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憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

拘束 ー1ー (犬夜叉 二次小説)

2022-11-27 11:12:14 | 拘束(蛮骨×蛇骨)
「ちっ」口の中の小さな舌打ちだけが、今見たことを忘却の向こうに流しさることを拒む。蛮骨は木陰の戯れが静まり一つの影が二つに分かれてゆくのを待った。樫の木にもたれかかり、いつまでも滑らかな快さの余韻に浸っているのは、蛇骨  と 睡骨   である。 寄る辺の無い愛は無性に「誰か」をほしがる。蛮骨とて、判りすぎている寂寞である。「かといって、何も・・・」仲間内に「誰か」を求めなくても、良かろうと呟く言葉 . . . 本文を読む

拘束 ー2ー (犬夜叉 二次小説)

2022-11-27 11:12:00 | 拘束(蛮骨×蛇骨)
「何で?」すげなく蛇骨を振りほどく蛮骨が憎く思える。「お前の用事はすんだだろう?」蛇骨の中に「寂寞」がはきだされてしまえば、蛇骨にとって心なんかどうでもいいはずの蛮骨への用事はすんでいる。「だけど・・・なんで?」なんでそんなにつれなく二人を解き放ち、慌ててもとの別々の者に戻ろうとしなければならない。「きにいらなかったのか?」だったら、蛮骨の物が蛇骨をあんなに煽情させはしない。「ふ」小さく笑う蛮骨が . . . 本文を読む

拘束 ー3ー (犬夜叉 二次小説)

2022-11-27 11:11:46 | 拘束(蛮骨×蛇骨)
ぬると湿った手が蛇骨をからめとる。森のなか。鬱蒼とした木立の薄暗い闇の中から手をのばし、蛇骨を抱き寄せる男が誰であるかを見咎めるより先に蛇骨のうなじは舐め上げられた。「とうとう、あいつも手にいれちまったかい?」己の腰の下、自分の膨らみを蛇骨に誇示するため煉骨は蛇骨の腰骨当りに手をおき、自分に向けて蛇骨をひきよせた。薄い着物一枚の下で怒張する煉骨の物を、宥めてやる事をいままでにも何度か許した蛇骨であ . . . 本文を読む

拘束 ー4ー (犬夜叉 二次小説)

2022-11-27 11:11:33 | 拘束(蛮骨×蛇骨)
映り行く葉影の青さに目も留めぬうちに季節は移ろい行く。蛇骨の横をすり抜けた一人の男の伏し目がちな恋慕も今は煩わしい。睡骨の窺うような瞳が目の端にとまると、一時の遊戯が残した後味の悪さが舌に浮かぶ。『ほんの少しの慰め事じゃねえかよ』睡骨とあの交わりがただの気紛れでしかないと教えた男を捜す蛇骨の胸に今はただ嫌な予感しか沸いてこない。森を抜け、いつかの場所を目差したのは蛇骨の直感だったのか、今も絡みつく . . . 本文を読む

拘束 ー5ー (犬夜叉 二次小説)

2022-11-27 11:09:19 | 拘束(蛮骨×蛇骨)
蛮骨の深手はすぐに知れる。一番にそれを知った煉骨が嘲る。「一筋縄じゃあ、いかねえ相手だとわからねえ、蛮骨じゃ、あるまいし」暗に自分の戦法こそが犬を倒せるという。自分こそが覇者になれる男と煉骨は蛇骨に誇示する。「蛇骨・・・こい」皆の前で、蛇骨だけを選ぶ。蛇骨と共に蛮骨の仇を討とうなぞという煉骨のわけではない。「・・・」断る。そういおうとした蛇骨の腕を煉骨がつかんだ。酷くこわばった煉骨の手から、伝わっ . . . 本文を読む

拘束 ー6ー (犬夜叉 二次小説)

2022-11-27 11:05:38 | 拘束(蛮骨×蛇骨)
座を抜け、蛮骨の元に走り出した蛇骨の背中を見詰めた睡骨は煉骨の手を振りほどいた。「こんな、無理強いをしなくても、私はいきますよ」僅かな征服欲を大きく育てる事が出来る相手かどうかはいざ知らず睡骨の応諾は、煉骨の支配欲をそそり始めていた。「蛇骨のかわりには、とうてい、なれませんが」と、睡骨はいう。蛇骨に軽くいなされた煉骨を皮肉っているとしかきこえない。「いつから、そんな生な口をきけるようになった?」蛇 . . . 本文を読む

拘束 ー7ー (犬夜叉 二次小説)

2022-11-27 11:05:24 | 拘束(蛮骨×蛇骨)
山中の今は人もこぬ荒れ寺を仮の棲家にして、独り。蛮骨は湯治場に近い所を選んだ。ようやっと、傷がふさがれば、癒しの湯こそありがたい。「蛮骨兄貴・・」戸口から入ってくる蛇骨を認めながら、蛮骨は大鉾を研ぐ手を休めもしない。「来るなっていわれてたけど・・・」約束を破ってはせ参じた自分の言い訳をいうよりも、蛇骨の目がとらえた光景に息をのむしかない。「それ?」何をしているのだと訊ねるまでもない。蛮骨は黙って大 . . . 本文を読む

拘束 ー終ー (犬夜叉 二次小説)

2022-11-27 11:05:07 | 拘束(蛮骨×蛇骨)
「兄貴・・・」負けると判っていても、それでも、犬に立ち向かおうとする。あんたは充分自分を信じようとしているじゃないか?何で、そういって自分を許してやらない。なんで、そういって自分を庇ってやらない。「いつか、お前、いってたな?」蛇骨を抱いた手をきつくすると蛮骨はその耳元で囁いた。「抱いてやる」蛇骨はうなづいた。頷いた顎に伝う雫を拭い取りながら蛮骨はいつかと同じように訊ねた。「何で・・泣く?」「俺は・ . . . 本文を読む