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8月24日,MSNは,フリーのインスタント・メッセージング(IM)ソフトの最新版である「MSNメッセンジャー 7.5」をリリースした.ダウンロードはこちら.
主な変更点は…
- WindowsXPのみで使用可能
- ログイン画面の変更
- ダイナミック背景:会話窓の背景として,アニメーション画像の表示が可能になった.上の画像の場合,鯉と蓮が動く.
- 音声メモ:15秒間の音声メッセージを,文字の代わりに相手に送信できる
- エコー・キャンセラーの改良:音声チャット品質の向上
- 会話窓内の「Webページへのリンク」を非表示にするオプションを追加(スパム・メッセージへの対処)
- 「WebCam」「ビデオチャット」「ビデオ会話」を「映像チャット」に統一(注:「WebCam」「ビデオチャット」「ビデオ会話」は,内部的処理がそれぞれ異なる.「映像チャット」では,この内の3者の中から状況に応じて,最適な方式が自動選択されるのかもしれない.少なくともヘルプを読んだ限りでは,「映像チャット」に新たな技術が導入された形跡はない.詳細未確認)
- メンバーリストで表示されているアクションが「メンバの追加」のみになった
- オプション画面で,接続状態をビジュアルに表示
- Webページ内のリンクから,MSNメッセンジャーを呼び出す機能をサポート
- 音声チャットの招待時に,ベル音(注:確認したところ黒電話のベル音×3)を鳴らすオプションを追加
- 会話窓内の「送信」ボタンの下に,MSNサーチを行うための「検索」ボタンを追加
注目すべきは,今回のバージョンアップにより,ついにWin98・ME系のサポートが行われなくなったことだ.今後,Win98・ME系は,現在の7.0系MSNメッセンジャーを継続使用していくことになるだろう.ただし,Yahoo!メッセンジャー等の他のライバルメッセンジャーの動向によっては,再びWin98・ME系をサポートする可能性もあるかもしれない.
また,音声チャット招待時に,相手のPCから電話のベル音が出力される仕組みは,以前からMSNメッセンジャーのユーザーから求められていたものだ.ネット電話ソフトのSkypeならば,通常の電話と同様,音声チャットと招待時に,相手のPCからベル音を鳴らし続けることができるのだが,従来のMSNメッセンジャーの場合は,ちょっとした警告音とポップアップが出るだけだった.そのため,MSNメッセンジャーでは,相手が音声チャットの招待に気がつかない場合もあり,その対策として「ウインク」「シェイク」等を送信して,相手の気をひくしかなかった.今回のベル音のサポートによって,このようなことはなくなるだろうが,ベル音をうるさいと思うユーザーならば,オプション設定によって,ベル音を鳴らさないようにする事も可能だ.
IM系ソフトの勢力図においては,MSNメッセンジャーのライバルとも言える「Yahoo!メッセンジャー」のみならず
- Skype:USB接続ハンドセット等の周辺機器との連携や,環境を選ばない接続性など電話機能を重視.
- Google Talk:Googleがベータテストを開始したIM.オープンソースIMのJabberがベースとなっており,Jabberのみならず,MAC用のiChat,複数のIM(AIM,ICQ,MSN,Yahoo!,IRC)と接続可能なTrillianなどの異なるIMソフトと接続可能.なお将来は,AIM,MSN,Yahoo!の各メッセンジャーとも接続可能になる予定.要GMailアカウント.
などの新勢力が現れ,混戦模様となってきている.今回のバージョンアップは,7.0から7.5へのマイナー・バージョンアップではあるが,他のメッセンジャーソフトを牽制する意味もあるのかもしれない.今後は他のメッセンジャーソフトの動きにも,注目していく必要があるだろう.
参考リンク:
- Googleニュース:「MSNメッセンジャー 7.5」
- Googleニュース:「Google Talk」