三面記事から見る最近の中国

気軽に読めるニュースを、バックグラウンドの説明や私の感想を交えながら、紹介します。

雲南省西双版納で野象に襲われアメリカ人教師が重態

2008-01-31 | Weblog
 私は去年雲南省へ行ったのですが、時間がなく、西双版納へは行けず、いつかぜひ行きたいと思っています。ここはミャンマー、ラオスとの国境に近く、熱帯ですから野生の象もいるんです。

 このアメリカ人教師はきっと若い人で、春節休みを利用して旅行に行ったのでしょう。無賃入場して、危険なところへ行ってしまったのだと思われます。

 1月24日夕方6時50分ごろ、武漢の華中農業大学で英語を教えているアメリカ人が、西双版納の野象谷で野象の攻撃を受け、肋骨8本が折れ、肺と小腸、腸膜を負傷し、生命の危機にある。

 二人の野象監視人が新しい遊覧道に沿って巡視していた時、野象の群が遠くの林の中にいるのを見た。突然野象の群が走り出し、恐ろしい吼え声を出した後は静かになった。近づいてみると、外国人男性が倒れていた。

 連絡を受けた管理者はすぐに関係方面に連絡し、また10人余りを派遣して負傷者を担架で運ばせ、救急センターに連絡した。夜8時6分に病院に送られ、診断後、8時40分から手術を開始、翌25日0時40分にやっと終わり、ICUで看護しているが、まだ生命の危機を脱していない。

 野象谷観光は、このアメリカ人は入場切符を買っておらず、彼が検札口から入るのを見た人もいないという。

使い捨て医療器具を減らすべき

2008-01-30 | Weblog
 もう省クラスの両会は終っています。その一つ、政協(政治協商会議)は議決権がなく、提案が主で、実に色々な提案が出されます。実現に至るものは少ないのだろうと思います。

 医療器具の使い捨てを減らすのは、環境面からはいいのですが、きちんとした管理体制ができなければ、汚染された器具が再使用されるということにもなりかねません。

 1月22日は北京市政協で提案を出せる最終日だった。医薬衛生界委員がグループ討議をしていた時に、使い捨て医療器具の使用を減らして、資源の浪費と環境汚染をなくそうとの提案が出された。

 現在、病院で使用されているゴム手袋、マスク、手術着などの大部分は使い捨てで、一度手術が終ると、ゴムや不織布で作られた器具は全て捨てられる。「今はプラスチックのレジ袋さえ制限されているのだから、使い捨て医療器具も見直すべきだ」「以前は手術服は高温殺菌したが、完全に衛生標準に合っていた」

 委員たちは、医療器具を分類して、どれは使い捨てにすべきか、どれは消毒して何度も使えるかを明確にし、適当な代替器具を探し、使い捨て器具の使用を減らすべきだと提案した。

中央テレビの記者を殴打、脅して土下座させる

2008-01-29 | Weblog
 中国のテレビを見ていると、よくこんなシーンを撮影できたなと思うことがありますが、それだけに取材時の危険性も高いのです。問題をテレビで暴露されると大変ですから、何とか止めさせようと必死になり、記者が殺されたことさえありました。

 中央テレビ記者殴打事件が、安徽省広徳県人民法院で公開審理された。2007年12月18日、中央テレビ経済報道の記者3人が広徳県の西燕電源有限公司(すでに停止)付近を取材した。

 そのことを知った被告の同社副総経理は他の社員と共に現場に駆けつけ、3人に記者証と身分証を要求して断られると、記者たちに殴る蹴るの暴行を加えた。記者の1人は眼部から出血、2人も軽傷を負った。さらに副総経理はビール瓶を叩き壊し、その鋭利な破片を突きつけて3人を脅し、土下座させて、「爺(旦那さま)」と呼ぶよう命じた。

 被告らは、ビデオカメラ、三脚など撮影器材を粉々にし、録画テープを肥壷に投げ込み、損害額は124,841元にのぼった。事件当夜、被告4人は自首した。3時間余りの審理の後、休廷となり、日を改めて審判が下される。

日本への家族旅行ビザ:やはりガイドが必要で、コストは1万元以上増加

2008-01-28 | Weblog
 日本の観光地で中国人の団体を見ることが多くなりましたが、中国人が自分で日本のビザを取ろうとすると大変です。日本人は中国へ15日までならノービザで行けるから大違いです。

 中に不心得者がいて、日本へ来たまま失踪する人がいるから、制限もやむをえないのですが、大半の人はきちんとしていて、観光収入も増えるのだから、何かよい方法はないものですかね。

 今年3月から、日本の家庭観光ビザをとれるようになるのか? 調べてみると、初めに期待されたような、ガイドなしのビザではなく、やはり旅行社からの引率者が必要である。こうなると、小グループ旅行と似ていて、旅行者はかなりのコストを負担しなければならず、画期的というものではない。

 「日本へのリピート客ができ、彼らは個性的な旅を希望するので、統一の団体旅行では要求を満足できないんですよ。もし家庭ビザが個人ビザに近いもので、旅行社の付き添いなしなら、いい制度で、『航空切符+ホテル』というメニューを提供でき、旅程はその家族が好きに決められるんですがね」と上海の旅行社はいう。

 だがこれまでと大差はなく、春節期間を例に取ると、2月12日出発の日本7日旅行の普通の団体旅行の価格は9,000元程度であるが、もし旅行者6人に1人の付き添いをつけると、個人航空運賃になるので、1人の費用は25,000元以上に跳ね上がり、差は非常に大きくなるという。

未成年者を旅行カバンに隠し、盗みをさせる

2008-01-27 | Weblog
 中国も長距離バスには荷物室がついていて、私もよく利用し、時にはデジカメを入れたまま荷物を預けることもあります。たいていカギなどかけていないので、こんな泥棒にあえばひとたまりもありません。でも事件が起きたのは8月、カバンに入れられた子供も暑くて大変だったことでしょう。

 去年8月20日、徐某は蘇州市の長距離バス停付近で、未成年者を旅行カバンに入れ、その旅行カバンを上海行きのバスの荷物室に運び込んだ。

 バスが走っている途中、徐某は携帯電話でその未成年者と連絡を取り、未成年者はカバンから這い出して、荷物室内で他の乗客のカバンからノートパソコン、デジカメを盗み、金額は5,420元におよんだ。

 裁判所は、徐某は、未成年者に他人の財産を盗ませ、金額も比較的大きいことから、窃盗罪に当ると判断した。徐某は釈放後5年以内の再犯だったので、厳しい処罰となり、有期刑1年3ヶ月、罰金2,000元を言い渡された。

日本の黒マグロが初めて北京へ

2008-01-26 | Weblog
 日本の美味しい食べ物を外国に紹介するのはいいことだろうし、金持ちの中国人に売ればもうかるのかも知れませんが、本当にいいことなんでしょうか。今でもマグロは世界中で奪い合いになっていて、資源も減少し、値段も上がっているといわれています。

 中国の巨大な胃袋が新鮮な海産物に目をつけると、ますます資源不足が加速するでしょう。日本の食べ物は日本へ来て食べてもらうようPRするのが、一番いい方法だと思うんですがね・・・。

 重さ45キロの黒マグロが、短時間のうちに見事な包丁捌きで解体され、続いて料理人が寿司と刺身にし、現場の観衆が味わった。日本の「長崎鮮魚」が展示即売会を北京市の食品スーパーで開き、日本近海の汚染されていない新鮮な水産品を当日の便で空輸し、北京市民の食卓に送った。

 その内、マグロの中の王様、黒マグロは初めて北京に現れた。最も値段の高い腹部のトロはキロ1,500元、安い部分でも700-800元はしたが、100人以上の客が味わって購入した。1時間余りで、45キロのマグロはほとんど売り切れた。

北京では毎日594人の「社長」が誕生

2008-01-25 | Weblog
 「日本はもう経済一流ではない」と大臣が言うほどで、経済にも元気がありませんが、中国は日の出の勢いがまだ続いています。個体工商戸というのはごく小さな個人経営の会社や店のことですが「社長」には変わりありません。

 市工商局が発表したデータによると、2007年に北京で新しく216,637戸の市場での経営主体ができ、平均で毎日594人の社長が生れた。2007年末、北京市で登記した各種市場の経営体の累計は1,332,247社で、その内登録した個体工商戸は775,496社、私営企業が336,684社であった。

 北京の1,740万人の総人口から計算すると、北京では1万人毎に個体工商戸が445、私営企業が193あることになる。北京市では内資、外資企業は主に朝陽区と海淀区に、個体工商戸は豊台区、朝陽区に多く分布している。

医者がよその土地で荒稼ぎ

2008-01-24 | Weblog
 これも昨日に引き続き、江蘇省の両会での話題です。腕のよい医者はどこでも引っ張りだこですが、中国ではよその病院へ行って治療をし、余分の金を稼ぐことがあるようです。多分自分の病院の給料よりもよいのでしょう。

 江蘇省の九三学社の政協委員たちは、医者が他へ行って、自分の技術で病人の生命を救うのはいいことだが、金もうけのためにならないよう監督管理を強化する必要があるとの提案を「両会」に出した。

 ある委員によると、南京の某大病院の医者が無錫へ行って病人に手術し、医者と病人の家族は何ら書類を作らない条件で、3,000元の手術費用を出すとの口頭での約束をしていた。これは心臓ステントを1個取り付けるだけの手術で10分程度で終った。この医者は無錫で3人の手術をし、難易度に応じて3,000-10,000元の手術費を受取り、合計2万元程度(病院の報酬も含む)を受取った。

「5年後には破産する大学が出る可能性が高い」

2008-01-23 | Weblog
 中国では大学の借入金が巨額になっており、かつて吉林大学の経営悪化が報じられたことがありましたが、一流大学を破産させることはないだろうと思います。しかし、各地にたくさんの大学ができすぎていますから、中に破産する大学が出てもおかしくありません。

 日本では少子化の影響で大学進学する人数が減り、大学の経営が困難になっていますが、中国では余りにも急激に大学を拡張したのが原因です。

 湖北省の副省長が教育工作会議で、大学が過剰になっており、5年後には倒産する大学が出る可能性が高いと述べた。学齢の人口が5年後には自然減少し、高校卒業生の数が不足すると、大学への応募数が不足して入学者が減り、中には破産するところもでてくる。

 副省長は、こうした歴史の転換点において、大学は重点を質の向上に移して、就職率を特に重視する必要があると述べ、今年から大学の募集計画は、その大学の就職率、入学率と関係付けるよう要求した。

広東では2025年に結婚できない男が500万人になるかも

2008-01-22 | Weblog
 両会というのは、人民代表会議と政治協商会議の二つを指し、中国の政治の大きな行事です。今は各地の省レベルで開かれていて、間もなく春節で休み、3月初めから北京で全国版が開かれます。実に様々な話題が取り上げられます。

 2008広東省両会の政治協商会議は省政府の工作報告をグループに分かれて討論した。省人口計画生育委員会主任張楓は、出生人口比率の問題で「このまま進めば、私が計算してみると、2025年には広東で500万人の男が結婚できなくなる」と述べた。

 1990年代後期以降から、医療目的外に超音波で胎児が男か女か検査するようになり、「男なら生むが、女なら処置する」という人が出てきて、出生人口の男女比率がバランスを崩した。最もひどい時には、陽江と茂名で出生人口の男女比率が150:100にまで達し、その後取締って現在の130:100に下がったが、「これからもっと管理を強化する必要があると思う。そうしなければ広東では男が結婚できず、どうやって社会が安定するだろうか?」