整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

今となっては、ですが

2017-07-21 09:23:37 | 効率アップ
コーヒータイム(余談)

先日のコーヒータイムの与太話では、
美術館を取り上げましたが、東日本大震災の後、
東京での美術展覧会が幾つか中止になったのを
ご存知でしょうか?

美術館が被災したわけではありません。

東京の美術館に絵を展示すると、
放射能で絵が汚染されるのではないか、
と危惧し、海外の美術館が絵を貸し出すのを
拒んだためです。

また、国宝級の絵を貸し出す時は、
海外のスタッフも同行して来日しますが、
そのスタッフ達の安全性を考慮して、
との事でした。

東日本大震災のニュース映像は
世界中に配信されましたが、
津波に飲み込まれる映像や、
原発事故の映像が連日流れたのです。

日本の地理がよくわかっていない海外の人は、
それがあたかも日本の大部分で起きている
事のように勘違いした人も多かったようです。
被災地の映像しか流れませんからね。

当時、出張で埼玉に来た韓国の人は、
ホテルのシャワーを使わなかったと言います。
水道水が放射能に汚染されているかも
知れないという恐怖感からです。

また、アジア近隣の各国も、日本からの
食品の輸入を規制したりしました。

風評被害ではないですが、情報が錯綜していた
事もあり、欲しい情報が少ない海外の美術館が、
絵の貸し出しを取りやめた、というのも、
無理からぬ事だったのかも知れません。

更に、これは東京だけでなく、地方の美術館にも
影響が及びました。

大きな展覧会は、東京以外にも、日本各地を
巡回して開催されますが、西日本も含めて、
それらも中止されたのです。

東日本を避けて貸し出す、という事ではなく、
貸し出しそのものを中止したわけです。

ちなみに、その時に中止された展覧会は、
それから3年ほど経ってから、無事開催された
ものが多いです。

更に余談になりますが、私は九州に実家が
ありますが、今でも、福島県産の農作物は
食べない人がいます。

逆に、福島を応援する意味で、
敢えて食べている人もいます。

普段の報道に出て来なくなっただけで、
原発事故があたかも過去の出来事のように
片付けてしまっている風潮があります。

実際には現在進行形です。

別に、私は原発反対派というわけでは
ありませんが、被害が何十年も残る
事故である事を考えると、
他の天災とは分けて考える
必要があるように思えます。

ウエステックで使うバキューム源

2017-07-20 10:18:10 | 効率アップ
ウエステックには、バキューム式の整列機という
機種が有ります。吸引するエアによって、
整列率を上げたり、整列時間を短縮する、
というものです。

整列時以外にも、並べた部品を吸着して移し替えたり
するのにバキュームを使っています。

ところで、バキュームには大きく分けて2種類あります。

密閉してエアの漏れを無くし、真空圧を上げて
吸引力を生み出す方法と、掃除機のように大量のエアを
吸い込み、風の力で対象物を吸引する方法です。

前者では真空ポンプが使われ、後者ではブロワポンプが
使われるのが一般的です。

ウエステックで多用されるバキューム源は、
後者のブロワポンプ式です。

理由はいくつかあります。まず真空タイプですと、
吸着穴が対象物(部品)で密封されていないといけません。

しかし、並べる部品との吸着穴の間にパッキンのような
物を入れないと、密封は出来ません。並べる部品の形状が
複雑だと、パッキンの形も複雑になり、構造上、
それでもエアが漏れる形状というのも有り得ます。

また、吸い付ける部品の形状に沿って、
パッキンを1個1個作るのも大変ですし高価です。

また、吸着を切った時、吸い上げた部品の材質によっては、
パッキンに貼り付いて落ちて来なくなる物もあります。

市販の吸着パッドを使うという方法も有りますが、
小さい部品ですと、サイズが1mm以下という物も多いため、
現実的ではありません。

すると、多少のエア漏れが有っても、吸引力が出せる
ブロワポンプ、という事になります。

整列時に吸引する場合でも同じです。
整列穴から部品を吸い込んで呼び込みますので、
その時点ではエアはダダ漏れ状態です。
掃除機のように、周りのエアごと吸い込む
必要があります。

ところで、ブロワポンプの場合、重要になって来るのが、
配管径です。大量のエアを吸い込む必要がありますので、
まさに掃除機のような太いダクトホースが必要です。





エアチューブでは細過ぎて、流量を確保できません。

しかし、太いダクトホースを使うとなると、
取り回しが大変になります。

ホース自体が太くて邪魔ですし、
曲げ半径も大きくしておかなければなりません。

曲げ半径を小さくして使っていますと、
長く使っている内にホースに亀裂が生じます。

また、吸引をON/OFFする度に、このホースが
暴れますので、ホースの近くには物を置かない様に
する必要があります。

もちろん、吸引する部品が小さく軽い場合は、
エアチューブでも大丈夫な場合がありますが、
小さい部品ですと、数百個から数千個並べる
場合が多いため、吸着穴の数もそれだけ多くなり、
トータルでのエア漏れが多くなる事から、
結局ブロワポンプを使わざるを得ない、
というケースが多いです。

ブロワポンプを使う場合、更に2つ注意点が
あります。まず整列時に吸引を使う時ですが、
最初は並んでいる部品が少ないため、
エアが大量に漏れています。

部品が徐々に並び始めると、吸引穴も次々と
ふさがれて行きますので、エア漏れが少なくなり、
吸引力が上がって行きます。

吸引力の最大値と最小値をよく考えて、
ブロワポンプを選定し、治具の吸着穴径も
設計する必要があります。

2つ目は、ホースを必要以上に長くしない事です。
ホース自体に柔軟性がある上に、ホース内の体積が
それなりに大きいため、吸着のバルブを入れてから、
実際に吸引力が上がるまで、タイムラグがあります。

吸着を素早く切り換える必要がある場合は、
注意が必要です。

弊社に全て設計を任せて戴ければ、実績にもとづき、
効率の良いバキューム式整列機と整列治具を
製作いたします。

全てがうまくマッチすると、エンドユーザーが
特許を申請したくなるような、画期的な整列方法が
実現する事もあります。

美術館でのマナーが悪くなって来ましたね

2017-07-19 13:07:47 | 効率アップ
コーヒータイム(与太話)

私は趣味でよく美術館に行きます。

若い頃は西洋絵画ばかり見ていましたが、
年齢を重ねるに連れ、日本の古い絵画も、
その良さが分かるようになって来ました。

東京には、西洋東洋を問わず、大小様々な
美術館が有り、その気になれば週替わりで、
土日に美術館に絵を見に行く事ができます。

1~2ヶ月くらい経つと、展示品が入れ替わるので、
また同じ美術館で、違う展覧会がやっている
わけです。

一般のメディアでも取り上げられるような
有名な展覧会ですと、入るのに1時間待ち、
という場合もあります。

しかし、大部分の展覧会は、待ち時間は
あまり無くて入れます。

それは良いのですが、最近、絵を見る人の
マナーが悪くなって来た気がします。
同じ感想を持っている方もいらっしゃるかと
思います。

大別すると、話し声がうるさい人と、
人を押しのけて行く人です。

話し声がうるさい人や、携帯電話が鳴る人は、
監視員(学芸員)の人が注意してくれます。

子供が騒いでも、親が注意しないので、
監視員の人が(親に)注意を促します。

それでも、その場は監視員さんのおかげで
収まるので、それはまだ良いのですが、
人を何気に押しのけて行く人は、
監視員の目からはわかりにくいので、
美術館に入ってから出て行くまで、
ずっと人を押しながら歩いて行って
いるようです。

絵は、人によって見るペースが違いますし、
絵によっても、長い時間立ち止まって
見たい物もあります。同じ画家が描いた絵でも、
興味を引く物と、そうでない物があります。

要は、絵は一定のペースで見て回るというのが
難しいのです。

それでも、何かのアトラクションと
勘違いしているのか、自分が歩き回る
ペースを一定に保とうとする人がいます。

先日、押され続けていたアベックの男性の方が、
ついにその場に踏ん張っているのを見掛けました。
女性の方も、呆れながら、押して来ている人を
見ていました。

なんだコイツ、みたいな視線を送ると、
睨み返して来る人もいますね。

確かに人気の有る展覧会は混みますし、
人の頭越し、もしくは人と人の隙間から
見るような格好になってしまう場合も
ありますが、それでも大部分の人達は、
人にぶつからないように気を遣って
歩いています。

しかし、そんな暗黙のルール、知ったこっちゃない、
という人もいますね。

また、絵によっては、少し引いて全体を見たい
場合もありますので、絵と見物客の間に、
微妙に人が通れるくらいの隙間ができている
事もあります。

人が見ている絵の前を横切ったりしない
ようにするのがマナーですが、横切りまくる
人もいますね。

それどころか、人と絵の間に割り込んで、
その絵を見ている人もいます。

古い日本画の展覧会ですと、見物客の年齢層が
高くなるからか、混んでいても、そういう事は
あまり有りません。

でも、その人達も、歳を取ったから
マナーが良くなったわけではなく、
恐らく若い頃からマナーが良かった
ように思えます。立ち振る舞い方が
何となく違いますからね。

で、前述のマナーが悪いのは、
やはり若い人達が多いですね。
男女を問わず。

美術館によっては、かかとが固い靴で歩くと、
音が響くため、音を立てないで歩いて下さい、
と注意書きしている所や、別に履き物を
用意している所も有ります。

それだけ、見物客全員が快適に見て回れるように
気を遣っている美術館もあるという事です。

そこで、人を押しのけたり、人と絵の間に
割って入ったりする人がいたら、
元も子もないですね。

プレスの打ち抜き部品だって、表裏を揃えられますよ

2017-07-18 09:22:27 | 効率アップ
ウエステックの整列機は、一見すると、さすがにこれは
整列させるのは無理では?と思われる部品でも、
並べる事ができます。

例えば、板金のプレス打ち抜き品は、
図面上は表裏の区別の無い部品であっても、
実際の現品には表裏の区別が「できて」しまいます。

ダレやバリといった、目で見える形で残ります。

一番わかりやすいのは平ワッシャです。
参考までに画像を載せます。板厚が厚い方が
ハッキリとした表裏の違いが現れますので、
ここでお見せするにはもってこいです。





これは同じ平ワッシャの表と裏です。
外周部と内周部に、Rが付く側と、
エッジが付く側が現れます。

打ち抜き加工の原理からすると、
まあ当然と言えば当然です。

このワッシャは厚いので、平坦部もわずかに
丸みを帯びているのがおわかりでしょうか?

ここまで極端でなくとも、少なくとも外周部には、
ハッキリとした表裏の差が現れます。

ちなみに、エッジが付く側にバリが残ると、
部品の仕様上、NGになる場合が多いため、
最低限のバリは落とすのが普通ですが、
それでも表裏の差は一目瞭然ですね。

図面上では表裏の区別がない部品ですので、
組立する場合にも、本来は区別する必要は
ないはずですが、実際にこれが同一平面上に
10個とか固定されていると、
隣のワッシャと表裏が揃っていない事が
如実にわかってしまいます。

特に、これが商品の見える部分に来る部品であれば、
なおさらです。

見栄えだけの問題かも知れませんが、
エッジを内側にした方が引っ掛かりが
発生しにくくなりますので、仕様上でも
揃えた方が良い場合も有るでしょう。

やはり、ここは表裏を揃えたいのが人情(?)です。

実はこれ、整列機で、比較的簡単に揃えられます。

ただし、部品の大きさの割に、厚い物はダメです。
例えば、径がφ10に対し、厚さが5もあると、
外周部のRやエッジが相対的に小さくなりますので、
難しくなります(できる場合もあります)。

上の写真のワッシャは、外径がφ11に対し、
厚さが1.5です。これだと楽勝です。

もちろん、丸い部品でなくても大丈夫です。

ただ、大きさの割に薄過ぎる部品も、
部品自身にソリが出ている場合がありますので、
難しい場合があります。

なお、今回は具体例として、プレスの打ち抜き品を
取り上げましたが、これは他の部品でも、
プレスの打ち抜き品程度しか表裏の差が無い物だろうが、
整列は可能だという事を意味します。

是非お試しあれ。

長期海外出張経験者なのに、現地の言葉が話せない

2017-07-13 10:56:46 | 効率アップ
コーヒータイム(余談)

今はアベノミクスの継続で1ドル110円~115円と
いったところですが、前の民主党(当時)政権下では、
1ドル80円を切るほどの超円高でした。

アベノミクスが好調だった頃は1ドル120円でしたから、
対ドルで約1.5倍も通貨価値が違った事になります。

対ドルだけに限らず、ほとんど世界中の通貨に対して、
円は高かったのです。

うちの会社も、円安となった今は、海外のお客様が
来社される事の方が多いですが、円高の頃は逆で、
こちらから海外に出掛ける事の方が多かったように
思えます。

出掛けるのはほとんどがアジア圏です。
アジアは世界の工場として、急速に発展を遂げている
最中だったのです。

ただ、発展が急速過ぎたがために、都市部は先進国と
変わらないビル群ですが、車でしばらく走ると、
昔のままの風景が広がる、という国が多かったようです。

その中でも、やはり中国は高度成長が目まぐるしい
時期でした。

当時は中国の一般の人が海外へ出るのに、手続き上で
面倒な部分があった、というのもありますが、
中国以外の国でも、こちらから出向いた方が早かった、
という状況でした。

そんな中、私の友人の1人は、1年の半分以上を中国で
過ごしていました。1.5ヶ月~3ヶ月ほどの長期出張を、
年に数回繰り返していたのです。

台湾にあった販売代理店の中国本土支社に、
席がありました。ソイツはメーカーの人間ですが、
代理店の一席を間借りしていた事になります。

そこの社員は幹部以上の人は大部分が台湾人で、
若い社員を中国本土の現地採用で雇っていたそうです。

ソイツのメインの仕事は、現地のお客様との
技術的な打ち合わせでした。
オーダーメイドの装置を作る会社で、
仕様を打ち合わせで決めて、その内容を
日本の本社に送って、日本で製造、
その代理店が輸入し、現地のお客様に売る、
という形態です。

当時は円高ですから、円建てで売っている日本製品は
割高だったはずですが、当時の中国はイケイケの頃で、
装置を何台も買ってくれたそうです。

そのために、ソイツも中国に駐在していたわけです。

最初の頃は、日本の会社の中国工場に
打ち合わせに行く事が多かったそうです。

なので、お客様は日本人。中国の工場で、
日本人と日本人が日本語で打ち合わせをする、
という構図だったそうです。

しかし、中国企業の技術の進歩は目ざましく、
徐々に中国の会社(中国人のお客様)と
打ち合わせする機会が増えて行ったそうです。

本人は中国語がわからないのですが、
代理店の社長、社長の奥さん、社長のお兄さん、
営業部長の4人が日本語が話せたので、
代わる代わる通訳がてら、打ち合わせに
同席してくれていたそうです。
(台湾の人って、日本語ができる人が
多いんですよね。)

おかげで、本人は中国語を話せないまま、
円高の時代が終わり、中国への長期出張も
終わりを告げたそうです。

海外に何年も赴任していて、現地の言葉が話せる
ようになった人達に尋ねると、まず最初は、
現地の言葉が雑音にしか聞こえないそうです。

しかし、それを聞き続けていると、ほとんどの人が、
1年半を過ぎた頃から、急に何を言っているか、
わかり始めるのだそうです。

その友人は、数ヶ月中国に行っては、日本に戻り、
また数ヶ月してから、中国に行き、を繰り返して
いました。

日本に戻って数ヶ月たつと、中国語を聞く耳が
リセットされてしまい、また中国に行っても、
相変わらず雑音のままだった、との話です。

延べ日数で計算すれば、間違いなく1年半以上は
中国にいたはずですが、中国語ができないままで
終わってしまったのは、心残りだと言っていました。

また、台湾は北京語なのですが、少し訛っているらしく、
台湾の社員に教えてもらった通りに、日本人が喋っても、
中国本土の人には通じないそうです。

今話せるのは、挨拶と、領収書下さい、
くらいだそうです。