研究生活の覚書

研究していて、論文にするには届かないながらも放置するには惜しい話を書いていきます。

良いと思った本は、読める読めないに関わらず買うことが大事

2021-06-16 03:03:38 | Weblog
ある研究目的があり、それに関連する本を大量に購入する。

大量に購入するから、使い方は史料の保管に近いものになり、毎日の業務ですぐに読むことはできない。
論文を書いたり、学会発表したり、様々な研究活動の中で、こうした大量の本は断片ごとに使われる。
そのうち、時間の経過とともに当初の大量購入の意図が、消滅することもある。そういうことの方が多いかもしれない。
さらに購入した書籍が大量だと、その書籍を購入した当初の意図を忘れるどころか、その本を購入したのかどうかの記憶もなくなる。
つまり、買った本が把握できなくなる。

実は、独創性とはここから始まるのではないかと思う。
研究は、すでに書かれたものには業績的価値はない。
研究動向を正確に理解するためにその研究に関する本を購入する。

しかし、自分の当面の研究を継続している間に新たな知見や見解の変化が生まれる。
実力も増している。

そんな時、ふと、「本棚に買った記憶がない、名著を見つける」。
購入した時とは、まったく異なる視点と見識から、別の目的で書かれた名著を不意に見つける。

そこに独創的な研究構想が誕生する。
つまり、本は、あるいは近年は電子媒体で見つけた論文は、その時に興味をもったら躊躇なく買うべき。
当然、読みきれないが、実は読み切れないどころか、買った動機するら忘れた頃に、それらが独創的な研究構想を導くから。