研究生活の覚書

研究していて、論文にするには届かないながらも放置するには惜しい話を書いていきます。

恥ずかしながら、単著をだしました。

2008-07-01 00:01:10 | Weblog
久々の投稿で、用件だけを書くようで、大変恥ずかしいのですが、
このたび、ようやく私の単著が出版される運びとなりました。

『アメリカ連邦体制の思想的基礎―ジョン・アダムズの中央政府論』(渓水社)、3800円

ブログで書いていることは、研究の過程で思いついたことをつづったものですが、こちらは、本業の研究論文をまとめたものですので、面白くないかもしれませんが、何かの記念にはなるかと。デザインがスッキリしているので、部屋のインテリアにはなるかもしれません。

小さいながらも、本当にちゃんとした出版社の方々に、満足のいく本を作っていただきました。せっかくなので、知っていただきたいと思い。恥ずかしながら、下品を承知で、ブログで告知させていただきます。

まさか自分の口からは買ってくれとはいえません。

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
貴重な本! (theinspiration)
2009-11-28 09:07:47
アメリカの建国者たちについて調べていたところ、貴殿のブログを見つけました。
特にアダムスについて知りたかったので、
本をだしてくれたことに感謝です。
遅ればせながら、
購入させていただきました。

読むのが楽しみです!
返信する
Unknown (standpoint1989)
2008-08-10 05:16:35
ちょうどミリシアの話が出ていますが、アメリカというのは不思議な国で、中央政府に対する「私たち」という概念が強くて、果たしてあれは国民国家なのだろうかと最近考えています。国民としての斉一性と、レーガンが言った、「私たちはアメリカ人なのだから(困難に打ち克てる)」という時のアメリカ人という概念にはかなりの距離があるのではないかと思っています。
別項でおっしゃっておられるように、私もヒラリー・クリントンの方が、チェンジにそぐうのではないかと思っています。医療保険改革はオバマも公約としていますが、ヒラリー・クリントンはとにかくもそれに真っ先に手をつけた人物であって、医療保険制度の充実こそは、国民の互恵制度の最たるものであって、国民間の「彼ら」と「私たち」の垣根を乗り越え、国民の再統合を成し遂げるものだからです。こうした思想は、国民であることに重きを置く国民国家によって成り立つもので、高度に進行した市民社会においてはその欲求が低いものです。
アメリカは第2次世界大戦以後、世界の中心にあり、特に80年代以後のネオリベラリズムの進展に伴って、極端に世界帝国化したと見ています。
それは同時に土着の歴史的な存在であるアメリカの希薄化につながっていると思います。
グローバル化する世界にあって、中国の製造業の影響をいずれの国も受けないではいられないように、極端に異端である国の存在は、国民国家をベースに置く先進社会の大半にあっては、存在それ自体が危険であり、アメリカの特殊性、アメリカのような製造業や医療の状況であれば他の国ではまず間違いなく国民の側から改善の圧力がかかるはずですから、それが他国からすればあり得ないほど小さな圧力であるというのはまさしくアメリカの特殊性でしょう、その特殊性が国民国家化によって是正されるとすれば、アメリカ国民にとっても、世界にとってもいいことだと思います。

本の話では、ハミルトン派の敗北の話が、非常に興味深く感じました。時に現実外交派は、原則を無視することが現実である、と捉えてしまいがちですね。最低限度の原則なくして、国家もまた存立はできないものですが。
ナチス台頭期のチェンバレンやロイド・ジョージの姿勢に通じるものを感じました。
返信する
お久しぶりです。 (standpoint1989)
2008-08-10 05:14:02
単著発刊おめでとうございます。Amazon.co.jp で一冊購入いたしました。一気に読むには内容が充実した専門書籍なので、徐々に読み進めています。
覚えていらっしゃるかどうか分かりませんが、このあたりの事情を記した邦文の書籍がなかなかに少ないと嘆じたことがあり、オッカムさんに一助をお願いしたことがあります。
今回、それが叶いました。ありがとうございました。次はJ.Q.アダムズですね!(><)

ちょうどミリシアの話が出ていますが、アメリカというのは不思議な国で、中央政府に対する「私たち」という概念が強くて、果たしてあれは国民国家なのだろうかと最近考えています。国民としての斉一性と、レーガンが言った、「私たちはアメリカ人なのだから(困難に打ち克てる)」という時のアメリカ人という概念にはかなりの距離があるのではないかと思っています。
別項でおっしゃっておられるように、私もヒラリー・クリントンの方が、チェンジにそぐうのではないかと思っています。医療保険改革はオバマも公約としていますが、ヒラリー・クリントンはとにかくもそれに真っ先に手をつけた人物であって、医療保険制度の充実こそは、国民の互恵制度の最たるものであって、国民間の「彼ら」と「私たち」の垣根を乗り越え、国民の再統合を成し遂げるものだからです。こうした思想は、国民であることに重きを置く国民国家によって成り立つもので、高度に進行した市民社会においてはその欲求が低いものです。
アメリカは第2次世界大戦以後、世界の中心にあり、特に80年代以後のネオリベラリズムの進展に伴って、極端に世界帝国化したと見ています。
それは同時に土着の歴史的な存在であるアメリカの希薄化につながっていると思います。
グローバル化する世界にあって、中国の製造業の影響をいずれの国も受けないではいられないように、極端に異端である国の存在は、国民国家をベースに置く先進社会の大半にあっては、存在それ自体が危険であり、アメリカの特殊性、アメリカのような製造業や医療の状況であれば他の国ではまず間違いなく国民の側から改善の圧力がかかるはずですから、それが他国からすればあり得ないほど小さな圧力であるというのはまさしくアメリカの特殊性でしょう、その特殊性が国民国家化によって是正されるとすれば、アメリカ国民にとっても、世界にとってもいいことだと思います。

本の話では、ハミルトン派の敗北の話が、非常に興味深く感じました。時に現実外交派は、原則を無視することが現実である、と捉えてしまいがちですね。最低限度の原則なくして、国家もまた存立はできないものですが。
ナチス台頭期のチェンバレンやロイド・ジョージの姿勢に通じるものを感じました。
返信する