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憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

思案六方

2022-12-05 20:50:33 | 構想中
間合いが詰められると、平助の胸先に木刀の先が止まる。平助のかまえはもうすでに後勢をしいている。原田をこれ以上近寄せ、切り込ませないための距離を保つためだけに木刀を構えている。だが、その体制から反撃に移る次の挙動がつかみとれない。護り一方になるしかないということは、相手の攻撃が読めないからだ。仮に攻撃が読めたとしても、それをかわすことができない。やっとうの腕が無い。致命的な欠点の上に、先が読めない。 . . . 本文を読む

日本丸

2022-12-05 20:50:16 | 構想中
届かなかった短筒を目の端にとめた竜馬の脳裏に慶喜の顔が浮ぶ。「この先の日本丸を・・・」大政奉還の進言に慶喜が返した言葉の一端であるとは、知らぬ渡辺篤であるが、その刃でついえた者の魂の所在の大きさが渡辺の胸をえぐった。とんでもない人物の命を奪い去った。その悔恨があとになるほど、深くなるとも知らない。竜馬の命が消え果て、わずか後、南州公の謀反とも思える暴挙である、西南戦争の時、渡辺篤の胸中に沸いたのは . . . 本文を読む

あおによし・・

2022-12-05 20:49:58 | 構想中
「このくらい・・」唇をかみしめても、まだ、それでも噴出してくる悲しみと悔しさがある。太子は手をにぎりしめ、己の静観を待った。こんなときに、思い出すのは、いつも、スサノオとおおくにぬしのことである。「こんなものじゃない」己の苦しさをはかりくらべながら、太子は生き難さが角をたてないように、言い聞かせる。「根の国をおさめよ」そういわれたスサノオを思う。根の国・・・。この世に存在しない黄泉の国をおさめよと . . . 本文を読む

しずやしずしずのおだまきくりかえし

2022-12-05 20:49:39 | 構想中
怒りをあらわにする頼朝の袖をひいたのが、政子だった。「あなたもかように、ひかれて、いまにおわしましょう」おもえば、さんざんたるいきこしの袖をひいてきたのが、政子である。頼朝にとっての政子が静御膳にかさなってみえたとき、頼朝はその場所にもう一度すわりなおした。政子にとって、静御前の境遇はまた、己のものであった。血を血で洗い、義経をも、義経の子をも、この世からついえた。その繁茂のうえになりたった、政子 . . . 本文を読む