5月23日より,MSは,Ofiice文書をインターネット上のサーバに格納する無償サービス「Microsoft Office Live Workspace」の試験運用(ベータテスト)を開始し,一般公開した.
WaterMindでは,今回,実際にこのサービスを試用してみたところ,今後,PCのフォルダに取って代わる,Office文書の標準格納スペースとなりうるであろう重要なサービスであることが確認できた.今回は,このサービスをレポートする.ただし,ベータテスト中であるため,今後仕様変更があり得ることはご了承いただきたい.
まずこのサービスの概要を,以下にまとめてみる.
★基本的な機能
- 文書ファイルをインターネット上のサーバ(Workspace)に格納できる
- 容量:500MB.有償で容量拡張が可能になる予定
- 格納できる文書は,Office文書はもちろん,それ以外のファイルも可能
- アップロードできる1ファイルのサイズは,30MBまで.(プレスリリースでは25MB)
- ウイルスチェック機能あり
- 使用するためには,Hotmailアドレス等の Windows Live ID を取得し,それを用いてサインインする必要がある.ちなみに,Windows Live ID は,プロバイダ提供のメールアドレスを元に,新規作成することも可能.また複数のWindows Live ID をリンクID機能により,まとめることも可能.
- ワークスペースや文書に,注意書きや作業指示としてコメントを付加できる.コメントは,一つの対象に対して,共有者全員で,いくつもつけることができる.
★ワークスペース
- ワークスペースは,インターネット上に存在する一種のフォルダ.複数作成可能.ただし通常のフォルダと違い,ワークスペース内にサブ・ワークスペースは作成できない.
- 典型的な新規ワークスペースを作成するための,テンプレートを用意.テンプレートを使用してワークスペースを作成した場合,そのワークスペース内に,必要と思われるすべての文書が自動生成される.
★作成・編集機能
- 文書の変更履歴を自動保存するため,編集内容を保存した後も,編集前の状態に復元できる(バージョン管理機能,「リスト」を除く)
- Web文書を直接作成可能(メモ機能)
- 簡易的なデータベース・テーブル(表)を直接作成可能(リスト機能)
★操作性
- 基本的操作画面は,Webページを用いるため,ソフトのインストールは不要
- ドラッグアンドドロップで,複数文書のアップロードが可能(ActiveXのインストールが必要)
- 文書のワークスペース間移動も,ドラッグアンドドロップで可能.ドラッグアンドドロップによるコピーは現在不可.
★Office連携機能
- ワークスペース内文書一覧ページから,直接WORD,EXCEL等で開くことができる(Office XP・2003・2007,ダウンロードも可能)
- WORD,EXCEL等から直接ワークスペースに保存できる(Office XP・2003・2007)
- リストをOutlookにエクスポート(リンク?)できる(Office 2003・2007)
- リストをExcelにエクスポートできる(Office 2003・2007)
★閲覧性
- Officeソフトがインストールされていなくても,Office文書をプレビューできる.ただし,複雑な文書や表では,レイアウト等が崩れる.
- PDFや一部画像ファイルに対しても,プレビュー可能
- 文書所有者だけでなく,共有者もプレビュー可能
★共有機能概要
- 共有には,画面共有・文書共有・ワークスペース共有がある
- 共有は,共有招待状メールを共有したいユーザに送信して行う
- ワークスペース毎に,共有者による操作を含む操作履歴が残り,履歴はメールで通知される
★ユーザ権限
- 所有者:文書作成者.全権限を持つ.
- 編集者:文書を編集することのできる共有者.共有開始・解除の操作は不可.
- 校閲者:文書を閲覧することと,コメントを付加することのみができる共有者.
★画面共有(Microsoft SharedView)
- 画面共有は,複数のユーザが同時に,一つの画面を遠隔操作する機能
- 画面共有のためには,Microsoft SharedViewをインストールする必要がある
- デスクトップ全体,または起動しているソフトの画面のみを,共有操作可能
- 資料配布機能やチャット機能あり
★文書共有
- ワークスペース「ドキュメント」内の文書のみ,文書単位で共有可能
★ワークスペース共有
- ワークスペース単位での共有設定が可能
- ワークスペース共有設定すれば,そのワークスペース内のすべての文書が共有される
Office Live Workspaceは,インターネット上の共有フォルダ(FTPやWebDAVフォルダ)による文書ファイル共有方法と比較して,次の点が優れている.
- 基本的に無償である
- ワークスペースの改変記録が残るため,共有者による文書改変を把握しやすい
- 共有者の権限を分けることにより,間違って文書が削除したり,文書内容が改変されるリスクを抑えることができる.
- バージョン管理機能により,文書の古いバージョンを残す必要が基本的にない
- Office系ソフトとの統合により,通常のフォルダに近い感覚で,文書を開いたり保存できる
- コメントやメモにより,共有者間,作業指示者・作業者間でコミュニケーションが取りやすい(メールによる,作業指示よりよいかな?)
- プレビュー機能により,どこのPCでも文書閲覧可能(将来的には,携帯端末にも対応しほしい)
- 文書のプレビュー表示が可能
逆に劣っている点としては
- Live IDでサインインする必要がある.サインイン後も,セキュリティ保護のため,パスワードの再入力を要求されることもある.
- ファイルサイズに制限がある
- 通信速度が,FTPフォルダと比較して遅い
- FTPフォルダのアイコン(ネットワークプレイス)を使用した場合に比較すると,操作感覚がフォルダ的ではない.
- ワークスペースを階層化できない.Googleドキュメントのように,タグ付けによる分類もできない.
をあげることができる.最後のワークスペース分類問題に関しては,ワークスペース名を命名する時に,階層的な名前付け(例えば「共有者名:プロジェクト1:タスク1」)を行えば,ある程度は対処できるかもしれないが,根本的な解決とはならないのは明らかだ.
いずれにしても,本サービスは,いままでにMSから提供された無償の Live系サービスの中でも,最も完成度と実用性の高いサービスといっても過言ではない.このサービスを利用すれば,Office文書のメール添付における様々な問題点を,かなり解決できるはずだ.ただし,このサービスのセキュリティ面や信頼性については,まだ未知数であるため,機密扱いのOffice文書等の保存については,十分に注意していただきたい.それと,全く不思議なことが一つ…
このサービスには(今のところ),検索機能がない!
(googleが作っていれば,つけていただろうなぁ)
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