野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

奈良公園のシカが食べない植物

2018-09-15 | フィールドガイド--植物編--

奈良公園といえばシカ
何を食べているかというと「シカせんべい」
これだけでは、生きていけません
食べ物は、芝、ススキ、他のイネ科やカヤツリグサ科の植物を食べます
奈良公園のシカは平坦地に生活する「公園ジカ」と「若草山のシカ」の2タイプに分けられるそうです。
公園シカは芝がおもなエサとなりますが、本来野生の日本ジカはイネ科植物、木の葉、堅果(ドングリ類)、ササなどおよそすべての植物を食べて生活しています。里に下りてきたシカは困りものになっています。
シカはこれから交尾期(秋)。オスがメスの行動圏に移動し、メスを追いかけるため、秋のオスはほとんど食物を食べなくなります。
奈良公園ではオスが荒々しくなる秋(10 月頃)に、角きりが実施されます。

さて、奈良公園ではシカが食べない植物があります。毒が含まれているので、食べなないので奈良公園にシカが食べない独特の植生となっています。

■ シカが食べない植物
ナギ(マキ科)
春日大社の林の主要な木で、ナギの純林は国の天然記念物になっています。葉はだ円形で、表面が光っており、葉の先まで細かな脈が平行して走っているのが特徴です。引っ張っても切れないことから、昔、女の人が嫁ぐときに鏡の裏に入れて縁が切れないようにと願ったそうです。

アセビ(ツツジ科)
 早春から花を咲かせます。アシビともいわれ、草食の動物が食べるとしびれた状態になるため、シカなどは食べません。そのため奈良公園に多いのです。
イワヒメワラビ
(コバノイシカグマ科)
 日当たりのよい草地に生えるシダ植物です。ワラビとよく似ていますが、葉や葉軸に白い毛があるので見分けることができます。シカは食べません。


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