野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

山笑う コナラとクヌギ

2023-04-15 | 自然観察会

山笑う コナラとクヌギの花

 

春の山の草木が一斉に芽吹きはじめた。例年より1週間以上早い。

周辺の雑木林のコナラ、銀色の新芽から新しい葉を出したとおもったら、さっそく雄花をさかせています。

クヌギもコナラの葉に比べて大きい葉をひろげると、コナラよりおおきな雄花をたらしています。

コナラやクヌギは秋のドングリの時は注目される木々ですが、春はスルーされることが多いようです。

コナラの雄花は黄緑色をして垂れ下がって咲いています。雌花は、茶色っぽい色をしています。

 

コナラは伐採すると容易に萌芽するので、かつては薪炭材や水田の緑肥として重要な樹種でした。里山でも貴重な木でしたが、利用されずにどんどん大きくなっています。現在はシイタケ栽培のほだ木として利用される程度になっています。

 

クヌギも同じような状況です。

台場クヌギ

川西市の黒川は、炭の原材料を得るため、クヌギの根元から1〜2mの所で幹を伐採して、そこから発生する芽を新しい幹として成⻑させて台場クヌギとよばれる特殊な仕⽴て⽅で有名です。「猪名川上流域の⾥⼭(台場クヌギ林)」は、平成25年度に林業遺産に認定されています。

 


モンシロチョウとスジグロシロチョウ このごろ事情

2023-04-12 | 自然観察会

モンシロチョウとスジグロシロチョウのこのごろの事情

 

多くの学校では入学式が終わり、いよいよ学習に力がはいります。

小学校3年理科では、5月に昆虫の体について学習します。

多くの教科書で、昆虫の体で取り上げる昆虫はモンシロチョウ。

それで、苦労するのが5月になって、モンシロチョウの幼虫青虫を集めること。

今の間に、花壇にキャベツの苗を3株ほど植えておくと、モンシロチョウが産卵にやってくるので、青虫の観察にまにあいます。

 

昆虫と植物の関係を勉強するのに、野外での観察は必須ですが、最近はタブレットで画像を見て終わりにすることができるので、虫の嫌いな先生にとっては便利なツールになっていまいました。

さて、

 

図鑑などでは「モンシロチョウは人家近くに多いのに対し、スジグロシロチョウは山地に多い傾向がある。」とあります。

モンシロチョウとスジグロシロチョウの最近の事情をお話しします。

 

モンシロチョウは日当たりのよい場所を好み、キャベツなどのアブラナ科の植物(とくに野菜にたまごを産むので農家にとってはこまりもの)に産卵する。

スジグロシロチョウは林の中のような、やや暗い涼しい場所を好み、タネツケバナやイヌガラシなどのアブラナ科の植物に産卵する。モンシロチョウに比べてアブラナ科であればよいというので選ぶ植物は多いのが特徴です。これが、図鑑などに書いてある事柄です。

ところが、都市化とともに、キャベツ畑が少なくなり、畑が住宅となり、モンシロチョウの産卵場所が少なくなってきました。それで、モンシロチョウが着目したのが川原に生えているセイヨウカラシナです。

モンシロチョウの幼虫青虫を探しに行くなら、むかしはキャベツ畑(農薬ですぐにいなくなってしまいますが)でしたが、川原のセイヨウカラシナの葉を探しに行くと見つかります。

スジグロシロチョウはというと、ビルの谷間にある緑地を生活の場所に移しました。

都会にふつうに見られるアブラナ科の植物に産卵するので、モンシロチョウよりは都会では目立つようになってきたのが、このごろの事情です。


ヒバリ 天に歌う

2023-04-11 | 自然観察会

ヒバリ

 

麦畑に巣をつくり、空高く舞い上がって一日中のどかにさえずる。昔は田んぼに米の収穫が終わると麦を植える。二毛作の様子がよくみられました。日本の麦が見られなくなったのは海外から安い小麦がはいってくるとだんだん作られなり、麦踏も過去のことばになっています。

背の低い草地が、なくなってきたので、近年ではヒバリなどの草地性の野鳥も減少しているといいます。

阪神間や播磨地域の、広い下流の河川敷では草刈りを定期的にするので、そのような場所ではふつうにみられます。

 

春はヒバリにとって繁殖期です。

オスは、メスを呼ぶために、空に舞い上がり、ホバリングをしながら

「フィチフィチフィチ / ピージョルピー チョフチョフチョフ/ピー ジュルジュル…」

とさえずります。

滞空時間は20秒から1分ぐらいで、長いときには20分間もさえずり続けるといわれています。

 

今はできませんが、ヒバリを飼うことが人気の野鳥の一つでした。

江戸時代には、「放しヒバリ」「揚げヒバリ」といって、籠から出したヒバリが空に昇らせて滞空時間を競う遊びがありました。

 

ヒバリのなかまはユーラシア大陸、アフリカ大陸の北部、イギリスなどに15属75種います。日本ではヒバリ1種のみが生息しています。

世界的にも減少傾向にあるそうです。

世界各地の古い詩や物語などにも数多く登場しています。


竹のなかま

2023-04-06 | 自然観察会

タケノコ

3月から5月にかけて旬の「たけのこ」はモウソウチクのたけのこです。

タケノコは竹の地下茎から出る若芽の部分をいいます。

 

タケのなかま

タケには節があります。枝の出ていない節の部分をよく見ると、タケによって違いがあることに気づきます。節をもとに竹の見分け方を紹介します。

ハチクやマダケでは節が2本の環で出来ています。ハチクでは枝の第一節目をきると、つまっています。マダケでは空洞があります。ハチクは誤って「破竹」と書かれることがありますが、本当は表面が少し白い粉をつけたように白いことから「淡竹」と書くのが正しい名です。 

茶道で使う茶筅(ちゃせん)はこのハチクで作ります。また、ハチクのタケノコは苦味が無く食べやすく市場などにも出回ります。また、マダケは曲がりにくいので旗ざおなどに用いらてきました。

タケの多くは中国から日本に持って来られたと考えられていますが、モウソウチクはタケノコを採るために中国からもたらされたタケです。

タケはそのほとんどが、同じ地下茎から出ているので、いわば竹林全体が一つの植物ということができます


春、菜の花 アブラナのなかま

2023-03-27 | 自然観察会

アブラナの仲間

寒い冬が終わり、青空にぽっかり白い雲。ヒバリがピーチク鳴きながら高く舞い上がるそんな春の淀川の土手は一面黄色い花に被われます。

セイヨウカラシナは秋から冬にかけて大きな鋸歯のある葉を広げて冬を越し、春他の植物が伸び出す前に花茎を伸ばして花をつけます。このような植物を2年草とか越年草といいます。

アブラナの仲間はみんな花びらが4枚で十文字に見えることから十字架植物とも呼ばれます。

種子から油をとるために栽培されているのがアブラナです。また、アブラナもセイヨウカラシナも外国から入ってきた植物ですが、栽培されるだけでなく自然に広がったものを帰化植物〈外来種〉といいます。  

セイヨウカラシナは種子が辛いのでカラシナといいます。

セイヨウカラシナはアブラナに比べて花びらが細いのと、葉には大きな鋸歯がありますが、アブラナの葉には大きな鋸歯はありません。

淀川で見られるそのほかのアブラナの仲間には、三味線のばちのような三角形の果実をつけるのでペンペングサとも呼ばれる、ナズナ、相撲の行司の持つ軍配のような種子をつけるマメグンバイナズナ、田植え前にモミを水に浸ける時期に咲くタネツケバナ、レストランなどで肉料理に添えられるオランダガラシ(クレソン)、黄色い花をつけるイヌガラシなどがあります。

ナズナやクレソンは3月ぐらいの軟らかな葉を湯がいてマヨネーズなどとあえると美味しいです。

(「生きている淀川」より)


大和川調査で出会ったスミレ

2023-03-19 | 自然観察会

大和川調査で出会ったスミレ

 

名前の由来は花が大工道具の「墨入れ」に似ていることから、という説がある。

 

3月から5月にかけて大和川流域での調査で出会ったスミレの紹介。

源流部ででは サクラスミレ

奈良市内では コタチツボスミレ、スミレ、ノジスミレ

金剛山では シハイスミレ、ツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、タチツボスミレ

サクラスミレ 花は日本のスミレ属中最大の大きさ。雌しべが見えない咲き方が特徴のひとつ。

コタチツボスミレ  シーボルトが弟子たちに採集させたものに与えられた名

スミレ 根元から多数の葉や花茎を伸ばして咲いている。

ノジスミレ スミレに似ているが、葉はスミレより基部が広く、やや三角に近い。

シハイスミレ 葉の裏面が紫色をしている

ツボスミレ 湿った山地にはえる

ニオイタチツボスミレ 開花の初期は花は地面近くから、花の最盛期にやがて茎をのばす。

タチツボスミレ 葉は心形できれいなハート形

日本では野草、スミレは草だが世界を見ればスミレは木の種類の方が多い。おどろき


大和川ウォッチング 春の植物

2023-03-13 | 自然観察会

大和川ウォッチング 春の植物

 

大和川の上流の奈良盆地には156本の支川が流れ込みます。出口は奈良県の王寺町で1本になります。一本になった大和川は亀の瀬と呼ばれる渓谷を経て大阪へ流れていきます。

亀の瀬は、大和川の水が奈良から大阪へ流れるたったひとつの出口です。

亀の瀬で地すべりが起こって大和川がふさがれると、奈良盆地は水没し、大洪水になってしまいます。その水は、やがて鉄砲水となって大阪平野を襲い、大阪平野も水没してしまいます。過去の地すべりの際には亀の瀬付近の地形も変わっています。

王子のところで紅葉で有名は竜田川が合流しますが、古代から江戸時代まで、亀の瀬付近の大和川は、龍田川と呼ばれていました。

現在の竜田川は、平群川を竜田川に変えたものです。名称が変わり、紅葉を植えて名所となっています。

亀の瀬で見られた植物 春

クサフジ(マメ科)牧草として利用されていたのが逃げ出した植物。奈良盆地から大和川下流まで各地で群落として見られます。         

セイヨウカラシナ(アブラナ科)元々食用として導入されたものが野化しました。春の川原を一面黄色に染めてくれます。

ホトケノザ(シソ科)春の七草に数えられる「仏の座」とは違います。畑の付近や土が肥沃な場所では、ホトケノザが群生している様子をよく見かけます。

カンサイタンポポ(キク科)長野県以西の本州、四国、九州、南西外に分布している。カントウタンポポ、トウカイタンポポなど地域のタンポポと外来のセイヨウタンポポのように全国に広がったタンポポも。

シロバナタンポポ(キク科)染色体数は5nであり、単為生殖を行う。総苞外片はやや反り返り突起が顕著である。タンポポは黄色と思っている人は島根、高知、愛媛、大分、熊本、宮崎では、過半数の方が「白色」と答えるのは驚き。

ハルノノゲシ(キク科)このような黄色い花を観ると子どもたちタンポポと答えますが、この花はノゲシといいます。秋に咲くアキノノゲシがあるので、春に咲くのでハルノノゲシ。史前帰化植物のひとつ。

オオイヌノフグリ(オオバコ科)明治の初めにヨーロッパから日本に伝わってきた。ゴマノハグサ科とされていたのですが、現在はDNAの分析により、オオバコ科となりました。今まで当会で出版した本は訂正しないといけません。

オランダミミナグサ(ナデシコ科)ヨーロッパ原産の越年草。今世界中で見られる野草です。

カラスノエンドウ(マメ科)本州以南に分布。畑や道端、空き地などでよく見られます。

タネツケバナ(アブラナ科)水田や水路の周辺など、湿り気のある場所で見られます。イネの種を水に漬けて発芽させるころ花が咲くというのが名前の由来。

ムラサキカタバミ(カタバミ科)南米原産。直径2ミリほどの小さな球根をたくさんつけて増えます。環境省に「要注意外来生物」と指定されています。

キュウリグサ(ムラサキ科)葉っぱをこすったりちぎったりするとキュウリの香りがするのがな前の由来。春に青色の 小さい5弁花がカレン。

 

その他

カニクサ、ネコヤナギ、ママコノシリヌグイ、イタドリ、ギシギシ、シロアカザ、アケビ、ヨウシュヤマゴボウ、ノイバラ、クサイチゴ、ヌスビトハギ、ヤブガラシ、カタバミ、ノブドウ、チドメグサ、メハジキ、クコ、ハルジオン、オニノゲシ、カンサイタンポポ、オオオナモミ、ヤマノイモ、メヒシバ、アキノエノコログサ など


大和川源流のシダ植物と源流探検

2023-03-10 | 自然観察会

大和川源流調査とシダ植物の観察

都祁高原での大和川の源流調査。悪天候のなかでの調査となった。

丘陵を上り、水の流れを見つける。

丘陵地の尾根筋をみつけ左右に水の流れを確認。

ここを境にして木津川水系と大和川水系に分かれる。

大和川水系側の水の流れを追う。

この日は小雪交じりの小雨模様、地面にしみた水が水路となり、この水の流れは見つけやすい。

水の流れの先に、「大和川の水源」の標識を見つける。

我々より数日前に大和川源流を探るイベントがあり、源流を定めた。水が湧き出て場所を辛くも源流部として確認した次第。

そこより水路をたどるとため池に出会う。本来これが大和川の源流部と紹介されている。

ため池から水路の流れは葛神社の前を流れて、やがて初瀬川となる。

 

都祁高原で大和川源流を調査の際、観察したシダ植物を紹介する

クジャクシダ(ホウライシダ科)

北海道〜本州、四国の山地の林縁で見られる。名前は葉が孔雀の尾羽のような姿になることから。

夏緑性のシダ植物。ホウライシダのなかまは温暖な地に自生しているのが多いのですが、クジャクシダはく冷涼な気候を好みます。都祁高原の気候にぴったりのシダかもしれません。

クジャクシダは、新芽で深紅のものがあり赤芽と呼ばれます。

 

イヌチャセンシダ(チャセンシダ科)

見た目はチャセンシダによくにていますが、本種は葉柄の翼よくが3枚で、チャセンシダは2枚あることで区別できます。また、イヌチャセンシダは湿った岩壁でよくみられますが、チャセンシダは山野の路傍や岩上でみられます。

 

ナンゴクナライシダ(オシダ科)

低山~山地の湿った林床や林縁に生育する常緑性シダ。ナンゴクナライシダは暖地性で西日本に多い。よく似たホソバナライシダは温帯性で東日本に多く自生している。ナンゴクナライシダは羽軸の溝に毛が密生しているが、ホソバナライシダは無毛か又は毛があっても少ないところで見分ける。

最下羽片は中軸に対して左右180度に広がり、最下羽片後ろ側基部の小羽片は左右に分かれている。

 

ヒメカナワラビ(オシダ科)

常緑性のシダ。福島県以南の本州、四国、九州に分布。低山~山地の半日陰から日陰の湿った林床や岩場などで見られる。葉先(小羽片)はとがって固そうです。


月の話

2023-03-02 | 自然観察会

次の歌は、いつ頃の状態の月を歌ったものでしょう。

菜の花や 月は東に陽は西に

 

与謝蕪村によって詠まれました。正解は満月。小学校の理科の本や国語の本に載っています

安永3年(1774年)、蕪村が、摩耶山(まやさん)を訪れたときの句です。菜の花がお店にならびはじめました。今回は、菜の花ではなく「月」

もっとも近い天体「月」。小学校では、月の見え方の指導には随分と苦慮なさっておられるのではと思います。

小学生に月の動きや見え方を指導するとすれば、ハタと困ってしまうことでしょう。特に、フツ-のお父さん、お母さんでは理解できないような問題もあります。まことに今は理科嫌いを作るにはもってこいの教育をしているのでは、と考えてしまいます。

 

大学生に「三日月」がどうしてこのような形にみえるのか絵や図をつかって説明をもとめた報告があります。小学生の場合、「太陽に遮断されているから」「地球に隠されているから」「雲に光がさえぎられて」等と物による遮蔽をあげる者が結構います。大学生でも「地球に隠されて」と答えた人が3割近くいたとか。

天文のお話をしている講師の方から、

「太陽や月が出たり沈んだりする方角についてもむつかしい子がいるよ。太陽は西から東に動くとおもっている子(歌の歌詞をそのまま信じている子がいるみたい)がいるのだからおどろくよね。」

 

最後は1週間の月(げつ)の話

一週間の初めは日曜日です。 神様がこの世をお創りになるのに6日間働かれ、7日目に休息された安息日(Sabath day)がその由来です。だから、働き蜂の私達には、一週間の最初は月曜日とした方が実感にピッタリです。

ア~ア~、月さえなければ、月曜病なんてならないのに! アッ! 火星には月が2個あるな。そうすると火星に移住したら、日、月、月、水、木、金、土、クワバラ、~~~~。

 

 


ザゼンソウ

2023-02-26 | 自然観察会

ザゼンソウ

大学受験がいまがピーク。

これは 中学入試問題、ザゼンソウの出題がある。

 

2021年 西武学園文理中学校入試問題にザセンソウが出ている

 

(問題)生き物と温度の関係に興味をもった文太君は、動物と温度、植物と温度、おもしろいと思った生き物についてまとめました。次のまとめを読み、以下の問いに答えなさい。

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(文太君のまとめ)

【動物と温度】

恒温動物……気温などまわりの温度が変化しても体温は一定の動物

変温動物……気温などまわりの温度が変化すると体温が変化する動物

ヒトの場合、さまざまな器官で生じる熱が体温に使われる。

【植物と温度】

植物の発芽には、空気・水・適度な温度が必要となる。

【おもしろいと思った生き物】

生き物の名前「ザゼンソウ」

生育場所:北海道や本州の山間の湿地(しっち)や夏でもすずしい谷地に生育する。

開花時期:早春(1〜3月)の雪解けのころ

開花の特徴(とくちょう):

受粉の方法……ヘチマ・アブラナ・ヒマワリ・カボチャと同じ

開花のときに花のまわりが25℃近くまで発熱し、肉が腐(くさ)ったようなにおいの物質を作る。

ルース・スタイルス・ガネットが書いた『エルマーの冒険(ぼうけん)』に出てくる“りゅう” の食べ物の1つとして登場する。

 

(質問)下線部について、ある研究によると「ザゼンソウが発熱することは効率よく受粉するために必要だ」と言われています。文太君が調べた生育場所・開花時期・開花の特徴を根拠(こんきょ)として、この理由を答えなさい。

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どう答えますか。

ザセンソウについて調べてみると

英名は「クカンクキャベツ」開花時には花序が発熱し独特のにおいをだすため、また、傷がつくとさらに臭いにおいを放つ。

ザゼンソウはサトイモ科の多年草です。サトイモ科というとあたたかい地域の植物のなかまが多いです。

花の作りは独特で、花びらのように見えないけど、中身をつつみこむ紫褐色のおおいが苞(仏炎苞(ぶつえんほう))といいます。中にあるのが本当の花(肉穂花序)になります。

名の由来は、僧侶が座禅を組む姿に似ているところから。1月から3月にかけて花を咲かせます。(雪解けのころがヒントになるようです。)

開花する際に発熱(25℃まで上昇)し,この発熱の時に悪臭がでます。

またその熱が花粉を運ぶ昆虫をおびき寄せると考えられています。

ザゼンソウの開花のころ、まだ雪が残っているところが多いようです。

その生育場所は最低気温は氷点下にまでなることもあるでしょう。

そんな低温のなかで、花(肉穂花序)が温度を20°C 以上に維持し、受粉できるような仕組みをつくっているのです。

中学校入試問題の解答がみえてきましたか。

 

今回は滋賀県高島市今津町弘川のザセンソウを見にいった観察会からです

 

  • 2018年3月11日(日) ザゼンソウ観察会

今津のザゼンソウの群生地は滋賀県高島市今津町弘川にあります。JR近江今津駅10時集合。

ざぜん草の里行きのバスがあるのですが、その時刻を考えないで集合時間を決めてしまい、次のバスは10時50分と言うことで、歩いてざぜん草の里に行くことになりました。

約30分歩いてざせん草の里に到着。

         

今年は寒さも厳しかったので雪があるのではと思いましたが、雪は全く無く沢山のザゼンソウが顔をのぞかせていました。雪のなかでザゼンソウの花の周辺だけ黒い土が見える写真をよく見かけますが、ザセンソウは花が発熱し20℃ぐらいを保っているんだそうです。だから花の回りだけ雪が溶けるんですね。

             

観察コースを歩きザゼンソウを堪能!ざぜん草の里休憩所に向かいました。ここはザゼンソウの保全活動に使われています。

 

休憩所で、ザゼンソウの一年、保全の様子等画像を観ながら説明を聞きました。その後はここの有志の方が作られている、「炊き込みご飯、お味噌汁、小鉢」の定食をみんな揃っていただきました。

             

その後、往路とは違った復路で、皆さん琵琶湖の産物を売っているお店をのぞきながら近江今津の駅まで歩きました。左の写真は高島市(旧今津町)のマンホールのフタです。今日見た「ザゼンソウ」と町の鳥「ヒバリ」が描かれています。

ザセンソウのサイトはこちら 今が盛りです。

ザゼンソウ群生地 | びわ湖高島観光ガイド (takashima-kanko.jp)