整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

整列治具の材質についてですけど。。。

2017-05-22 09:47:34 | 効率アップ
先週の整列治具の説明の続きとして、その材質を取り上げます。

ウエステックのホームページの画像や動画を見て戴くと
お分かりかと思いますが、整列パレットはほとんど樹脂
(プラスチック)製で、その大部分がベークライトです。

(ん?見ただけでは分からない?、いや、ベークライトです。)

他に、ジュラコン(ポリアセタール)やMCナイロン、アクリル等でも
作る事はありますが、茶色い材質は全てベークライトです。

ベークライトを多用している理由ですが、樹脂の中では、
まず加工精度が出やすい、というのがあります。

以前のブログで、わずか0.1mm穴の大きさが変わっただけで、
整列率が大きく変化する場合がある、と書きました。
つまり、0.01mm単位で加工寸法を調整できなければダメ、
という事です。

また、加工後のバリを取りやすい、というのもベークライトの
メリットです。ジュラコンやMCナイロン、ピーク材等は、
糸状のバリが残りやすく、これがなかなか取れません。

そのバリのせいで、整列穴の中に部品が入って行かない、
もしくは、整列後に、その部品が整列穴から取れない、
という事態にもなりかねません。

また、樹脂の中では、摩耗に対して比較的強いのも、
ベークライトの長所と言えます。部品がずっと流れ続けますので、
耐摩耗性は重要です。

「それなら金属で作れば?」と言われそうですが、
金属は比重の問題で使えない場合が多いです。

ベークライトの比重は1.4ですが、
アルミで2.8(つまりベークライトの2倍)、
鉄に至っては7.8もあります。

整列機には、そんなに重い物は搭載できません。

「じゃあ整列機の能力を上げれば?」と言われそうですが、
今度は騒音の問題が出て来ます。

流す部品が整列穴の壁にぶつかり続けるわけですから、
部品の材質によっては、近くにいる作業員どうしが
会話できないくらい、うるさくなります。

また、並べる部品の表面を傷付けにくい
という理由からも、樹脂にならざるを得ない
ケースが多いです。

ま、実は、これだけ技術が発達している時代ですから、
ベークライト以外にも、加工性がより優れ、
重くなく、温度・湿度による寸法変化も少なく、
耐環境性も良い、という材質は世の中に存在します。

只、ベークライトほどには普及していませんので、
価格がこなれていません。べらぼうに高いです。
ベークライトの数倍~数十倍します。

航空機や宇宙船のように、値段よりも性能を
重視するような用途でないと、実際には使えません。

ところで、話がベークライトに戻りますが、
色が黒いベークライトも有ります。
単に色が黒いだけの物と、カーボンを含有させ、
導電性を高めた物が有ります。

「もともとベークライトって絶縁体で、
そういう用途に使われているんじゃ?」
とお思いの方もいらっしゃるでしょう。

しかし、工業製品の用途は多様化しています。
導電性ベークライトも、そういう需要があったからこそ、
開発されたようです。

その内、透明なベークライトも
できるかも知れません(さすがに無理か)。


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