整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

数を数えるために整列させる

2018-03-12 10:29:40 | 効率アップ
ウエステックの整列機で部品を並べる目的は、
次工程への面単位での部品供給,製品の組立,
外観検査,性能検査(導通など)、レーザー
マーキング用等々、実に様々ですが、その中に、
計数用、即ち部品の数を数えるために並べる、
という需要が、件数こそ少ないものの、
一定数あります。

通常、部品供給や組立、検査用などですと、
部品を並べる向きに指定が有りますし、
その他にも、部品が整列治具の表面から
0.2mm以上飛び出していなければならないですとか、
部品が整列穴の中で片側0.05mm以上動いては
ならないといった、整列率に影響を及ぼしかねない、
制限というものがあります。

部品の向きが、客先の希望と90°違う向きならば、
簡単かつ短時間で並ぶのに、ですとか、
もしくは、整列治具の表面から部品が沈んだ
状態で並んでも良ければ、整列が速いのに、
はたまた、整列ピッチ(間隔)があと1mm広ければ、
部品がスムースに流れるのに、といった事は、
日常茶飯事のように起こります。

計数用は、基本的にそのような制限がありませんので、
通常は整列は簡単です。

1つの整列穴に1つの部品が入れば良いので、
並ぶ向きや、穴の深さ、穴の間隔(整列ピッチ)
などを設定する自由度が高いわけです。

例えば四角形の部品は、通常は短辺と長辺の向きや
表裏を全て揃えて並べる必要がありますが、
計数用であれば丸穴でも良い事になります。
要は1つの穴に部品が2個入らないように
なっていさえすれば良いのです。

穴形状も、丸穴の方が角穴よりも加工時間が短く、
整列治具の価格も低く設定しやすい、
というメリットもあります。

また、ピンを縦に並べる場合でも、ピンの頭が
整列治具の表面からわずかに飛び出した状態で
並べて欲しいと言われる事がよく有りますが、
計数用であれば沈めてもOKです。

表面から飛び出していますと、後から流れて来た
ピンがそこに引っ掛かって流れが停滞したり
ですとか、整列機の振動によって、
せっかく並んだピンが整列穴から出て行って
しまったりする事もあるからです。

ただし、1つの整列穴に部品が1つだけのしか
入らないようにするために、敢えて部品の向きが
揃うように並べなければならないという、
逆のケースもあります。

あと、整列ピッチですが、広ければ良いという
わけではなく、部品によっては、或る程度
整列穴が密集していた方が並びやすい、
という場合もあります。

その一方で、整列治具の外形サイズは、
他の治具と共通にしたい、という要望が
出るのが普通です。

すると、このように、広めの整列治具の
中央付近に、整列穴がこぢんまりと
まとまってしまっている事があります。



この場合、整列治具の両端に、整列穴が無い
エリアが結構な広さで存在します。

すると、素通りして流れて行ってしまう
部品が多い、という現象が起き、効率的とは
言えません。



かと言って、整列ピッチ(整列間隔)を広げ、
整列治具全体に満遍なく整列穴を配置させると、
今度は整列率が下がったり、整列時間が伸びたり
する場合があるとお考え下さい。

この場合はどうするか。

こうします。整列穴を幾つかのブロックに分け、
部品の流れに対して素通りするエリアを
無くします。



こうする事で、効率を下げる事なく、
部品を並べられます。

これが、計数用以外の用途ですと、
整列穴を自由に配置できないので、
下図のようなサイドガイド(脇板)を
整列治具の両端に付けたりします。



つまり、川の両岸に小高い土手を作り、
そこには部品が流れないようにするのです。

しかし、このサイドガイドが、
次工程では邪魔になる場合があります。

なので、取り外しできるような構造にする
事があります。

サイドガイドをただ置いただけでは、
流す部品によっては、整列機の振動で、
このサイドガイドと整列治具本体の隙間に、
部品が入り込んだりする場合がありますので、
シッカリ固定する必要性に迫られる事が
ままあります。

すると今度は、サイドガイドの取り外しに
一手間かかる事になります。

よって、計数用であれば、サイドガイドは
できるだけ使わずに、整列穴の配置を
工夫する方が得策です。


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