野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

ギョウジャニンニクとショウジョウバカマ-今週のこれだけはおぼえよう--

2019-02-15 | フィールドガイド--植物編--
今までの「今週のこれだけはおぼえよう」第61回目 (2002年11月18日~11月24日)
氷河期の生き残りパートⅡ
ギョウジャニンニク(ユリ科)
 この植物も中部山岳から北の地方の高層湿原に分布している植物です。この写真は、大峯山(山上が岳・稲村が岳)で撮りました。名前の由来は、山岳仏教の修験者(行者)が食用にしたことからついたと言われています。この植物を使った餃子を中華料理店で口にすることもあります。高層湿原に生育する植物は、氷期の寒冷な気候に適応した植物で、当時は平地にも分布していましたが、現在の温暖な気候の下では、冷涼な限られた場所に分布しています。
ショウジョウバカマ(ユリ科)
 六甲山から三田盆地(東は妙見山・西は法華山地・北は母子から清水寺の山地・南は六甲山地)にかけての湿潤な土壌(湿り気のある土)に生育しています。
かの有名な尾瀬ヶ原などの高層湿原に本来分布していますが、この近畿地方では、平地の田の畦から高い山にかけて分布しています。
ブナを中心とする森の中にも生育しています。
ショウジョウバカマは、通常3年間ぐらいは、光合成の能力をもつ根生葉をもっています。
葉を広げた姿で春を待ち、光合成をおこない、養分をつくることができます。
春の初め、ピンク色の蕾の先端から柱頭が突き出しているのが見られます。
ショウジョウバカマは雌性先熟花で他花受粉を基本とする植物です。が、
栄養繁殖体を葉の先端部につくり、栄養繁殖によって仲間をふやすこともできる植物でもあります。
葉を輪生し、冬の寒さにあたると赤く紅葉するため、想像上の動物の猩猩(ショウジョウ)の名がついたと言われています。
 

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