整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

今ある治具に直接並べられないのかね?

2017-07-24 13:29:00 | 効率アップ
ウエステックの製品は、基本的に整列機と
整列治具の組み合わせで構成されています。

もちろん整列機のみ、整列治具のみの
購入も可能です。

しかし、大抵の場合、整列治具のみ購入される
お客様は、「あくまでも今回は整列治具のみ」
という事です。

つまり、整列機は以前に購入した物が有るため、
それを使って、今回は別の部品を整列させたい、
というお客様がほとんどです。

しかし、必ずしも弊社の整列機と整列治具の
組み合わせが100%とは限りません。

よくあるパターンが、お客様の所で既に使われている
治具(トレー)に直接並べられないか、
というものです。

弊社の整列治具は、整列に特化した穴形状・
穴寸法でできています。

これを弊社の整列機で振れば、最短の時間で
最良の整列率が出るように作られています。

しかし、整列に特化した治具であるがゆえに、
お客様の所でそのまま次の工程で使える物には
なっていません。

もちろん使える場合もありますが、次工程に流すと、
整列機にセットする整列治具が足りなくなって
しまいますので、複数枚の整列治具を用意しなければ
なりません。

弊社製の整列治具は、一枚一枚、一穴一穴、
加工していますので、加工時間が長く、
成型品のトレーなどと比べますと、
それなりに高価になりますので、
それを数十枚単位で用意しますと、
かなりの金額になります。

既にお客様の所に、各工程に共通のトレーが
有る場合、基本的には弊社製の整列治具に
並べた後で、そのトレーへの移し替えを
お勧めしていますが、直接そのトレーに
並べられないのか?という御要望が出るのも、
或る意味では当然な事かと思います。

直接並べられるかどうかは、トレーの穴形状と、
並べる部品の形状次第です。

まず、並べる部品には方向性があるのに、
トレーの穴には方向性が無い、
つまりどの向きにも部品が入ってしまう
場合は論外です。

また、以前のブログでも紹介しましたが、
ブリスターパックも、直接並べるのには
適していません。トレー自体が軟らかい事や、
寸法精度が出ていない事、全ての稜線に
Rが付いてしまっている事などが原因です。

トレーも或る程度はシッカリした材質・構造の
物でなくてはなりません。

なお、トレーは成型品の場合もあれば、
SUSエッチング品やウエハだったりする
場合もあります(この場合はトレーという
呼び名ではありませんが)。

さて、お客様のトレー(治具)に直接並べるとなると、
やはり整列実験から始めなければなりません。

整列に特化した治具にであれば、超簡単に並ぶ部品
であっても、お客様のトレーでは勝手が違います。

トレーの穴のこの部分に、少しでも面取りが有れば、
早く並ぶのに、だとか、トレーの穴の深さがあと
0.2mm浅ければ、逆方向に並ぶ部品は無くなるのに、
或いは、穴の幅があと0.1mm広ければ、斜めになった
部品が穴にかじり付かないのに、といった現象が
目白押し(?)に出て来ます。

整列が難しい場合は、横振動だけでなく、
縦振動や回転振動、更にはバキューム式の
整列機も試す事があります。

並べる事が出来た場合、その整列率と整列時間を
お客様に報告し、実用に耐えうるレベルかどうか、
判断して戴きます。

また、並んだ場合でも、お客様のトレーを整列機に
セットするための、専用のアダプターのような物が
必要になる事が多いです。

次工程で使う穴や段差などがトレーに有ると、
部品を流して整列させる時、そこに部品が落ちたり、
引っ掛かったりするためです。

トレーへの直接整列はハードルが高いですが、
トライしてみる価値は有る場合も多いので、
ご相談戴ければと思います。