整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

整列率測定データ表

2017-07-31 11:41:59 | 効率アップ
以前のブログでも少し触れましたが、
ウエステックの整列機と整列治具で部品を並べるに
あたりまして、最適な整列プログラムというものが
有ります。

整列機は前後に揺動しながら振動しますが、
その揺動の角度、振動している時間、振動の強さを
各往復ごとに設定します。

整列させる時は、その整列プログラムを動かし、
部品を流して並べます。

初めて整列機と整列治具を使われるお客様だと、
全くイメージが湧かないかも知れませんので、
実際の整列率測定データ表を、ここに示します。



新規にご依頼を戴き、整列治具を納入する時に、
この整列率測定データ表なるものを添付して
納めます。

表の上段の部分には、部品の名称(型番)、
使用した整列機の機種、整列治具の材質、
取数(治具1枚あたりの整列穴数)、
更には、その時の環境(温度・湿度)などが
書かれています。

表の中段には、実際にその整列治具で取った
整列データ(整列率)が記入されています。
この場合は10回、同じ整列プログラムを動かし、
各回ごとに、未整列穴がいくつあったか、
その時々の整列率、又、10回の平均整列率を
記載しています。

表の下段には、整列プログラムが書かれています。
このプログラムで振った結果が、表の中段の値ですよ、
という事です。

この部分は、整列機のコントローラの表示を、
そのまま一行として記載している形です。



実機の方では、整列機のプログラムナンバー2の、
1往復目の往路が表示されており、
揺動の傾斜(ANGLE)は9°、振動時間(TIME)は6秒、
振動の強さは60%ですよ、という表示になっています。

データ表の方に戻りますが、「1⊂」とか「1⊃」とか
書いていますが、これは整列機の揺動の1往復目の往路、
復路を示しています。本当は矢印にしたかったのですが、
整列機のコントローラは7セグメントの表示器を
使っていますので、矢印を表示できないため、
「⊂」や「⊃」を矢印代わりに使っています。

このデータ表では、1⊂、1⊃、2⊂、2⊃ ・・・
の順に一行ずつ設定値通りに振動動作をし、
4往復してから止まる、というプログラムに
なっています。

なお、最後の行だけ、4⊃ ではなく、4E
になっていますが、これはエンド、つまり
その整列プログラムの終了を意味します。
実機のENDキーを押す事で設定されます。
ENDの行のプログラムを終えると、
水平に戻って止まります。

この例の整列プログラムでは、比較的単純な
振動と傾斜の繰り返しになっていますが、
複雑なプログラムですと、一旦急な傾きを掛けて、
傾斜の向きはそのままで、緩やかな傾きに
切り換えたりですとか、定期的に水平にして
強い振動を掛け、その後に通常の往復の動作に
戻したり、といった方法を取る事もあります。

これは、整列時間を短くしたり、絡んだ部品を
外れやすくするための動作です。他にも様々な
バリエーションが有ります。

単純な動きの繰り返ししかできない整列機ですと、
いくら整列治具の出来が良くても、整列率が悪い、
もしくは整列時間が長い、という事態に陥る事が
有りますが、ウエステックの整列機ですと、
その心配は無用です。

なお、データ表について、少し補足しますと、
整列治具がジュラコン(ポリアセタール,POM)製
だった事から、湿度が高い環境下にもかかわらず、
静電気が発生し、この部品は流れが悪かったという
記載になっています。

静電気対策として、帯電防止剤(イソプロピルアルコール)
を整列治具に塗布し、それを乾燥させてから整列データを
取った、という記録になっています。