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野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

里地里山の1年 4月上旬③春の里山

2023-04-03 | 里地里山の1年

春の里山③

小川から春のたより

 

「春の小川は さらさら行くよ/岸のすみれや れんげの花に/すがたやさしく 色うつくしく/

咲けよ咲けよと ささやきながら」(作詞:高野辰之、作曲:岡野貞一)

 

春の小川といえばどちらの川をイメージされるだろうか。

 

最初の川は里山を流れる「小川」

川岸にはネコヤナギがあり、川の両側にはアセビやクロモジ、ヒサカキの花が見える。谷にのれんのようにぶらさがって咲いているのはキブシ。

もう一つは、4月上旬サクラ並木の武庫川上流部、藍本日出坂付近の川の様子

河原には、土手焼きのあとにあざやかな緑と黄色が目に付くノウルシ(花序の下部の苞葉は倒卵形で、あざやかな黄色を呈し、遠くから見ると花弁のように見える。兵庫県Bランク)があった。そして、歌のようにレンゲ、土手には、タチツボスミレやキランソウが、やや湿ったところにはムラサキサギゴケが

どちらのイメージがぴったりするのはもうおわかりだろう


里地里山の1年 4月上旬②ため池から

2023-04-02 | 里地里山の1年

春の里山②

ため池から春のたより

 

私たちの活動の場所に大小合わせて9枚のため池があります。田んぼで稲を作るのをやめてしまって、現代活用されているのはなし。土手の崩壊をさけるため、ほとんどの池の樋がこわされています。

私たちが里山作業をするまえは、日の当たらない暗い池がほとんどでした。

しかし、周りのササや低木を切り払い池に日の光をあてることによって、多くの植物や動物がもどってきました。

春に見られたため池での生き物たち。

2月下旬から池に来てたヒキガエルが生んだ卵がかえっておたまじゃくしがたくさんいました。池の周りでヒキガエルの親がないています。

来月になると、1cmほどになって陸に上がってきます。

他に水面にはメダカの群れが、

冬の間は泥の中で冬眠していたのが、春の光とともに泳ぎだしました。

植物ではショウジョウバカマ、ロゼット状に広がった葉の中心から茎を立てて、てっぺんに数個の花をつける。播磨地方で、白い花をみたが、シロバナショウジョウバカマというそうだ。

池の土手の周りにはこの時期、シハイスミレが点々と咲いている。葉の裏が赤紫色を帯びるので見分けやすい。

低木のコバノミツバツツジがクロモジの花がさいています。花の後に葉がでてきます。山全体にあとひと月もたつと緑におおわれます。


里地里山の1年 4月上旬

2023-04-01 | 里地里山の1年

里地里山の1年 4月上旬

 

一言でいえば里山は人と自然が共生する場所。

人の手が加えることによって維持されてきた雑木林(コナラ林),アカマツ林,竹林,スギ林など里山林を保全していこうと20年近く活動してきました。

人々の暮らしと深くかかわってきた里山林でしたが、次第にその林に人の手が入らなくなり、多様な生き物を育む場となってきた里地里山が,荒れたままの山林となり、生物の多様性が失われていきました。

里山に手を加え自然との共生の手助けを実践してきました。

私たちの活動の場所は、里山林の他に,耕作地(水田,畑),水辺(小川,ため池),人の住む集落があります。

この4 点セットで里地里山です。

里山保全活動にくわえて、畑作活動、水田活動もシステムにいれて里地里山を多様な生き物を生む場所にしていきたいと思っています。

春の里山

4月はじめの里山はタムシバが咲き始めるとヤマザクラやコバノミツバツツジが咲き始めます。

田んぼには米作りがはじまるまでに、レンゲ、ハハコグサ、コオニタビラコ、ノミノフスマ、タネツケバナなどが生えています。湿った畦にはムラサキサギゴケやカンサイタンポポが咲いています。

田植えの準備が始まるまでに、多くの花がこれからひと月の間、見られるようになります。

これからどのように変わっていくのか観察を続けていきましょう。


子どもの本がおもしろい㊲

2023-04-01 | 資料を読む

子どもの本がおもしろい㊲

今回は農業、学校で食育実践、肥料の代わりに野菜ごみをつかって育てるノンフィクション。

「菌ちゃん野菜をつくろうよ」

あんずゆき文

出版社 ‏ : ‎ 佼成出版社; 初版 (2016/6/20)

発売日 ‏ : ‎ 2016/6/20

言語 ‏ : ‎ 日本語

単行本 ‏ : ‎ 96ページ

 

「虫はまずい野菜につく」退職金使い果たした有機野菜農家がたどり着いた驚愕の答え(2020年)

「雑草があれば2カ月で有機野菜作り始められる」常識を覆した土作りの方法とは?(2020年)

生ゴミコンポストの作り方|菌ちゃん先生の「生ゴミ漬け物投入法」(2021年)

菌ちゃん(吉田俊道さん)に学ぶ自然農法の世界が日本を救う理由(2022年)

とネットには山のように菌ちゃん農法があります。

 

この本は、これは子ども向けに書かれたノンフィクション 2016年のもの

 

菌ちゃん先生こと吉田氏は、1996年から農業を始められたそうで、この本は20年間の成果と実践、おもに子どもたちを行った実践の経過と結果をあんずさんが著したもの。

2010年に「生ごみ先生の元気野菜革命」が‎ 東洋経済新報社が出版されているので、16年ごろには成果が定着し評判になっていたのだろう。

 

出版社の説明には

「菌ちゃんって、なんだろう? ほんとうにいるのかな? ある小学校で行われた「菌ちゃん野菜づくり」は、そんな疑問いっぱいで始まりました。菌ちゃんとは、土の中にいる土壌微生物のこと。土に混ぜた生ごみを菌ちゃんが分解し、発酵熱で土がおふろのように温まることに、子どもたちはびっくり。さらに、菌ちゃんがたくさんいる土で育った野菜のおいしさに、またびっくり! 子どもたちが野菜づくりを通して、目に見えない微生物の存在に気づき、いのちの循環や健康の大切さを感じていくようすを紹介したノンフィクションです。」

 

本書は、長崎県の小学校で行われた、吉田俊道さん(大地といのちの会)による「菌ちゃん野菜づくり」の授業をまとめたものです。 現代の子どもたちの食の乱れを危惧している吉田さんは、野菜づくりの体験が、食を見直す近道だと言います。 実際に土づくりをしてみましたが、土に混ぜた生ごみが消え、土が40度以上に温まると、大人でも感動します。土壌微生物が土を豊かにし、そこで育った野菜から栄養をいただいているのだということがよくわかります。 ぜひ多くの方に体験していただきたいと思います。巻末には、家庭でも簡単にできる菌ちゃん野菜のつくり方を掲載しました。

 

 

動画などからも多くの方の支持があるようで、最近は糸状菌を出させるために枯れ木や枯れ草や竹を利用して畝の上に乗せて軽く土をかけて発酵させる方法なども盛んに動画がみられる。

子ども向けに書かれた本だが、入門編として生ごみを活用してみようとおもう本でした。

バックグランドが広いので、この本だけではエッセンスのみ、

実践からこまかい方法は動画などを参考にしないといけないが、食育にもかんれんすることなので、興味ある人は調べてみるのが良いだろう。

 

窒素リン酸カリという肥料の概念だけでは植物の成長は図れないという本。