三面記事から見る最近の中国

気軽に読めるニュースを、バックグラウンドの説明や私の感想を交えながら、紹介します。

車を傷つけずに盗む方法が増加

2007-12-31 | Weblog
 日本のニュースでも、電子ロックを破られて車が盗まれたという記事を見ましたから、こうしたやり方がはびこっているのでしょう。中国でも高級な車が増えていますから、持主は安心できません。

 「数分も経たずに、しっかり鍵を掛けた車が盗まれる」、最近、自動車の盗難防止システムを破る事件が浙江省、山西省で出現した。この種の「車に傷をつけないで盗む」方法がインターネットの話題になっている。

 こうした暗号解読器は主に広州、深センなどから供給されている。12月13日、記者は上海の購入者を装って広州で、実際に鍵を外す実演を見た。大部分の国産車はこのシステムで簡単に破られ、こんな解読器が流通すれば、どの車も安全でなくなってしまう。

 販売員によると、注文は主に広東、広西、湖南、福建からきており、上海からの注文はまだないという。「上海でなら安心して使えるよ、まだ事件が起きてなくて、みんな知らないからね」。だが、深センの店では先月上海から注文があったというから、上海でもこの方法による車の盗難が起きるかもしれない。

 専門家は、電子設備だけでは盗難防止は非常に難しく、やはり物理的盗難防止が有効だという。それを外すには力を加える必要があり、どうしても大きな音が出る。一般に車を盗む人はそんな危険を犯さないから。

北京で哺乳動物の新種を発見

2007-12-30 | Weblog
 北京といえば大都市のように思いますが、北京市の面積の大半は農村や山です。大きな山があり、鍾乳洞も石花洞のような大きな規模のものがあり、小さな洞窟はいっぱいありますから、蝙蝠もたくさん生息しているのでしょう。

 上海華東師範大学張樹義教授の研究グループが、最近、北京房山区の太行山地で蝙蝠の新種を発見し、耳が大きいので「北京寛耳蝠」と命名した。翼手目蝙蝠科の中の非常に小さな属で、これまでは欧州寛耳蝠とアジア寛耳蝠しか知られていなかった。

 これまでのところ、北京房山区の洞穴とトンネルの中でだけ発見されているが、この蝙蝠が住んでいる洞穴は非常に少ない。張教授は、北京市政府はこの蝙蝠と数年前に発見された食魚蝙蝠、大足鼠耳蝠のために自然保護区を設置し、住んでいる洞穴を保護するよう提言している。

「蟹尽し」で満腹したノラ・ジョーンズ、「1週間は蟹は食べないわ」

2007-12-29 | Weblog
 上海蟹の季節です。私も何度か食べましたが、食べるのが面倒で、美味しいとは思いましたが、何が何でも食べなくちゃというほどではありませんでした。

 王家衛というのは、黒眼鏡をかけた中国の男優ですが、ノラ・ジョーンズは言うまでもないでしょう。

 王家衛は一昨夜、ノラ・ジョーンズに上海蟹をご馳走するとの約束を果した。初めて上海蟹を食べたノラ・ジョーンズは取材に対し、とても美味しかったけど、食べるのが面倒だったといい、笑いながら「たくさん食べ過ぎたので、1週間は蟹は食べないわ」

 王家衛が、ノラ・ジョーンズに本物の蟹を食べさせようと選んだのが有名な新光酒家だった。ここのマネージャによると、王家衛は常連客で、最近3年上海へ来るたびに必ずここで上海蟹を食べているという。

 今回彼が選んだのは1人850元の「蟹尽し」メニューで、醉蟹、清炒蟹鉗、蟹粉魚翅、蟹みそなどの料理を含み、さらに一行7人にそれぞれ一匹ずつ蟹をつけ、6,000元余り払った。ノラ・ジョーンズは、どれも美味しかったけど、最も忘れがたいのは一匹丸のままの上海蟹で、「食べるのが大変厄介だったから」だという。

世界最大の観覧車「天津アイ」のリングがつながった

2007-12-28 | Weblog
 大きなもの大好きの中国らしい話題です。天津へはもうずい分行っていないのですが、変わっているようですね。観覧車といえば、いま北京でも建設中で、確かこれが完成すれば世界一だと書いてあったと思います。

 2007年12月17日午後、天津永楽橋観覧車の回転部分の最後の部品が取り付けられ、リングがつながり、迫力のある「天津アイ(天津之眼)」の眼が完全に開いた。

 直径110メートル、最高点では地面からの距離が120メートルになり、35階建てのビルの高さに相当する。40キロに及ぶ範囲を見渡すことができ、名実共に「天津アイ」となる。イギリスのテームズ河畔の世界最大と称するロンドンアイを超えて、世界第一となる。

帰省客が待合室で爆睡、盗賊の狙い目に

2007-12-27 | Weblog
 出稼ぎ者が帰郷する時は、たいてい稼いだ金を現金で持って帰るので、狙われやすいという話を何度も聞きますが、なくならないようです。銀行の手続きが面倒なのか、手数料が高いのが嫌いなのか、あるいは現金をポンと見せたいのでしょうか。

 新年が近づき、1年間出稼ぎした人たちが続々と帰郷しつつあり、北京駅と北京西駅の待合室ではいたるところで熟睡している人の姿が見られる。身につけた大金の甘い汁を吸おうと盗賊が狙っているのも知らずに。

 12月8日の夜、北京西駅の第3待合室で、30歳の河南省籍の男が、一人の客が爆睡しているのに目をつけ、こっそりと近づいて、腰につけていた携帯電話を盗んた。だが、この男は後ろから警察がつけているのに気付かず、すぐに捕まった。

 12月7日の夜中2時45分、北京駅の3人の私服警官がスリ取締りをしていて、様子のおかしい若い男を見つけた。その男は陝西省の若者が熟睡している隙に、そばに置いていた旅行カバンを持ち去った。ちょうど待合室を出たところで私服警官に捕まった。この旅行カバンの中には現金600元と衣類が入っていた。

 北京鉄道警察は、一年来の苦労をして溜めた金は、できるだけ現金で持たないようにすること、待合室で休憩する時は、同行者と順繰りに見張りをすること、一人の客は十分な休息を取ってから出かけ、眠り込んで財産の管理をおろそかにしないよう注意を呼びかけている。

株主大会で、中小株主が独占国有企業はケチ過ぎると大騒ぎ

2007-12-26 | Weblog
 数年前から株式改革が進められていますが、今も古い制度のままで、非流通株の株主が絶対支配をしていて、流通株の株主の利益が損なわれている場合があります。この説明は長くなるので省略します。

 怒鳴りあい、押したり引いたり、負傷・・・、12月13日、上海石化の2007年臨時株主大会が深センのシャングリラホテルで開かれたが、思いもよらず、株主が現場で騒ぎ、もう少しで大立ち回りになるところだった。

 「私の手が上海石化の保安に引っかかれたのよ、まだ血が出ているわ。女にまで手を出すなんて!」と遠くから参加した潘さんは怒った。投票が終った後、係員が投票箱を外へ運び出して票を調べようとし、現場の大部分の株主が強烈に反対し、大混乱になったという。

 流通株の株主がこれほど激昂したのは、上海石化とその大株主中国石化のこれまでのやり方だった。「中国石化が香港市場に上場する時上海石化を私有化すると約束し、そうなると流通株の株主にも利益が還元されるはずだったが、何ら音沙汰がなく、これまでに配当を受けたこともない」

 「上海石化も中国石化も大変ケチで、中小の流通株の株主に利益を与えようとしない」のが、不満の根本原因である。そして上海石化の株が22.49元から現在の15.26元に下がり、損が出たため、腹立ち紛れに今度の騒ぎとなった。

ビールが7年来の値上げ 主要原料の輸入大麦が50%近く値上り

2007-12-25 | Weblog
 日本でもビールの値上げが報道されていますが、物流がグローバル化されている今では、どこか一箇所の問題が即時に全世界に波及しますから、中国でも値上げになって当然です。

 ただ、それでも中国のビールは日本の値段に比べて非常に安いのです。下の記事の値段をご覧ください。これは缶ビールの値段で、瓶ビールはもっと安いのです。やはり日本の酒税が高すぎるのでしょうか。

 このところビールがひっそりと値を上げており、上海では7年目の値上げになる。スーパーや酒類販売店で見ると、年末の各種売出しが行われている中で、多くの種類のビールの値札が知らぬ間に交換され、国産でも輸入品でも、売値が0.1-0.2元上がった。

 易初蓮花チェーンで見ると、ハイネケンの330ml缶ビールが5.9元、カールスバーグ335ml缶ビールが5.2元で売られていた。店員によると、数日前まではそれぞれ5.8元、5.1元だったという。その他のバドワイザー、青島、サントリーなど、それに瓶ビールもほぼ全て値上りし、0.1-0.2元上がっている。

 市醸造業協会の秘書長によると、2000年以来、ビールは値上げしたことはなかったという。今回の値上げは、大麦の主要輸出国オーストラリアが旱魃などの災害を受け、収穫が減ったため輸出価格が大幅に上がったためだという。現在の輸入価格は同期比50%近く値上りしており、国産大麦の価格も同じく10-20%上がっている。

大学教師になるには企業で働かねばならない制度に賛否

2007-12-24 | Weblog
 工学系の大学教師が企業で実際の状況を知ることはいいことのように思えますが・・・。

 上海第二工業大学の若いポストドクター田浩彬は、半年前に「青年訪問技師」として上海匯衆汽車製造有限公司へ派遣された。同大学は新しい規定を作り、教師は必ず企業に行かなければならず、それを昇級の必要条件とし、来年は全ての教師に対し実施することにした。

 この「青年訪問技師」計画は、先ず機電、電子、コンピュータ、環境、経営の5学院の専門課程教師に対し試行しており、教師がテーマを持って企業へ行き、半年は学校の仕事を離れるが、待遇はそのまま。

 同大学副校長は、「現在の教師は普段企業との接触が非常に少なく、一般に机上の理論ばかりで、教育を受けた学生は企業の期待から遠い。それで専門の教師を第一線に派遣することにした」

 半年間の試行で、多くの教師は収穫が非常にあったという。田浩彬は、企業での半年は、自分の職業生涯の中の貴重な1ページで、大学へ戻って授業すると非常に的を得ていて、学生から歓迎される「キャンパスのスター」になったという。

 しかし、この制度は余りにもガチガチで、企業へ行って鍛錬するなら、学校の仕事を離れなくても、あるいはプロジェクト参加のような形で短期的にやることができるし、昇進の条件にすべきでないと反対の意見もある。

韓国が“世宗学堂”を西安外国語大学に設立

2007-12-23 | Weblog
 韓流ドラマは中国でも人気がありましたから、韓国語を勉強しようという若い人が多いのかもしれません。中国も中国語、中国文化普及のために「孔子学院」を世界中に500箇所作る計画を進めています。日本はどうなっているんでしょうか。

 12月12日、韓国の“世宗学堂”が西安外国語大学に設立され、韓国の西安総領事館金領事ら関係者が開幕式に出席した。

 世宗は朝鮮王朝第四代国王で、ハングル文字を作り、韓国民族の言葉を作るのに貢献したとして、韓国では世宗大王と尊称されている。

 “世宗学堂”は無料の韓国語普及の学校で、韓国文化院、韓国駐華大使館、韓国駐西安領事館が支持し、目的は言語教育を通して韓国の言葉と文化を伝えることである。300人を採用する予定だったが、すぐに申込みが満員になり、大多数は大学生だった。

末席淘汰制度には何ら法律の根拠がない

2007-12-22 | Weblog
 来年の1月1日から新しい労働契約法が施行されますから、関係部門の役人が啓発活動をしています。

 中国では末席淘汰という制度が一部にあるようです。成績が最低の何パーセントかを毎年強制的に辞めさせるというものです。本当に実行されているのかどうかは知りません。

 だいぶん前に、北京大学が末席淘汰制を取り入れて、毎年成績の悪い学生をいくらか退学させると言い出して、話題になりました。その後、この続きは聞きませんから、いくらなんでもそんな馬鹿なことはやっていないのでしょう。

 富士康科技集団の労働契約法論壇に出席した国家労働と社会保障部労働給料司の副司長は、多くの組織、企業が行っている末席淘汰制には法律的根拠がなく、労働契約法の中で企業が契約解除できる事情には末席淘汰制は含まれていないと述べた。

 査定に合格しないというのと、任に堪えないというのは別のことで、査定が末席だというだけで、企業が一方的に労働契約を解除するのは合理的でない。労働契約を解除できるのは、労働契約法第4章に列挙した状況の場合だけで、もし社員の査定が悪ければ、企業は仕事を変えるとか、教育して再びやらせるべきだと述べた。