文才・・って、言葉を考えていた。
文章が、上手、と、いうのと
文才があると、いうのは違うと思う。
いつだったか、質問して
教えてもらったのだけど
はっきり、覚えていない。
構成力
と、いうのは、
簡単に言ってしまえば、
前後のつじつまが合う。
筋が通る・・・
矛盾がない。
と、いうことだろう。
じゃあ、文章力・・・
文才というのに、近いか。
ーもって、生まれた感性ー
と、いうような答えだったと思う。
勉強して、修行して
理路整然とした文章力は
後天的に、会得することは出来るが
もってうまれた感性というのは、
どうしようもない。
ーげ?
理路整然もままならぬのに、
感性だと~~~?
どうにも、ならん?ー
が~~~~ん!!
作品を書くこと を いくつかの
分析表にするとしたって
構成力
表現力
くらいしか思いつかないwww
発想力も、あるかもしれない。
ただ、これは、書き手からの考えであって
読み手から、考える、文才というのは
違うだろう。
ようは、書いてあることに
共感やら納得やら を 覚えたら
ー自分を納得させることが出来る=文才ーと、
捉えるんじゃないだろうか?
実際、本を読んでいて
この人は、文才があるとか
ないとか
(まーなければ本も出んだろうが)
考えたりしない。
なにか、自分の世界が広がった
とか
こういう捉え方があったのか
とか
ただ、ただ、共感、時に涙
とか
その「自分のなにか」に、触れるものが
「文字」になっている。
おぼろげにしか、つかめなかったものが
形を成す。
友人は
例えば、司馬さんの文章力だと、
ノーベル文学賞とかもらえないね。と、言う。
その根拠が、
ー声に出して、読んだら、判るー
と・・・。
内容にもよる事だろうから
ノーベル賞のたとえは、意味合いが違うけど・・
が、
司馬さんの、表現力
なんだったかな
包帯でぐるぐる巻きになって、
開いてるところは、
食事の為だけの口の部分
それを、海鼠の如き・・と表現したと思う。
比喩の仕方が巧い、だけでなく
つい、笑ってしまう。
それを見た主人公も、ちょっと、笑っただろう。
と、判る。
海鼠の様な姿を見て
主人公はつい、笑ってしまった。
なんて、書かなくても判る。
音楽・AUDIOでいえば、
音をきいてるだけで、
奥行きが判る、演奏者たちの指の動きが判る。
書かなくても、
「世界」「存在」「感情」が見える。
これは、すごい、と、たった1行で
文才?が見えてくる。
なにか、よく判らないのだけど・・・
こういうのが、文才なのだと思う。
うしろに「実在感のある世界」が
構築される。
幼い(中学生くらいか)女の子の
お話を読んだことがあるのだが
はっきりいって、
文章としては、下手なんだと思う。
ところが、
そのお話にひきこませてしまう「力」があって、
上手とか、下手とか
思わせない。
ーこの続きどうなるんだ?ー
と、お話に入り込んでしまう。
むつかしい書き方をするのが
宮城谷さんで、
どうも、ーなさけないことにー読めない。
一方、池波さんとか、(どわすれしてるので、おいとくが、もうひとり)
楽に読める。
むしろ、こんな優しい書き方でよいのか?
と、とまどう。
自分の興味の持ち方もちがうのだろうと思う。
また、周五郎を師事し
自分の名前に「周」の字をつけた
藤沢周平とか
周五郎賞を獲得した宮部さんとか
どうも、
感情が肉薄してこない。
文章技術など、
もうしわけない言い方だが
周五郎を越していると思う。
どういうのだろう。
文章技術力が秀で過ぎて
ここは、こう書けばよい
みたいな、テクニカルでこなしているように思えてしまう。
作品として、成立しすぎてるというか。
ところが、周五郎は
ーまなざしーを感じる。
それは、青べこ物語?日記?(忘れてる)の中の
エピソードに因るのかもしれない。
宿屋だったか、近所だったか、下宿先?もう記憶が薄れているが
その家の男の子を映画に連れていた。
確か、映画は、ターザン
すると、男の子は
映画に没頭すると、やがて
銀幕にむかい
ー後ろにライオンがいる~~~!!
逃げろ、危ないー
と、叫びだす。
周五郎は、恥ずかしいやら
困ったやら・・・
ぶつぶつ、書いていたと思うが
どこかで、
自分の書き物についても、
思ったんじゃないかな。
銀幕の世界と現実が一体になるように
小説世界と現実が一体になるような
もっと、うがってみれば
小説世界と現実が一体になるような
だけじゃ、駄目なんだ。と。
一歩、離れて
その一体感を、本当の現実にもっていかせる。
人の情を書いて
涙するほどの一体感をあじあわせるだけじゃなくて
現実世界で
読んだ本人こそが
情ある人間になる(目指す?感化する?)
そういう
人を育てる力をもっていると感じるせいだろう。
周五郎に、そういう意図があったかどうかは判らないが
それが、
作品が唸る・・・元だろう。
もって生まれたもの
それは、例えば、
そういう「思いのこもと」なのではないかと思ったりする。
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