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整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

整列機のコントローラ

2017-07-12 10:41:17 | 効率アップ
(前回より、コントローラにまつわる話が続きますが、
今回はもう少し踏み込んだ内容です。)

ウエステックの整列機は、専用のコントローラで制御します。



コントローラは、基本的には前面のパネルで操作します。



左側には十字に配置した押しボタンスイッチがあり、
左右の矢印キーを使って、数値を変えたい表示の所に
カーソルを持って行って、上下の矢印キーで数値を
UP/DOWNさせます。その下のエンターキーを押すと
確定です。

右側に配置している4つのボタンは、電源投入時に
振動テーブルの水平位置を初期化するボタンや、
整列プログラムを走らせる起動ボタンなどです。

操作方法はシンプルで、取説に書かれている内容も
簡単に理解できます。



次にコントローラの背面です。丸いメタルコンセントは
整列機本体と接続します。

通常はそれだけですが、その隣に角形の入出力用の
コネクタ端子が付いており、外部からここに配線する事で、
外からコントローラを制御する事ができます。

例えば、外部にシーケンサを接続し、整列機の起動・
一旦停止、入力済みの整列プログラムの切り換え、
非常停止などが外部から行えます。

又、整列機から、運転中,動作完了,異常などの
信号を取り出す事もできます。

使い方の例としては、整列機上から部品が減って来たら、
それを近接センサーなどで検知させ、
整列動作完了時にホッパーなどを使って部品を補充し、
補充し終わったら整列機を再起動、といった事が出来ます。

更に、現在の新しいコントローラにはUSBも付いています。
パソコンにつないで、通信ソフトを使い、整列プログラム
(振動条件)をパソコンで入力してコントローラに転送したり、
逆にコントローラに入力済みの整列プログラムをパソコンに
取り込んだりする事ができます。

シーケンサのプロコンのような使い方ができるわけです。

コントローラは、その仕様上の制限から、
本体には整列プログラムは16種類までしか
保存しておく事ができません。

また、落雷サージなどにより、予期せぬ非常停止が
発生した時、保存しておいた整列プログラムが
飛んでしまう事が稀に起きます。

そんな時、整列プログラムをパソコンの方に
保存しておけば、プログラム数の制限は事実上
無くなりますし、バックアップを取っておけば、
整列プログラムが消えてしまう事もありません。

ただ、一つだけ注意すべきところは、
接続がUSBだという事です。

コントローラに限らず、USB機器は、たまにパソコン上から
認識されなくなる場合があります。

これは、USB側の仕様によるものです。汎用性を持たせ、
何でも接続できるようになっているのは便利なのですが、
接続した各USB機器にパソコンが割り当てたIDが
勝手に変わってしまう場合があるのです。

USBハブを使っていると、右端に差していた時は
大丈夫だったのに、左端に差すと認識しなくなった、
USBメモリなどを使っていて、同様の現象に遭遇した
経験がある方もいらっしゃるかと思います。

コントローラは、USBではなく、シリアル(RS232C)接続に
するべきだったかも知れませんが、RS232Cポートを
持っているパソコンは、業務用の一部に限られています。

USBが無かった時代は、ほとんどのデスクトップパソコン・
ノートパソコンに標準で付いていたRS232Cポートですが、
滅多に使われなくなったため、今では付いていないのが
普通になってしまいました。

昔、パソコン通信の時代は、モデムが内蔵されていない
ノートパソコンが多く、また、デスクトップパソコンも
モデムを内蔵しておらず、外付けモデムをRS232Cポートに
つなぐのが普通でしたから、付いていなくては困る
ものでした。

また、CAD図面を印刷するプロッタ(プリンタではなく)は、
シリアルポート接続が一般的でした。

今となっては、デスクトップパソコンの場合は、
背面の拡張スロット、ノートパソコンの場合は、
エキスプレスカードスロットに差せるタイプの
RS232Cインターフェースが売られていますが、
USBポートしか付いていないノートパソコンも
ありますので、やむなくUSBにした次第です。

一応、取説には、USBのIDを手動で割り当て直す
方法を書いています。しかし、或る程度パソコンの
知識が必要になって来ます。

(最後は少し脱線気味になってしまいました。
申し訳ありません。)

9時間で1ヶ月の2倍の雨量という記録的豪雨に遭った地域と、 雨が降っていなかった地域の距離がわずか20km!

2017-07-11 13:02:14 | 効率アップ
余談

福岡県の朝倉市で、集中豪雨による甚大な被害が出ました。
まずはお見舞いを申し上げたいと思います。

ところで、私の実家はそこからわずか20kmほどしか
離れていない久留米市なのですが、朝倉市が大変な事に
なっていた正にその時、久留米市は雨が降っていなかった
そうです。

高校の同級生だった友人達(久留米市在住)にもLINEで
状況を聞いたのですが、確かにその時、久留米市にも
大雨警報は出ていたらしく、友人の携帯電話にも
警報の自動配信メールが届いていたらしいのですが、
雨が降っていないのに最大限の警戒?という感じだった
そうです。



実際、久留米にもその後に少しは降ったみたいですが、
私の姉も普通に車を運転して職場から帰ったそうです。
この差は何だ!?という感じです。

同級生の友人の1人に、農林土木が専門で、
一時期ダムの管理もしていたヤツがいるのですが、
だいたいどのくらいの雨量が何時間くらい続けば、
どこどこの地域がやばくなり始める、といった事が
大まかながら頭に入っているそうです。

朝倉市はとにかく集中豪雨だったのだろう、
日雨量や時間雨量が局所的に100年に一度レベルに
達したためだろう、との話でした。

同じ頃、一級河川である筑後川にも氾濫危険情報が
出ていましたが、このくらいならまだ大丈夫、
と言っていました。

しかし、その友人も、河川の氾濫は或る程度予想できても、
土砂災害までは予想できないそうです。

どの程度の雨が何時間降れば土砂崩れが起こるかなんて、
分かる人はほとんどおらず、危険性が増している、
という警報を出すのが精一杯のようです。

水の流入と排出のスピードを計算して、河川の危険水位は
予測できても、土砂がどのくらいの雨量でどの程度緩み、
その地質の角度いくらの斜面に何時間でとどまって
いられなくなるかなんて、計算ではじき出すのは
まず無理ではないかと思われます。

ただ、ここ数年、毎年のように集中豪雨による水害が
発生しています。本来、梅雨時であれば、シトシト
降るというイメージですが、この降り方はやはり異常です。

しかし関東は雨が降りませんね。梅雨なのに。

整列機の振動条件

2017-07-10 09:08:01 | 効率アップ
この記事は、整列機のブログを始めて、その早い段階で
投稿する予定だったものですが、一時期ポメラの調子が
悪くなり、ノートパソコンで書いていた時に、
ポメラに保存しっぱなしになっていたものです。
申し訳ありません。

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ウエステックの整列機は、専用のコントローラで制御します。



ウエステックの整列機は、まず手前側に傾き、振動し、切り返して
奥側に傾き、振動し、切り返し・・・という動きを繰り返します。

その際、設定しておかなければならないのは、傾きの角度・
振動の強さ・振動している時間(反対側に切り返すまでの時間)
の3つです。



その3つをあらかじめ設定しておき、コントローラに入力
しておけば、あとはそのプログラムを走らせるだけです。

プログラムが終わると、水平に戻って停止します。

この整列プログラムの内容を、振動条件と呼ぶ場合もあります。
振動条件がマッチしていないと、全く並ばない事もあります。

簡単な部品であれば、同じパターンの繰り返しで並びます。
手前に8°傾け、振動値を60(フル振動の60%)にし、
10秒キープしたら反対側に切り返し、同じ角度と振動値で振る、
これを3往復繰り返して停止、といった具合です。

複雑な部品ですと、手前に9°傾けて振動値55で8秒間振り、
切り返して奥側に12°傾けて振動値58で7秒間振り、
又切り返して手前に8°傾けて振動値53で9秒間振り
・・・といった具合に、各往復ごとに設定値を
変える場合があります。

この設定値は、実際に振りながら決めます。部品の流れが
悪いようですと、傾きを急にしたり、振動数を上げます。
逆の場合は設定値も逆です。

切り返す時間も振りながら決めます。部品が整列治具の
端から端まで充分に流れきったら、切り返すようにします。

切り返しが早過ぎると、整列治具の端の方まで部品の流れが
到達しないため、端の方の整列穴に抜けが多くなります。

逆に、切り返しが遅過ぎると、部品が流れきっているのに、
その傾きのまま振り続ける事になり、時間の無駄になります。

新規案件の部品ですと、部品の現品をお借りして
事前に整列実験を行い、整列穴形状を決めますが、
この時、振動条件のひな形も見付け出しておきます。

整列実験時の試作治具と、本番用の整列治具とでは、
治具サイズと整列穴数が違いますので、各往復時の
時間は伸ばす必要がありますが、傾きや振動数は、
ほぼ実験時の値を踏襲できる場合が多いです。

整列治具と整列機を同時に購入して戴いた場合は、
本番用整列治具の整列プログラム(振動条件)を、
あらかじめ整列機に入力して出荷します。

整列治具だけを御注文の場合は、弊社内で調整した
整列プログラムを「整列データ表」として印刷し、
治具と一緒に納入しますので、お客様の方で
それを見ながら入力して戴く形になります
(入力操作は難しくありません)。

入力操作に慣れて来ると、例えば部品のメッキが
変更になって滑りが悪くなり、流れが遅くなったり
した場合に、お客様ご自身で整列プログラムを
調整できるようになります。

これも発想の転換の一種?

2017-07-07 09:05:30 | 効率アップ
コーヒータイム(余談)

今回のコーヒータイムは、もしかしたら実務にも
役立つ話かも知れません。

しかし、見習うべきかどうかは、意見が分かれる
ところかと思います。

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10年ほど前に終了しましたが、読売国際漫画大賞と
いう懸賞がありました。

年に一度、1コマ漫画を世界中から募集し、
元日の読売新聞の紙面で発表されました。

お題、となるテーマが与えられ、それを題材に
1コマ漫画を考え、応募するわけです。

大賞・近藤日出造賞・金賞・選考委員特別賞・
優秀賞・入選・佳作が発表され、ジュニア部門も
ありました。

受賞が大きいほど、作品も大きく掲載され、
かなり面白い作品も有りました。
大賞受賞者が外国人だった事も何度かありました。
覚えている方もいらっしゃるかと思います。

応募資格はプロ・アマを問わないため、
私の友人の1人も、毎年応募していました。

ソイツは金賞が1回、優秀賞や入選とかも
数回ずつというツワモノでした。

選に漏れても、年賀状にその応募作を書いて
送ってくれていました。確かに面白い作品も
有りました。

しかし、ソイツの職業は漫画とは全く無縁です。

何故毎年のように入選するのか、単に実力だけではない、
入選のためのノウハウがそこには有りました。

募集が始まると、ソイツはまず、その年の選考委員の
顔ぶれを確認します。

選考委員は漫画家だけでなく、作家も多いのですが、
ソイツは本が大好きなので、選考委員の人が書いた本を
新たに数冊読んだり、雑誌のインタビューや対談記事などを
チェックし、その選考委員の好みを把握するのだそうです。

そして、選考委員の好みに沿った作品を書くのだそうです。
選考委員は数人で、好みもバラバラですが、毎年3作品まで
応募できるらしいので、この作品は選考委員Aさん好み、
こっちの作品は選考委員BさんとCさん好み、
といった具合に書き分けるのだそうです。

確かに、選ぶのは読者ではなく、選考委員ですからね。
実際、入選確率がこれでグッと上がる、との話でした。

作品の質を上げるのではなく、選考委員の好みに
マッチした作品を書く、それが入選の極意だと
言っていました。

例えば、目の前に塀が連なっていて、何とかしてその塀を
乗り越えなければならない時、普通の人は筋トレなどをして、
真正面から塀に向かって行きます。

ところが、ソイツは塀に沿って横に移動し、
塀が少しでも低くなっている所を探し出し、
そこを乗り越えるわけです。

それをズルい、と受け取るかどうかです。

ただ、感心させられるのは、その頭の柔らかさです。

困難な問題にぶち当たった時、頭が凝り固まって
いるがために、八方ふさがりだと勝手に思い込む、
という間違いを、人はよく起こします。

そんな時、一歩下がって、視点を変え、
冷静かつ柔軟に考える、更には、いろんな人の
意見を聞く、それで意外と簡単に解決した、
という事例も少なくありません。

私も、難しい治具を設計する時は、できるだけ
従来のやり方にこだわらないよう心掛けて来ました。

「確かに八方ふさがりだ。しかし上空に昇っては
いけないと誰が決めた?」という事に気が付けば、
簡単にそこから抜け出せます。

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いやあ今回のコーヒータイムは深い話でしたねえ(どこが?)。

しかし、その友人の顔を思い浮かべると、
最初から楽な道を探し始める事もあるので、
善し悪しです。

あくまでも行き詰まった時や、頭一つ抜け出したい時に、
活用して欲しい裏技(?)です。

機種変更や特注製品、派生製品にすぐさま対応!

2017-07-06 10:30:41 | 効率アップ
ウエステックの整列機・整列治具は、うまく使えば、
作業時間の大幅短縮につながります。

詳しくは以前のブログ
整列機と整列治具を使って、製品の組立もできる!
をご覧下さい。

よく有るのが、最終需要家であるメーカー向けに、
評価用としてサンプル部品を数百~数千個、
いついつまでに納めなければならない、
といったケースです。

サンプル評価後、不採用になる可能性だってあります。
本来なら手作業で対応したいところですが、
間に合わない、もしくは作業員に無理な長時間労働や
連日の休日出勤を強いなければ乗り越えられない、
といった場合、整列機は比較的安価に生産能力を
上げられます。

晴れて採用になれば、そのまま整列機を量産用に
回す事もできます。(量産時には能力が足りない時は、
追加購入を御願いします!)


また、標準仕様の製品を、一部だけ変えて、
特定のお客様向けに売りたい、という事もあるかと
思います。そのお客様専用の特注品というわけですが、
結構な数が出る上に、そういった派生品種が何かと多い、
という事であれば、あらかじめ整列機と整列治具を
使って標準品の生産体制を取っておきますと、
あとあと便利です。

その特注品は、標準品より2部品だけ多い、
もしくは或る部品だけが標準品と違う、
といった場合でも、その部品のところだけ、
整列治具を特注用の物と入れ替えれば、
簡単に対応できます。しかも生産能力は
標準品とほとんど変わりません。

特注品の生産が終われば、すぐに標準品の生産に
戻せるところもメリットです。ライン組みを
工夫すれば、標準品と特注品を交代交代、
もしくは並行して生産する事もできます。

これは、特注品に限らず、同系列の製品で、
機種が多い場合にも当てはまります。

部品の設計変更が発生した場合でも、
その部品用の整列治具だけを用意すれば、
対応できてしまう事が多いため、
設計変更が多い部品にも、整列機はお勧めです。

自動機ですとなかなかこうは行きません。
特注品に対応する様に設計してあっても、
段取り変えが大変だったりします。

電子部品業界で大量に生産される部品は、
もちろん部品メーカーの標準品も有りますが、
特定の最終需要家メーカー向けに
作っている部品も多い場合が有ります。

しかも、電子部品の市場寿命は短いため、
同じ部品が来年も大量に注文が来るかどうかは
わかりません。

生産ラインの完全自動化も良いですが、
身軽にしておいて、変化にすぐさま対応できる
ようにしておくのも重要です。

しかし、既にラインの一部が自動化されていると、
その前後の工程も、それに合わせる形に
なってしまうのが現実かと思います。

ただ、そのために、より適応性の高い方法が
排除されてしまうのはもったいないです。