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明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

オバマ大統領が広島に来たからって何も変わらない

2016-05-15 20:30:36 | ニュース
世間では話題の中心が謝罪に集まっているようだが、結論から言うとこれはあくまでオバマ大統領の個人的な行動であって、アメリカ国民を代表して広島で何かすると考えてはいけないと思う。

今更ながら「全世界に向けて核廃絶のメッセージを」なんて、何の意味がないし現実的でもない。要は核を持っている国がそれを廃棄するかどうかだから、核を持たない国(日本など)にこの問題の決定権は無い(色々言うのは自由だが)。核を持っている国はほぼわかっている(公式に持っているとされている国とそれ以外の国=例えばイスラエル)のだから、核保有国同士で集まって具体的な廃棄計画を皆で相談するのが筋だろう。実際にも集まっているようだが核にも色々あって、破壊力の大きいICBMから戦術核と呼ばれる破壊範囲の小さなものまで多様であるからそれらを全て段階的に削減する事になるのだが、しかし核保有国がその保有実態など明かすはずが無いから、削減計画の進みようがないのは自明である。

そもそも核兵器を人類が開発した段階で全面戦争という選択肢は無くなったのだから、使うの使わないの言っても実際には「使えない」のが正直なところである。もし使って結果的に相手国を全滅させたとしても、放射能で汚染された相手国の土地をどうしようというのか。得るものは何も無い。万一あるとしたら、相手国からの脅威を取り除いたことぐらいだが、他国を消滅させたら経済にとって一番の金づるである消費者を根こそぎ灰にする事になり、世界の国から滅茶滅茶批判されることはミエミエである。実際問題は、核なんか使わなくたって、いくらでも方法はある。

現実に目を向ければ、北朝鮮から見た場合は米国が明白な脅威として存在するが、韓国・日本は北朝鮮から見れば大した脅威では無いので対象外だ。しかし米国を核爆弾で消滅させることは難しく、その前に北朝鮮自身が地上から消滅させられてしまうリスクを考えると、国の存亡をかけて蜂の一差しを浴びせるのがせいぜいであるのだが、北朝鮮は得るものが無いので余程追い詰められでもしない限り核は使えないだろう。北朝鮮の核は、使うチャンスは無いと言える。だから韓国・日本は北朝鮮の核攻撃については、無視して良いだろう。もし、あるとすれば北朝鮮が韓国や日本に攻め込まれて金ジョンウン他、軍部のトップが根こそぎ殺される事態になって、最後の一撃という形で核攻撃される場合である。

この対策には、次のルールを世界の核保有国が守ることで十分である。

①核を最初に使用した国は、他の核保有国から総攻撃を受けて消滅させられる(使用の抑止)

②戦争しても相手国を占領・属国化してはならず、敗戦国の市民の自治を奪ってはならない(敗戦の自由)

つまり、核を使ったら自殺行為であることと、負けても奴隷のように扱われることは無い、という2点である。これなら余程の狂人でない限り、核を使おうなんて考えないであろう。

で、オバマ大統領の広島訪問だが、戦勝国のアメリカが敗戦国の日本に何かする事があるとすれば、無差別爆撃による非戦闘員の犠牲に対して哀悼の意を表明する事だが、これは広島だけではなく沖縄でも東京でもあった事であるから、オバマ大統領の真意が「原爆の使用」にあることは明らかである。が、果たして戦闘や爆撃による犠牲は構わないが原爆による死は「非人道的」である、と言えるのかどうか。特攻による死は非人道的ではないのか、竹槍攻撃を訓練していた日本人は戦闘員では無いのか、一億玉砕を叫んでいた軍部のお偉いさんは非人道的では無いのか。時代がそうだったと言えばそうだが、如何に当時の日本人が前時代的な滅私奉公の美学に酔いしれていたかがわかるのである。

オバマ大統領が原爆投下の罪の贖罪を求めて広島で何かやらかすつもりだとしても、立場が違っていれば日本は何の躊躇もなくアメリカに原爆を使用したのだから、全然謝る必要は無いですよとでも言っておけばいいのじゃ無いかな。日本が被害者であるかのごとき態度は許し難いという韓国・中国の意見は正しい(余りにも嫌みな意見で、評判は良くないが)。

本当に広島を忘れないというのであれば、原爆によって失われた尊い命だけでなく原爆が落ちなかったら一体あとどれほどの命が「負け戦」の中で無駄にされていたかを思い、むしろ原爆に有難うというべきでは無いのか(逆説的な意味でである)とも言えるのである。

原爆を落とされてもなお戦争を続けようとした人々が指導部の中にいたという事実をこそ「忘れない」と言うべきである。私は広島・長崎の原爆慰霊祭を評価する人々とは一線を画す立場に立つ者の1人として、戦争反対を訴えたい。

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