WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

Corega スイッチングHUBに電解コンデンサ不良,交換へ

2005-09-21 22:39:18 | ハードウエア

 以前の記事に書いたとおり,電解コンデンサの品質は,電子機器の寿命に直結する.特にPC・ネットワーク関係の機材では,24時間通電させているサーバや,ルータ・スイッチングHUBの電解コンデンサの品質が問題となる.詳細については,こちらのサイトを見て欲しい.

 電解コンデンサの劣化の状況は,「液漏れ」「妊娠(頭部膨張)」「底抜け(底面のパッキンが下がる)」で視覚的に確認できる.ちなみに電解コンデンサ劣化の最終ステージは,「破裂」だ.電解コンデンサは高負荷がかけられたり,高温環境で使用されたり,あるいは,内部の電解液の品質・劣化等の原因により,破裂する場合がある.破裂は元々想定されており,破裂時に周囲に被害が及ばないように,コンデンサ頭部には,あらかじめ,切り込みが入れられており,上方に破裂するようになっている.余談だが,私の学生時代,スライダックを使って,部活中に科学部(?)が「コンデンサ破裂ごっこ」をやっていたのを見かけた記憶がある.

 このような性質を持つ電解コンデンサが,PCやネットワーク機器ユーザー間の話題に上るようになって久しい.特にスイッチングHUBに関しては,以前の記事に書いたとおり,「日本製電解コンデンサ採用」を前面に押し出すメーカーも現れてきた.Corega は,最近になってようやく,スイッチングHUBにこのキャッチフレーズを採用したメーカーだが,その Corega から,電解コンデンサに起因するスイッチングHUB不具合のアナウンスが発表された.

 対象の機種は「CG-FSW8AW/8AB」という8ポートHUBだが,電源部の電解コンデンサに不良品が混じっているロットが存在し,そのロットでは,想定した寿命よりも短い期間で動作不良を起こすという.特に使用開始1~2年後の夏場に,動作不良となるケースが多いようだ.スラッシュドットの記事によると,これを裏付ける証言がいくつも飛び出しているようだ.

 CG-FSW8AW/8ABは,既に販売を終了しており,なおかつ,保証期間は1年となっているため,ほとんどのCG-FSW8AW/8ABユーザーが,修理せずに,リプレースしたものと思われる.ではなぜ,今になって,Coregaは,「保証期間の1年を経過した製品」でも交換するといっているのだろう?

 ありえるのは,この不良ロットの起こした「事件」の中に,かなりシリアスな事件も含まれていたのではないかということだ.スラッシュドットの記事の中には,おそらく不良ロットと思われるCG-FSW8AW/8ABの上に紙を置くなどして,ぼや騒ぎになった例があるようだ.確かに,スイッチングHUBが「ネットワーク機器」というより,「家電製品」になった今日,スイッチングHUBの設置環境は様々であることが予想される.ユーザーが,周辺物で通風口をふさいだり,あるいは,可燃物の間にスイッチングHUBを押し込んでいる可能性もある.もちろん,こんなことをすれば,不良ロットでない通常のスイッチングHUBでも,寿命が短くなるだけでなく,ぼやが起こっても不思議ではない.また推測ではあるが,安物スイッチングHUBがプラスチック筐体であることも,このような「ぼや」の遠因となっているのかもしれない.

 いずれにしも,スイッチングHUBのユーザーは,今回の事件を教訓にして,スイッチングHUBのスペックや設置環境を,今一度,見直してみては見てはいかがだろうか?ちなみに我が家には計3台のスイッチングHUBがあり,内2台には24時間トラフィック(ネットワーク防犯カメラのため)が流れている.これらのスイッチングHUBは,机のスチール部分にマグネットで貼り付けたり,あるいは,スイッチングHUBの下にアルミ製の製品をしいて,放熱効果を高めている.ご注意を!