられたんじゃないかな~
衣装は、u.tがシルバーのビキニトップに、ジーンズのショートパンツ、Lakin'は、デニムのノースリーブ
ミニ丈ワンピで80年代。いつもと違ったのは、髪の毛!u.tは、ろうそくの炎みたいなカタチのでっかい付け毛、Lakin'に至っては、70年代のアフロな女の人みたいに、もしくはミニーちゃんのようにでっかくて丸い付け毛をつけてて、めちゃくちゃかわいかった。
いつも30分くらいやって逃げ切りって感じだけど、今回は結構長かったような。
今回は、kiiiiiii観ながら、やっぱりこの人たちすごいよなぁと再確認。
こういう世界を作りあげたことがやっぱりすごい。
すべてが微妙なさじ加減で、選び抜かれたもので出来ている気がする。
どんなに注意して見ても破綻がない。
二人のセンスの良さが、にわか仕立てじゃないってことだと思う。
一言でいえば「粋」ってことか。
しかもライブ自体は、こちらに「これがわかんないなんてあなたダメね」っていう
アートパフォーマンス的呪いもなくって、ただ「あはは」って笑っているだけでいいんだから。

2番手はSPANK HAPPY。菊池成孔を生で観るのは初めて。
去年の朝霧では到着して荷物運んでるときに遠くでデートコースが聞こえたなぁ…
事実上解散しているけど、kiiiiiiiとfutonのために出てきました、
という菊池さん(なんとなくさん付け)の言葉でスタート。
女の子は、SPANK HAPPYらしく、物憂げでかわいかった。
菊池さんはこの暑いのに襟にファーのついた上着を着ていて、
観てるほうが暑かった。それがまた菊池さんらしいんだけど。
CDJかけて口パクしてるだけ、という実験的といえば実験的、ナメてるといえばナメてる、
すごいスタイルなので、スギヤマさんは飲み物を買いに行ってしまった。
あえて口パク、っていうのは観てるとそんなに面白くないけど、存在としてはかっこいい。
菊池さんの写真や、CDや、HPの日記、どれも私好みなんだけど、
本人もやっぱり…かっこよかった。性格がひねくれてイジワルそうで、でも作るものが素晴らしい、
そういう芸術家肌の人が好きなんですね~。くるりの岸田くん然り。
ライブ中に撒かれるというウワサのエンジェルの香水は登場しませんでした。

トリは、futon!!!(※上のイラストをクリックするとでっかくなるよ)
ヴォーカルが、日本人の女の子、タイ人の男の子(でゲイ)、白人(おおざっぱ)3人の構成。
ファッションもすごくいいし、音楽もばりばり80年代で悪くないんだけど…なんだろ?
胸にグッとくるものが…頭を真っ白にしてくれる何かが…そういうものが感じられなかった。
歓声は大きかったけど、最高に大盛り上がりって風でもなかった。
客もなんとなく感じていたんじゃないかな。
あともうひとつ、何かが足りない。
でも、futonがもう一歩先に進んで、新しい何かを掴めたらすごいバンドになると思う。

しかし、このメンツでライブを観られたのは、本当に良かった。
3つのバンドの共通点は、当たり前のことなんてやってられないよ、という「粋な気持ち」
を持っているということでした。

帰りに、タワーでくるりの「アンテナ」を買った。あとは「さよならストレンジャー」
でくるりは全部揃う。半年以内でこれだけ一ミュージシャンのCD買うのは珍しい!
帰りの電車でbounceを読む。フィッシュマンズ特集があり、ああライブを観てみたかったな、
と思う。
帰宅後、「NANA」一巻を読むが、あまりに少女マンガすぎてキツかった。
昨日「弥次喜多in DEEP」と「働きマン」を読んだ身には平和すぎ。


GW

2005-04-28 03:37:32 | Weblog
そろそろGWです。私の仕事は暦通りのお休みですが、
これだけ休みがあると、何をしようかいろいろ考えるのが楽しいものです。
旅とか読書とか美術館とか手の込んだ料理とかたくさん絵を描くとか…

気になる催しものはこんなかんじ。

音楽
・4/29 SOI TRAVEL---(タイのバンドのFUTON,スパンクハッピー,kiiiiiiiってメンツ面白すぎ。
仙台のアラバキフェスに行けない人はこれに行くとよいのでは)
・5/4 新宿LOFT---(最近とてつもなくライブがかっこいいズボンズと解散しちゃう(泣)PEALOUTなど!)
・5/5に茅ケ崎海岸でやるフリーコンサート
---(南佳孝!高野寛!佐橋さん!ラリーパパ&カーネギーママ!まったりできそう!)

アート
・森美術館で今やっているアジアのアート展---(クラウディア情報)
・練馬美術館の「海・山・のんびりアート」展---(読売新聞情報)
・世田谷美術館の「ウナセラ・ディー・トーキョー」展
・同じく世田谷の文学館は「宇野千代」展---(世田谷区報情報)

映画
・UPLINK Xでやっている渋さ知ラズのドキュメンタリー映画
・下高井戸レイトショーのパッチギ!

今日は本屋で集めてるマンガや雑誌の新刊を購入。

・ブラックジャックによろしく 11巻
・真夜中の弥次さん喜多さん廉価版 3~4巻
・PLUTO 2巻
・雑誌 装苑

GWの読書にはふさわしい村上龍の「半島を出よ」は、シモヤマさんから借りる約束をしているけど、
読みおえたあと、「また前編から読み返している」ということで、いつ貸してもらえるか
わからず。でも買うのもけっこうするし、場所とるしなー。まだブックオフにはなし。

そのまえに読みかけのたくさんの本を読みおえるべきかな、って気もするけど。
いま読み返している内田樹(たつる)の「子供はわかってくれない」は、何度読んでも面白い。
この本は大人ってどういうものか、ということをいろんな角度から検証しているもの。
SEX AND THE CITYを見ていて、ひざを打つようなセリフがあると、
思わず携帯にメモったりしているけど、この本はそういう言葉が満載。

たとえば、「欲望」とは何か、というとき、彼は、「欲望」は模倣だ、と言う。
自分が何かを欲しくなるとき、ほとんどの場合、それは「他人がそれを欲しがっているから」。
他人の欲望に自分の欲望が感染するのだという。ただ、これには限りがない。
他人が持っていて自分が持っていないものというのは無数にあるからだ。
欲望は模倣だから、そもそも自分のなかに起源があるわけではない。
だから、それが充足しても、自分の内部にそれが行き渡るものではない…

こんなこと言われたら、「欲望」を客観的に見られるようになりますよね。
自覚するのとしてないのとでは全然ちがう。
今、高温期だから、イライラしてるんだわ、と自分で認識している方が、
ずっと楽だし。

なんか迷うことがあるとこの本を読んでから考えるようにしています。


ハナレグミとうれしい便り

2005-04-24 01:32:22 | Weblog
今日は、日比谷野音でハナレグミのライブを見た。
先週の横浜大さん橋ホールが奇跡のような素晴らしさだったので、
今回もすごく楽しみだった。
野音を見下ろすオフィスビルに向かって
「サラリーマンの人たち、元気かーーい!」と叫ぶ永積くん。
ほんとに野音って不思議な空間。都会なのに自然の中にいるような。

永積くんは、今回のツアーで、ほんとうに「歌」が魅力的になった。
過去に作った歌も、最近のも、カバーでも、一曲ごとに、
その歌の世界をしっかりと作って、観客を引っ張りこんでしまう。
そういう力がぐっと強くなったように感じた。
カバーもたくさんやったし、アンコールでやった「明日へゆけ」はほんとうにすばらしかった!!

しかし今日寝たのが5:30で、起きたのが9:30。
眠い&寒い(野音なので)&蚊が大量に飛んでいる(まだ4月だよ~)、という3重苦で
、野外の良さと厳しさを実感しました。

で、帰宅してみると、すっごくうれしい手紙が届いていました。
それは小学校の生徒の皆さんからの手紙。
というのは、昨年の春に小学校の保健の先生と知りあい「保健だより」や、
歯みがき促進のための「歯磨きカレンダー」などのイラストを描かせてもらっていたのです。
それがちょうど一年経ち、生徒たちが、わたしに手紙を書きたい、と言い出してくれて、
その手紙をまとめたものだったのです。
「はーぴーさんはなぜこんなかわいい絵をかけるんですか」とか「おかげで歯磨きをたのしくやれたよ」
とかうれしい言葉がたくさん。なぜか「一輪車をなおしてくれてありがとう」とかもあったけど、
ごめん直してません! 色鉛筆を駆使して裏に絵を描いてくれてる子もたくさん。
かわいい生徒たちの写真も入っていて、じ~んとしてしまった。
生きてると、うれしいことがあるものです!!

ふだんイラスト/デザインの仕事をしていても、それを渡すのは編集者やスタッフなので、
最終的にそれを目にする人たちが、どう思っているか知ることはなかなかわかりません。
それは仕方ないことですが、深~い井戸に石を投げ込んでいるように、
手ごたえを感じることができず、実感が湧かない気持ちもありました
だからこんなふうに、自分の絵を楽しんでくれているのを、直接知れるのはとてもうれしい。

がんばろうと思いました。

リキッド

2005-04-23 04:51:15 | Weblog
4月20日のリキッド、そして今日22日は武道館のイベントで、MIYAZAWA-SICK
バンドのライブを見た。リキッドは、ヨーロッパツアーで出会ったミュージシャンを日本へ
呼んでの、彼らのライブ+MIYAZAWA-SICKのライブという構成。
出演したのはフランス人のカチア、ロシアのディアナとそのバンド「ナイトスナイパーズ」、
ポーランドのトメック。

カチアは、「おっかさん」と呼びたくなる風貌で声とぴったり。
すべての人を優しく包み込む、母性のカタマリのような声で、ボサノバを歌った。
彼女の島唄を聴いたときは、新しい世界が見えた気がした。
大地のような温かさがあって、なんとなく賛美歌のようだった。

ディアナのバンド、ナイトスナイパーズは、MIYAさんが、紹介するときに言った、
「今どきのファッションみたいなロックじゃなくて、本物のロック」
という言葉が、非常にうまく言い当てていた。
懐かしいハードロックで、アレンジとか曲の終り方もありえね~という感じながら、
それがまたものすごく新鮮。
風貌や動きは曽我部恵一のバックバンドのダブルオー・テレサのようだった。
ヴォーカルのディアナは、気難しそうで、でもすごくピュアな感じもして、まるでコシカ(猫)。
全員で歌うときにも、急にルイスのところへ行って、「鳴り物」を借りて
きてみたり、歌っている最中に、野球帽をかぶってたと思えば、頭にバンダナを巻きはじめたりと、
子供のような、じっとしていないところがかわいかった。
たぶんディアナは、すごく好奇心旺盛なんだろうな。

ポーランドのトメックは、ひとこと、「かわい~い」(いいとも風)。
言葉が通じなくても、人柄っていうのは、にじみ出てしまうものなんだなぁ。
すごくこちらにコミュニケートしたい!という気持ちが伝わってきた。
トメックの歌はスギヤマさんいわく「UKロック」ということだったが、
世界中の音楽青年の一般的な姿という感じがした。チェコでテクノを聴いている
人もいれば、アルゼンチンでユーロビートが大好きって人もいるのだろう。
ポーランドだってしかり。なんとなく、高野さんと気が合いそうな気がした。
肉食っぽくない感じが…。

そして、MIYAZAWA-SICKバンドの登場。スタンディングで見るMIYAZAWAバンド
というと、2月のロンドンを思い出す。あのときのじ~んとした気持ちを思い出す。
MIYAさんは、ちょっとこちらが取り残されてしまうくらいに、歌いながら、
激しい動きを見せていた。それは、音楽に乗っている、というよりも、
体の奥から沸き上がるエネルギーに身をまかせているようだ。
ロンドンでも感じたけど、MIYAZAWAバンドは、観ているこちらにも緊張感を感じさせる。
いっときも気を緩めてはいけないような。それが私は好きだ。

いつでも、彼らのライブが100%最高!と感じているわけではない。
どうかな、と思う部分も、ある。
でも、何かの悪いところを探しだして貶すのって、誰でもできる。


以前新聞スクラップして、ずっと心にのこっていることがある。

ダンテの「神曲」のなかで、地獄/煉獄/天国を旅する主人公が、
案内人に、「見て見ぬふりをしろ」と言われる場所がある。
それは、褒められも貶されもせず無為な生き方をした人たちが
留め置かれているところ。
何かの欲望のために行動を起こして罰せられた人は地獄へ行くが、
「何もしなかった」人たちは、天国と地獄、どちらへも行けず永遠に苦しみ続けるのだ。

↓神曲については、こちらが詳しい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%9B%B2

といった、内容でひどくショックを受けた。
悪いことしてないのに、こんな目に遭っちゃうの?
でも、ここにいるひとたちは、様々な局面でそれこそ「見て見ぬふり」
をしてきた人なのかもしれない。

なんだか、このことを思い出してしまう。
客観的に見ることは、もちろん必要。
でも、バランスよく見ようと思った。
軽々しく思ったことを言うには、彼らの音楽姿勢はかっこよすぎる。

夕凪の街 桜の国

2005-04-20 02:11:10 | Weblog
こうの史代の「夕凪の街 桜の国」というマンガを読みました。
これはヒロシマの原爆をテーマにした話です。かなりうすっぺらくて、こんなページで
何が描けるんだろう?って思いましたが、それは杞憂でした。
原爆っていうと、亡くなった人の数がまず目に入っちゃって、惨禍の中
生き延びた人たちや、家族や友達を看取った人たちのことを想像するのは難しい。
そういう、原爆後の人々を描いたものです。
被爆した人は、皆、原爆を落とされたことを、ひどいことだ、と憎んでいるんだと思っていた。
でも、このマンガの中のひとたちは違う。たぶんこれがリアルな姿だと思う。
それがショックだった。

ヒロシマは、日本人とアメリカ人という民族のぶつかり合いで起きた出来事ですが、
なぜ民族はぶつかり合うのか、ということが、今、わたしにとって、とても関心が深い。

最近、わたしも日本人なんだなぁ、と意識することが多い。
韓国の竹島、そして中国の反日デモ。
領事館が壊されたり、日本製品不買!なんてやってるとイヤだな、と思う。

でも、日本が中国に何をしたのかわかってるの?と言われても、どれだけ
自分が理解してるのか全く自信がない。韓国も同様。
両方の国がここまでどうやって歩んできたかも、ほとんど知らないといっていい。

何かを理解しようとするとき、相手の立場に立って考えてみる、というのは
とても有効だと思う。でも相手のことを何も知らなかったら、それができない。
しかしテレビを見ていても、こちら側がこうあってほしいと思っている姿でしか、
報道されていないように感じる。新聞はテレビよりはマシだと思うけど…。
それで、あせるのです。
例えば、今、自分に子供がいたら、どんな説明をしてやれるだろう?
「お母さん興味ないのよ」なんて、言いたくないなぁ。