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整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

治具の専用化と共用化

2018-06-21 11:45:01 | 効率アップ
ウエステックの整列機で部品を並べるのには、
或る一貫性が有るという事にお気付き
でしょうか?

これは整列機に限った話ではありませんが、
部品供給装置というものは、1種類の部品に
それぞれ特化せざるを得ない、という宿命(?)
が有ります。

整列治具も、並べる部品に特化して、
整列穴を加工し、一品一様で作らなければ
なりません。

パーツフィーダーもそうですが、ボウルなどは
基本的に或る部品専用になっている事が多いです。

しかし、まるっきり違う部品ならまだしも、
同じシリーズのサイズ違いとかであれば、
治具を共用できないものでしょうか?

サイズ違いとは言っても、例えばM3の長さ6mmの
ナベ小ネジと、M6の長さ10mmのナベ小ネジを、
同じ整列治具で共用できないというのは、
誰でも分かるレベルです。

ただ、例えばM3の長さ6mmのナベ小ネジと、
同径で長さ8mmのネジならば、工夫すれば
治具は共用できそうです。

整列治具は単価が結構高いですし、
それが1種類の部品に対し、何十枚も必要、
という事であれば、共用できる物が有れば、
共用してしまった方が、トータル枚数を
抑えられます。

整列治具を共用する場合は、基本的に大きい
部品の方に、整列穴の寸法を合わせます。



こういう具合にしておけば、多少短い程度の
ネジであれば、整列治具の共用は可能です。

しかし、短か過ぎるのは無理です。
ネジが短いと、頭の方が重くなってしまうため、
頭が下になろうとします。



仮に並べられたとしても、重心の位置が
上下逆である事に変わりはありませんので、
整列プログラムは共用できませんし、
整列時間も長くなると予想されます。

ネジのような丸物は、横に寝かせた状態で
並べると、整列治具の共用の範囲が広がります。



多少の長さ違いは、縦整列と同様、共用できます。



かなり短くても、整列穴の幅はネジ径より少し
広い程度なので、ネジの頭は入らない事から、
1つの整列穴に2本のネジが並ぶ事はありません。

但し、入ろうとしている2個目のネジを振り落とす
必要が有りますので、整列プログラムの方は、
長いネジと共用できないとお考え下さい。

とは言え、長いネジ用の整列プログラムと、
短いネジ用の整列プログラムを両方入力しておき、
ネジの長さによって切り換えれば済む事ですので、
整列治具の共用にメリットが感じられるのであれば、
導入を検討しても良いでしょう。

整列治具の共用は、丸物でなくても、寸法の近い
部品であれば、可能である場合が有ります。

しかし、大きい部品の方に整列穴の寸法を合わせる
事になるため、確かに小さい部品も並べる事はできても、
整列穴の中で、部品が寄る方向がバラバラだったり
しますので、整列後の工程で、その位置のバラツキが
許容できないレベルであれば、やはり専用の整列治具を
作る事になります。

また、逆のケースも有ります。

違う仕様の部品が混入するのを防ぐために、
整列治具を共用しようと思えばできるのに、
敢えて専用化している場合が有ります。

整列穴の寸法を厳しくして、異サイズの部品を
間違って流すと、並ばないようにするのです。

例えば、間違って長さが短いネジを供給し、
ネジの締めしろが短い製品を組み立ててしまい、
強度不足に陥ってしまう、といった事態の
予防策になります。

丸物でなくても、仕様上は不要な切り欠きや穴を、
敢えて部品に設け、その切り欠きや穴の有無で、
違う部品の混入を防いでいるお客様もいます。

組立時にはその切り欠きや穴が有っても無くても
組み込めてしまうのですが、部品供給段階で、
寸法の近い異部品の混入を防いでしまおうと
いう発想です。

さて次回は、1枚の整列治具に、同時に2種類の
部品を流して、整列させる事が可能か、
という話題をお送りします。


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