三面記事から見る最近の中国

気軽に読めるニュースを、バックグラウンドの説明や私の感想を交えながら、紹介します。

中国の労働力コストは3割アップの可能性

2006-05-31 | Weblog
 中国の労働力コストが高くなって競争力を失うのではないかという議論が最近盛んで、別の記事で取上げたこともあります。現在の農民工のひどい待遇から見ると、最低部分の引上げはどうしても必要で、むしろ格差是正を進めるべきでしょう。

 北京大学光華管理学院副院長の張維迎は、24日の科技博覧会・中国経済サミットで、中国経済問題を見るには世界的な大背景の下に見なければならないと強調し、今後の発展の問題は、収入分配も含めて全てグローバル化と関連があると述べた。

 「今後3年から5年で、中国の労働力コストは30-50%上る可能性があり、さらにもし人民元が10%高くなれば、中国のどれだけの企業がやっていけるだろうか? 非常に大きな問題だ。もしこの問題を解決できなければ、企業は競争力を失い、就業を含む国内の多くの問題が解決できないだろう」

 「中国の企業が、将来、これまでのようにコストの安さで競争力を保てないとしたら、また、技術革新がコスト上昇による競争力低下を補えないとしたら、中国農民は都市へ移ることができず、すでに都市にいる農民工も農村へ戻らなければならなくなるだろう」

上海人の寿命は80歳超 3種の職業が過労死し易い

2006-05-30 | Weblog
 経済環境がよくなると寿命が延びるのが普通ですから、上海人の寿命が延びるのも当然でしょう。今回の調査は上海戸籍の人が対象ですから、もし上海の出稼ぎ者の寿命を追跡調査できれば、きっと驚くほどの差が出るのではないでしょうか。

 2005年の全市1%抜取り検査の結果、上海市の戸籍人口の平均予期寿命は80.13歳と、2000年よりも1.36歳延びた。しかし、現在の都市住民は代謝性疾患、過敏反応性疾患、新しい疾患、過労死の4大健康、疾病問題に直面している。

 医学上、過労死は慢性疲労総合症(CFS)に属し、仕事の負荷が大きい場合、過度の疲労によって誘発される若年老衰、突然死の現象である。過労死の脅威が大きいのは、新聞記者、企業家、科学研究者である。

 調査によると、報道関係者の79%は40-60歳で死に、平均寿命は45.7歳である。中国科学院の1991-1996年の調査では、科学研究者の平均寿命は52.2歳で、15.6%の人が35-54歳の間に死亡している。また、中国の3,539人の企業家に対する調査では、90%の人が仕事のプレッシャーが大きく、4分の1が緊張に関係した疾病を患い、上海、北京、広州の企業の高級管理者はCFSの罹患率が最高である。

浦東空港の「PRADA]の真偽は?

2006-05-28 | Weblog
 プラダなんぞに私は縁はありませんが・・・。浦東空港で買った人は一度チェックされてはいかが?

 PRADA集団は5月12日、浦東空港のPRADA販売店でニセモノが売られていたことが発見され、この店の販売権を取消したとの声明を出した。1週間後、その販売店はPRADA集団の声明は誹謗だと反駁した。

 2004年にPRADA集団の責任者がこの店を視察した時、付近に飲食、観光記念品などの店があり、PRADAの品位を落すものだと指摘、PRADA集団はすぐにこの店を閉店するよう要求したが、店を経営している東権免税品(上海)有限公司は応じず、トラブルが始まった。

 東権は、開店の前に双方は1年近くかけて打ち合わせをし、この店にPRADAも合意していた。「合作してわずか1年で閉店したら、東権の信用に傷がつき、今後の商売に影響する」といい、店は経営を続けていた。

 2005年4月から、PRADAはこの店への商品供給を停止した。今年3月中旬、浦東空港工商分局はPRADA店でニセモノを販売しているとの通報を受け、倉庫にある商品を差押えて検査したが、これらの商品は違法行為とは無関係であるとして、4月末、差押さえを解除するとの公文を出した。

 東権側はすでにルクセンブルグに国際調停を申立て、同時に相手に商品供給停止による巨額の損失の賠償を求めた。東権公司の責任者は、これは会社間のトラブルであって、浦東空港のPRADA店で売った商品は全て本物だと強調した。

漢字934文字で、マスコミの文章の9割が分かる

2006-05-27 | Weblog
 1,000文字を知っておれば、マスコミに出てくる文章の9割が分かり、これからすると中国語は易しい言語だというのですが、毎日、中国語の文章を読んでいる私からすると、それほど易しいとは思えません。

 教育部、国家言語委員会が22日、初めて中国言語生活状況報告(2005)を発表した。これは15新聞、13テレビ局、3種のインターネットメディアに現れた732,162,049文字を調査したもので、文字の種類は8,225あった。「現代漢語常用字表」と比較すると、よく使われる2,500文字の中で、357文字は「一級常用文字」の中になかった。

 我国の7大学のBBSの用字用語の使用状況調査では、使用漢字の量は9,793文字で、紙のメディアよりも多い。句読点や符号の使用量が55.07%と、漢字の使用量よりも多かった。インターネット用語は不安定で、数年前には大量に出現したが、近年は増加速度が鈍っている。

 この報告によると、934文字、およそ11,000語がマスコミの言葉の90%を占めており、わずか1,000文字を知っていれば、中国語の文章の9割を理解でき、こうした文字が集中している状況からすると中国語はそれほど難しくないといえる。

株式投資者が急増

2006-05-25 | Weblog
 中国の株式市場は長らく低迷が続いていたのですが、昨年からの株式市場改革が進んだせいかどうか、しばらく前から株価が高くなり、それに伴い投資者も増えているようです。

 しかし、国有株や法人株の流通化が行われても、株式を支配しているのはそうした株式の持主ですし、会社の年度報告の正確さについても、本当によくなるのかどうか分りませんので、まだ問題を抱えたままといえるのではないでしょうか。

 株式指数が最近最高値を更新するにつれ、投資者が口座を開く数も激増している。先週1週間だけで、新しく口座を開いた数は272,102に達し、市場が落ち込んでいた時期の半年分に相当した。

 現在、上海、深センの口座総数は74,4719,000に達している。こうした多くの人が株式投資に参加しようとするのは、みんなが株式市場に非常な期待を抱いているためだ。


違法な飼い犬 届け出たら表彰

2006-05-24 | Weblog
 中国人は何でも食べると言われ、もちろん犬も食べますが、生活が豊かになって、ずい分前からペットを飼う人が増えています。飼い犬の問題など民事の範囲ですが、中国では公安が介入します。

 届出をしないで飼っている人など、違法な飼主を見つけるのに、懸賞を出して届けさせるのはいかがなものかと思いますが、今の中国の人々はなんとも思っていないようです。

 今年3月3日、北京市公安局は違法な飼い犬を見つけたら届け出る制度を始めた。多くの市民が積極的に協力し、5月19日までに、71件を処罰し、2人を行政拘留にした。

 先日、公安局が開いた飼い犬講習会で、市民Aさんが表彰された。警察はAさんの届けが正しいことを確認してから、違反していた飼主を行政処罰し、Aさんは100元の電話カードを受け取った。

 飼い犬講習会では、3匹の訓練を受けた子犬が人々の前で、お座り、お手、伏せ、ゴロンなどなど、素晴らしい芸を見せ、参加者は大喜びし、羨ましがった。講習会の講師はみんな元人民解放軍軍犬基地で教官をしたことがある人たちで、参加者の連れてきた犬を訓練し、よい習慣を教えた。

タクシー運賃 5月20日から値上げ

2006-05-23 | Weblog
 世界的に石油価格が上っていますから、タクシー運賃の値上げも仕方がないことです。北京では1.2元タクシーが年末にはなくなる予定で、現在もすでに台数が相当減っていますから、財布への影響は大きいでしょう。

 日本ではタクシー規制が緩和されてから、「格差」問題が取上げられることが多いのですが、運賃値上げはどうなんでしょうね。

 北京市では5月20日からタクシーの運賃値上げを行い、同時に、タクシー運賃とガソリン価格の連動制を導入する。今回の調整は、現行のキロ当り1.6元のタイプの運賃標準を2元にし、その他のタイプのタクシーは現行のままで変更しない。また、基本料金走行距離、基本料金(現在は10元)、夜間料金、待ち料金、渋滞時料金などその他の料金にも変更はない。

 ここ数年の国際市場での石油価格の継続的上昇に伴い、国家が今年3月下旬に石油総合価格調整方案を示し、各地方がタクシー料金のガソリン価格連動制などの措置を作った。この案について、北京市では4月26日に価格公聴会を開催し、多くの代表が賛成した。メータ付け替えが完了する6月30日までは新旧タクシー料金が並存する。

五万余の市民が公園で外国語練習

2006-05-22 | Weblog
 中国には「英語角」という言葉があり、角はコーナーですから、英語コーナーとなります。ずい分前から日曜日などに公園で開かれていましたが、オリンピックを前にまた一段と熱が入ってきたと言うことでしょう。

 13日、朝陽公園で「北京市民外国語活動週」が始まり、5万余の市民が勇躍参加した。100余りの外国語教育機関、留学教育機関などが参加し、“Myname is……”、“Are you ready?”など抑揚のある英会話があちこちで聞かれた。

 大きな掲示板には参加者の中国名と英語名がぎっしりと書き込まれ、広い芝生の上で、子供たちがアルファベットを並べて、“oneworld,onedream”を作ったり、公園の道路の両脇にはオリンピック英語や英語のことわざがぶら下げられ、人々がノートに写し、英語熱が満ち溢れた。

 新東方、IELTS、デル国際英語、Pattison カレッジなど100余りの外国語教育機関が参加し、外国語教育講座、外国語の歌唱、あるいは市民の会話診断、外国語レベル測定、発音矯正などを行った。また、多くの外国語講座の宣伝もあり、市民はここで申込み手続きをすることもできた。

ペット飼育、携帯電話保有は生活保護を停止

2006-05-21 | Weblog
 生活保護を受ける基準はどこの国でも決まっているはずで、以前、日本でもなんだったか忘れましたが、少し高価な品物を持っているというので、生活保護が取消されたと言う記事を見たように思います。中国では社会保障制度は農村部ではまだほとんどありません。

 パソコンを買ってインターネット、高級携帯電話使用、ペット飼育・・・、3月から4月にかけて、重慶渝中区民政局が初めて、区内の生活保護家庭の収入状況を調べた結果、ぜいたく品を使用したり、家庭収入を隠していたりしていた100余りの家庭の生活保護が取消された。

 生活保護受給者の管理を強化し、「保障を受けるべき人が全て受けられ、受けるべきでない人は断固止めさせる」ために、民生局は各生活保護家庭に入って調査をした。その結果、高級携帯電話を使用したり、住いを貸していたり、高級家電品を買ったり、ペットを飼っている生活保護家庭が100戸以上も見つかった。

 関係法規には、次のようなものは都市の生活保護の範囲に入らないとはっきり書いてある。家庭の1ヶ月の電話代が40元以上、電気水道代が1人平均1ヶ月30元以上、家庭に自動車、バイク、携帯電話(PHSも含む)、パソコン、ピアノ、金庫、瓶入り飲用水の使用、エアコンの使用、ペット飼育。

病院の「サクラ」、診察受付票のダフ屋取締り

2006-05-20 | Weblog
 病院の「サクラ」と言っても日本ではピンとこないのですが、地方から出てきて大きな病院で診察を待っている患者に近づき、騙して、程度の低い、あるいは違法な病院へ連れて行くヤカラのことです。彼等は病院に雇われ、病院が高い金を取った中からコミッションをもらいます。

 それから、日本でも病院で長い時間待たされることがありますが、早く行って診察を受ける手続きを済ませ、その番号札を遅く来た病人に売りつける商売もあるようです。予約制ができれば、これは商売ができなくなります。

 北京市衛生局は公安と共に、積水潭医院、協和医院、同仁医院など8つの大病院で1週間に渡る調査を行い、198人の病院の「サクラ」や診察受付票のダフ屋を捕まえ、内21人を治安拘留、177人は教育してから釈放した。

 また病院の「サクラ」を雇った疑いのある17病院から騙された患者のために6万元近くを取り返し、ブラックリストに載せ、病院名を公表した。市衛生局は、これら17病院に対して、状況に応じて行政処分をする予定。

 病院の「サクラ」の定石は、一流病院の「名医」が診察、治療に来ると言って騙す方法である。北京の医療環境を知らない遠方から来た患者に、同郷人や同病相哀れむ心情、あるいは病院関係者を名目に近づき、患者の信用を得て、他の病院や違法な診療所へ連れて行って、高い料金を取って暴利を貪る。