三面記事から見る最近の中国

気軽に読めるニュースを、バックグラウンドの説明や私の感想を交えながら、紹介します。

新たに2箇所が世界遺産に、だがイエローカードも6枚

2007-06-30 | Weblog
 島根県の石見銀山遺跡が逆転で世界遺産に選ばれましたが、中国も今回2件が世界遺産に選ばれました。だが、開発が猛烈に進んでいる中国では、世界遺産にまで影響が及び、取消されそうになっているのもあるようです。

 昨日、ニュージーランドで開かれた世界遺産大会で、広東の「開平●楼と村落」が世界文化遺産に選ばれた。これは広東省では初めての世界文化遺産である。さらに、雲南省石林、貴州省荔波、重慶市武隆からなる「中国南方カルスト」も世界自然遺産に選ばれた。(●は調の言→石)

 これで中国の世界遺産は総数が35になった。自然遺産が6、文化遺産が24、自然と文化遺産が5つで、世界3位になった。目下世界遺産のトップはイタリアの41、次がスペインの39である。

 今回中国は、麗江古城、故宮、天壇などの世界遺産がイエローカードを受け、その枚数は6枚と最も多かった。世界自然遺産である雲南の「三江并流」で、ダムや水力発電所が建設されている問題が討論にかけられ、来年の大会で再度審査を受けることになった。もし改善がなければ、取消される可能性がある

昆明市民が滇池の水を飲む歴史は終った

2007-06-29 | Weblog
 中国の水汚染は各地で進み、今年は太湖に大量の藻が発生し、無錫の水道に影響が出て大騒ぎになりました。私の近くの公園の池にも緑色の藻が発生していますが、こんな生易しいものではなく、強烈な悪臭を発するようです。滇池は、雲南省の省都・昆明にある大きなきれいな湖で、漁業も盛んだったんですが・・・。

 最近10年近く、滇池の富栄養化が進み、毎年夏になると池は「緑の海」に変わる。今年の夏、太湖の藍藻の大発生があり環境危機への関心と憂慮が高まったが、滇池の藍藻も市民の注目の焦点となっている。

 現地を取材すると、藻を清掃する5艘の船が作業をしていた。4、5人の人が乗って藻の多い水を排水管へくみ上げていた。滇池管理局によると、この船は2001年に投入使用を始めたもので、毎年3月下旬に天気が暑くなり、藻が増えると使用を始める。3月中旬から今までに81.6万立方米の水を抜き取ったと言う。

 10年来、湖の汚染退治をやり、資金48億元を投入し、悪化の傾向に歯止めはかかったが、水質が好転したとは言えず、厳しい状況である。

 幸いなことに、上水道工事が完成し、昆明市民は滇池の水を飲まなくてよくなっているので、藻が発生しても市民の生活用水には直接関係がない。

金を払ったのに昇進の約束を守らず、警官が報復殺人

2007-06-28 | Weblog
 中国語では、賄賂を贈って高い地位につけてもらうことを「買官」といい、長い歴史があり、今でも一部では続いています。18万元は大金ですから、これを受取っておきながら何もしなかった方も問題です。

 今年1月29日深夜、山西省大同市公安局交通警察支隊の宋が、公安局政治部主任李を自宅で殺害した。事件発生後、巷では宋が役職を買おうとして成功せず、殺人に至ったとの噂が流れたが、本当だったことが判明した。

 宋は1997年7月に交通警察支隊の副教導員(副科長級)になったが、ずっと昇進しなかった。宋の自白によると、昇進させてもらうために、李に二度に渡って合計18万元を贈り、見返りに李は2006年末には科長級に昇進させると約束していた。

 だが李はなかなか約束を実現せず、今年1月28日に、大同市公安局が昇進幹部の名簿を発表した時にも宋の名前はなかった。宋は1月29日深夜に李の家へ行き、言い争いになって、殺し、家人も負傷させた。

 宋は年齢が45歳、この年齢では公安では昇進は比較的困難だと言われる。李は55歳、政治部副部長から部長になり、政治部での仕事が長かった。この職務は、公安幹部の抜擢、任用など人事部門の責任を持っていた。

中国人の権利主張: レストランは「栓抜き費」は返還せよと判決

2007-06-27 | Weblog
 中国では去年から、レストランへ酒を持込んだ場合、サービス料をとることで客とレストランの間でトラブルが多発していました。もちろん、店側は安い酒を持込まれると商売に影響するからです。

 その可否はともかく、100元(1,500円)程度のことで裁判を争うというのは、日本では考えられませんが、中国ではこの他にも、高速道路が渋滞で時間がかかったから、高速料を返還せよなどの訴訟がたくさんあります。このあたりの権利主張のやり方は日本とは全く違います。

 消費者王某と湘水之珠大酒楼との間の栓抜き費の争いについて、6月26日、北京市第一中院で最終判決が出て、湘水之珠酒楼の上告が棄却され、一審の酒楼に栓抜き費を返還させる判決が確定した。

 2006年9月13日夜、王某ら4人が湘水之珠酒楼で食事し、その時1本の白酒を持参した。店員が王某にメニューを見せた。食事が終って店は食事費用296元を請求したが、その中にサービス料(すなわち瓶の栓を抜くサービス)100元が含まれていた。

 店のメニューには、客が酒を持込んだ場合、店で売る値段の50%をサービス料とし、店で売っていない酒の場合は100元とすると記載されていた。

 裁判所は、店員が王某に栓抜き費を取るとはっきりと説明した証拠がない、メニューの最後のページに書いてある内容は、消費者が必ず見るものとは言えない、したがって店は消費者の知る権利と公平な取引をする権利を侵した、費用は返還すべきだと判決した。

ニセのヒト血清アルブミンが病院に流入

2007-06-26 | Weblog
 食品や医薬品の問題は中国では非常に多いのですが、今日は薬の話題です。ヒト血清アルブミンといわれてもどんな薬か見当がつきませんが、普通の人がよく行く病院で使われていたということですから、恐ろしいことです。

 でも、日本でもミンチが問題になっていて、鳥インフルエンザで値段が安くなった肉まで混ぜていたと言うことですから、悪いことをして金もうけをする人はどこにもいます。

 吉林の18の病院でニセのヒト血清アルブミンが使われていたことが分った。吉林薬品監督部門の調査では、これらを使っていたのは、当地で規模が大きく、患者が信頼している病院だった。コストが10元余りのニセ薬が市場では300元以上で売られていた。

 ヒト血清アルブミンは「救命薬」と呼ばれ、もし患者がニセモノを使うと命に関わることになる。吉林で発見された2,042瓶のニセモノの内、1,554瓶はすでに使用され、押収したのはわずか431瓶だけだった。中には使用すると過敏反応が起きたり、ひどいとショックになるのもあった。

 こうしたニセ薬を販売、使用していたのは59社におよび、使用していた病院は18で、舒蘭市人民医院、吉林医学院附属医院など、当地では規模が比較的大きな病院も含まれていた。ニセ薬の証明証書は粗雑に作られたニセ証書だったが、どの病院も怪しいことに気が付かなかった。

明時代の沈没船発見 貴重な磁器を満載

2007-06-25 | Weblog
 今、広東省では「南海一号」と呼ばれる宋時代の沈船を丸ごと引き上げる大規模な工事が進められています。(http://plaza.rakuten.co.jp/watam7/diary/200704220000/)引上げ後は「海のシルクロード博物館」で展示される予定ですが、今回は明時代の沈船が発見されました。

 磁器を満載した明代の沈没船が、広東省海域で姿を現し、再び広東の文物考古界にセンセーションをもたらした。“南海二号”と命名される見込み。省文化庁によると「船体は比較的よく保存され、これまでに引き上げられた200点近くの磁器は、宋から明のものである」という。

 潮州は古代の磁器の発祥の地の一つで、唐代則天武后の時代に、ここの磁器はローマ、エジプトへ輸出された。宋代、明代にも非常に栄え、今回の発見は古代の潮汕地区の海外貿易に関する貴重な資料をもたらすと専門家はみている。

 “南海I号”の発見と同様、非常に偶然によるものだった。当地の漁民が、海底に潜ってロブスターを獲っていた時、この“宝藏”を発見し、一部の漁民が密かに文物を引き上げていたという。

 当地の警備隊に、文物を引き上げているとの通報があり、すぐに出動して117点の古代磁器を押収した。福建省の“碗礁一号”のように大規模な盗難事件にならないように、24時間監視を行い、不明な船が10分以上停泊するとすぐに出動している。

公共資金を「ロンダリング」して、株式売買 上海市場には63億元の敏感な資金が流入

2007-06-24 | Weblog
 今の中国の株式の値上りには、このような公共資金の違法な運用も関係しているんですね。でも今の株高で大もうけしたケースも多いはずですが、その利益はどこへ行くのでしょう?

 国家は、公共資金が直接株式市場へ流れることを禁止し、国債を買うことしかできない。それで社会保険基金や教育資金など敏感な資金は、国債を抵当にする方式で、資金をロンダリングしてから市場に投資する。

 「これらの資金の運用は完全に証券会社の誠実さに依頼し、株が下がれば非常な損失を蒙る」、19日、上海市高級人民法院斉副院長は、大きな数字を示した。2003年から2006年の間、上海の高級、中級法院が審理した証券トラブル317件の内、敏感な資金に関するものが105件、金額は63億元に上った。

 2004年1月、華東師範大学が3,000万元を、銀河証券に委託して国債に投資した。当時、銀河証券は元金保証、収益率7%を保証し、株式に投資し、最後には資金1,400万元、収益105万元を償還しただけであった。この他にも、教育資金、建物補修費、信託資金、国有企業資金、公共事業資金など敏感な資金の例がたくさんあるという。

実用型磁気浮上鉄道の試験線建設へ

2007-06-23 | Weblog
 上海・浦東地区にはドイツから導入した磁気浮上列車が営業運転していますが、その後の杭州への延伸はストップしています。中国国内でもいくつかの大学や研究機関が各種磁気浮上列車の研究を進めています。

 我国は3年以内に長さ1.5キロの磁気浮上列車のモデル試験線を建設し、磁気浮上列車の研究開発を進める。中低速度磁気浮上交通技術で、北京控股磁気浮上技術発展有限公司が担当する。目標は2010年までに1.5キロのモデル試験線を建設し、線路は時速100キロの運行速度を満足するものとする。

 列車の最高試験速度は時速100キロ以上とし、車輌には1両当り12トン以上乗せられるようにし、負荷と自重の比は国際的な先進レベルを目指す。運行制御システムと供電システムを開発し、磁気浮上列車の安全運行を保証する。特許申請は12項。

オリンピックまでには「北京牌」ブランドの乗用車

2007-06-22 | Weblog
 まだまだ中国の自動車の自主開発能力は弱いのですが、どの会社も開発力強化に力を入れています。本当に実力のある会社が出てくるかもしれません。

 「北京牌」の「牌」は商標、ブランドという意味ですから、ちょっとおかしいような気もしますが、北京のブランドを作りたいという気持ちは伝わってきます。

 北京汽車ホールディングの董事長・徐和誼は、来年4月に開かれる北京モータショーには自主ブランドの乗用車を出品すると発表した。

 今年最初の5ヶ月間、生産販売台数は30万台で、3%も伸びなかったが、売上と利益はそれぞれ278億元、7.7億元で、同期比65%、54%の伸びとなった。この高い利益は自主ブランド車が貢献したもので、高付加価値、高い技術の自主ブランドが市場で認められたものである。

 「来年発表する自主ブランドは『北京牌』と名づける」と董事長は発表した。今後は乗用車であれ、SUVであれ「北京牌」ブランドを使用する。核心競争力を強化するために北京汽車は汽車研究総院を設立する計画で、2010年には商用車、SUV、乗用車など各種自主ブランドの車を総販売量の60%以上にする計画である。

インドで高温、軽犯罪者は監獄から釈放

2007-06-21 | Weblog
 中国の記事を取り上げているブログで、インドの記事はおかしいのですが、この記事は中国のサイトで見ました。

 今年は梅雨になっても余り雨が降らず、しかも今年の夏は暑いと予報されているので、水不足が今から心配です。それでこんな記事が気になります。

 インドのティハール監獄(Tihar Jail)は、高温で耐え難いので、比較的刑罰の軽い犯人627人を釈放すると発表した。このような決定をしたのは、6月初めに数日間高温が続き、多くの人が死亡したからである。