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無償のOffice文書格納スペース:「Office Live Workspace」ベータテスト開始

2008-05-26 05:25:11 | Windows

 5月23日より,MSは,Ofiice文書をインターネット上のサーバに格納する無償サービス「Microsoft Office Live Workspace」の試験運用(ベータテスト)を開始し,一般公開した.

 WaterMindでは,今回,実際にこのサービスを試用してみたところ,今後,PCのフォルダに取って代わる,Office文書の標準格納スペースとなりうるであろう重要なサービスであることが確認できた.今回は,このサービスをレポートする.ただし,ベータテスト中であるため,今後仕様変更があり得ることはご了承いただきたい.

 まずこのサービスの概要を,以下にまとめてみる.

 ★基本的な機能

  • 文書ファイルをインターネット上のサーバ(Workspace)に格納できる
  • 容量:500MB.有償で容量拡張が可能になる予定
  • 格納できる文書は,Office文書はもちろん,それ以外のファイルも可能
  • アップロードできる1ファイルのサイズは,30MBまで.(プレスリリースでは25MB)
  • ウイルスチェック機能あり
  • 使用するためには,Hotmailアドレス等の Windows Live ID を取得し,それを用いてサインインする必要がある.ちなみに,Windows Live ID は,プロバイダ提供のメールアドレスを元に,新規作成することも可能.また複数のWindows Live IDリンクID機能により,まとめることも可能.
  • ワークスペースや文書に,注意書きや作業指示としてコメントを付加できる.コメントは,一つの対象に対して,共有者全員で,いくつもつけることができる.

     ★ワークスペース

    • ワークスペースは,インターネット上に存在する一種のフォルダ.複数作成可能.ただし通常のフォルダと違い,ワークスペース内にサブ・ワークスペースは作成できない.
    • 典型的な新規ワークスペースを作成するための,テンプレートを用意.テンプレートを使用してワークスペースを作成した場合,そのワークスペース内に,必要と思われるすべての文書が自動生成される.

    ★作成・編集機能

    • 文書の変更履歴を自動保存するため,編集内容を保存した後も,編集前の状態に復元できる(バージョン管理機能,「リスト」を除く)
    • Web文書を直接作成可能(メモ機能)
    • 簡易的なデータベース・テーブル(表)を直接作成可能(リスト機能)

    ★操作性

    • 基本的操作画面は,Webページを用いるため,ソフトのインストールは不要
    • ドラッグアンドドロップで,複数文書のアップロードが可能(ActiveXのインストールが必要)
    • 文書のワークスペース間移動も,ドラッグアンドドロップで可能.ドラッグアンドドロップによるコピーは現在不可.

    ★Office連携機能

    • ワークスペース内文書一覧ページから,直接WORD,EXCEL等で開くことができる(Office XP・2003・2007,ダウンロードも可能)
    • WORD,EXCEL等から直接ワークスペースに保存できる(Office XP・2003・2007)
    • リストをOutlookにエクスポート(リンク?)できる(Office 2003・2007)
    • リストをExcelにエクスポートできる(Office 2003・2007)

    ★閲覧性

    • Officeソフトがインストールされていなくても,Office文書をプレビューできる.ただし,複雑な文書や表では,レイアウト等が崩れる.
    • PDFや一部画像ファイルに対しても,プレビュー可能
    • 文書所有者だけでなく,共有者もプレビュー可能

    ★共有機能概要

    • 共有には,画面共有・文書共有・ワークスペース共有がある
    • 共有は,共有招待状メールを共有したいユーザに送信して行う
    • ワークスペース毎に,共有者による操作を含む操作履歴が残り,履歴はメールで通知される

    ★ユーザ権限

    • 所有者:文書作成者.全権限を持つ.
    • 編集者:文書を編集することのできる共有者.共有開始・解除の操作は不可.
    • 校閲者:文書を閲覧することと,コメントを付加することのみができる共有者.

    ★画面共有(Microsoft SharedView)

    • 画面共有は,複数のユーザが同時に,一つの画面を遠隔操作する機能
    • 画面共有のためには,Microsoft SharedViewをインストールする必要がある
    • デスクトップ全体,または起動しているソフトの画面のみを,共有操作可能
    • 資料配布機能やチャット機能あり

    ★文書共有

    • ワークスペース「ドキュメント」内の文書のみ,文書単位で共有可能

    ★ワークスペース共有

    • ワークスペース単位での共有設定が可能
    • ワークスペース共有設定すれば,そのワークスペース内のすべての文書が共有される

     Office Live Workspaceは,インターネット上の共有フォルダ(FTPやWebDAVフォルダ)による文書ファイル共有方法と比較して,次の点が優れている.

    • 基本的に無償である
    • ワークスペースの改変記録が残るため,共有者による文書改変を把握しやすい
    • 共有者の権限を分けることにより,間違って文書が削除したり,文書内容が改変されるリスクを抑えることができる.
    • バージョン管理機能により,文書の古いバージョンを残す必要が基本的にない
    • Office系ソフトとの統合により,通常のフォルダに近い感覚で,文書を開いたり保存できる
    • コメントやメモにより,共有者間,作業指示者・作業者間でコミュニケーションが取りやすい(メールによる,作業指示よりよいかな?)
    • プレビュー機能により,どこのPCでも文書閲覧可能(将来的には,携帯端末にも対応しほしい)
    • 文書のプレビュー表示が可能

    逆に劣っている点としては

    • Live IDでサインインする必要がある.サインイン後も,セキュリティ保護のため,パスワードの再入力を要求されることもある.
    • ファイルサイズに制限がある
    • 通信速度が,FTPフォルダと比較して遅い
    • FTPフォルダのアイコン(ネットワークプレイス)を使用した場合に比較すると,操作感覚がフォルダ的ではない.
    • ワークスペースを階層化できない.Googleドキュメントのように,タグ付けによる分類もできない.

    をあげることができる.最後のワークスペース分類問題に関しては,ワークスペース名を命名する時に,階層的な名前付け(例えば「共有者名:プロジェクト1:タスク1」)を行えば,ある程度は対処できるかもしれないが,根本的な解決とはならないのは明らかだ.

     いずれにしても,本サービスは,いままでにMSから提供された無償の Live系サービスの中でも,最も完成度と実用性の高いサービスといっても過言ではない.このサービスを利用すれば,Office文書のメール添付における様々な問題点を,かなり解決できるはずだ.ただし,このサービスのセキュリティ面や信頼性については,まだ未知数であるため,機密扱いのOffice文書等の保存については,十分に注意していただきたい.それと,全く不思議なことが一つ…

     

    このサービスには(今のところ),検索機能がない
    (googleが作っていれば,つけていただろうなぁ)


    参考リンク:



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    1 コメント

    コメント日が  古い順  |   新しい順
    こんにちは (maru)
    2008-05-28 07:37:56
    はじめまして。

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