前回までのあらすじ:
夏支度を始めようと,稼働中PCのサイドパネルを開いたWaterMindは,パッシブダクトを12cmリアファンに激突させ,破壊してしまった.そのため急遽,パーツ屋で12cmリアファンとして購入したケースファンが,Xinruilian RDL1225B(17LN)であった.
といいうことで,今回は購入したXinruilian RDL1225B(17LN)の特徴について,書きたいと思います.
まず,基本的なスペックは以下の通りです.
サイズ: 120 x 120 x 25mm
風 量: 70.25CFM
騒音値: 28.80dB
回転数: 1700rpm
軸受け: 2ボールベアリング(NMBミネベア製)
寿 命: 5万時間(動作環境:60℃,湿度65%の場合)
コネクタ: 3ピン(パルスセンサー付)
ケーブル: 300mm
リブ: あり
フィン: 7枚静音形状
付属品: フランジナット4本,テーパーネジ4本
販売代理店: 長尾製作所
製造: xinruilian
購入価格: 1774円(静岡マルツ電波)
★★ ファンの厚さについて
上記スペックを見ていただければわかりますが,Xinruilian RDL1225B(17LN)は薄型ファンです.従って風量の確保が,より厚みのあるファンよりも難しくなります.ただ私のPCのように,パッシブダクトがある場合,厚みのある12cmファンをリアファンとして取り付けると,パッシブダクトがファンに当たってしまい,サイドパネルが閉じられない場合もあるかもしれません.ですので,以前使用していたシグマA.P.O.「Cool Builder CF12025H」も25mm厚の薄型ファンだったわけです.
★★ ファンの騒音値について その1
Xinruilian RDL1225B(17LN)は,型番の末尾「17LN」にあるように,比較的低速回転のファンであり,フィン形状が丸みを帯びた静音型です.正常なファン騒音の主な発生源は,フィンの風切り音,回転軸の発生する音,さらにはファン全体の振動音だと思われます.ファンが壊れてくると,これらの主要音源にさらに,別の音源が加わるため,騒音量はより大きくなります.
Xinruilian RDL1225B(17LN)は,風量が12㎝静音ファンでは平均的な70CFMほどですが,風量の割には,他の同様のファンに比べて,騒音量が低い方だと思います.例えば以前使用していたシグマA.P.O.「Cool Builder CF12025H」の静音仕様バージョンである「CF12025L(ボールベアリング仕様)」は,公称スペック上では,風量が71CFMほどですが,騒音量は34dBとなっています.これに対して,Xinruilian RDL1225B(17LN)の公称スペックでは,騒音量が27.8dBとなっており,Xinruilian RDL1225B(17LN)の方が,より静かです.
ご存じの方も多いと思いますが,軸受け機構がボールベアリングの場合,通常,軸発生音は,スリーブや流体軸受けよりも大きいとされています.ところがXinruilian RDL1225B(17LN)の採用しているミネベア製のボールベアリングは,静音性が優れており,これが騒音量の差の一因となっているものと思われます.詳しくは「静音研究室」の「静かなファンを見つける」ページをご覧ください.
この他にも「リブの存在」「フランジナットによる固定」も,静音の要因だと思われますが,これについては次回にしたいと思います.
…次回は「ファン騒音について その2」の予定です.