整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

整列穴は、タイ焼き器の型のような形になっていれば並ぶのか?

2017-05-18 10:05:02 | 効率アップ
ウエステックの整列治具

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ウエステックの整列機は、多数の整列穴が加工された
平板状の整列治具に、部品をランダムに流し、
整列穴それぞれに、部品を一個一個収納させる、
というものです。
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先日投稿したブログでは、ウエステックの整列機について
説明しましたが、今回は整列治具についての説明です。

高い整列率と、短い整列時間を実現するためには、
或る意味、整列機本体よりも重要になって来るのが、
整列治具です。

ちなみに、今日の表題の答えはノーです。
タイ焼きをタイ焼き器の型に戻せば、
スッポリ収まりますが、整列穴というのは、
そんな単純なものではありません。

単に部品が一個一個収まる寸法になっていれば
良いというわけではないのです。

整列機の振動は、全ての部品が並び終わるまで続きます。
つまり、既に並んでいる部品にも、その間はずっと
振動がかかり続けます。

よって、不必要に整列穴が大きいと、穴の中で部品が
ガタガタと揺れ続ける事になります。

また、整列済みの部品には、未整列の部品が、
振動が終わるまで流れ続け、ぶつかり続ける事になります。

これは、せっかく並んだ部品が、穴から出て行ってしまう
原因ともなります。

かと言って、必要以上にきつい穴だと、今度は整列時に、
なかなか部品が穴の中に入って行ってくれません。

また、整列穴の入口に大きな面取りが有れば、
部品は入りやすいですが、反面、出て行きやすいです。

部品が正しい向きに整列穴に呼び込まれ
一旦並んだ部品は整列穴の中で落ち着き
かつ違う向きで入りかけた部品だけは
整列機の振動で穴から排出される

という高度な合わせ技が必要です。

そこには、整列に最適な穴形状・穴寸法というものが
存在します。

一見、「これがこの部品用の整列穴?」、というように、
整列穴形状と部品の形状が似ても似つかない場合もあります。

また、整列穴が僅か0.1mm大きい(小さい)だけで、
整列率が天と地ほども変わって来る場合もあります。

最適な穴形状・穴寸法は、基本的には整列実験でしか
見付けられません。例えば穴の幅が8.6mmが良いのか、
8.7mmが良いのかなんて、両方加工してみて、
振ってみなければ、まず分かりません。

お客様から、並べたい部品をお借りして、整列実験をし、
整列穴形状を確定させてから、本番用の整列治具を作る、
というのが基本的な順序になります。

もちろん、過去の実績から、その部品の形状に対して、
並びやすい穴形状・穴寸法というのが、
或る程度の目星は付きますが、
穴の寸法を0.1mmいじっただけで、
整列率が大きく変化する、という世界ですので、
やはり整列実験は外せない重要なステップと言えます。


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