明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

柏の謎の喫茶店

2017-11-26 20:45:00 | 今日の話題
家の近くに「雨の日の喫茶店」という店がある。バス通りに面していて一面に大きなガラスがはまっているので、中がよく見える。5人も入ったら一杯になるような小さな店だが、何故だかいつも客が絶えない。しかも彼等はどういうわけだかコーヒーを飲みながらスマホをいじるとか本を読むとか友達同士でお喋りを楽しむとか、そういう普通のお客のする事を一切していないのだ。ただ店のマスターと何かお喋りして笑っている。何を喋っているのだろう。中年の夫婦や若いカップルやオタクっぽい学生、自転車で来たアスリート、赤ちゃんを連れたママ、OL、ひねた中学生、色々だが皆マスターと仲良しらしい。何でだろう?

この店の前を通る度に中を覗いてみるのだが、何時も誰かしら客がいて、必ずマスターと楽しそうにお喋りしているのだ。何を話しているのか分からないが、店のマスターは50位の特に魅力的でもない特徴の無いオッサンである。私は考えた、これはきっと宗教関係のアジトに違いない。あるいはオウム教みたいな宗教の「信者」を集める出張所かもしれない。何れにしろ、胡散臭い匂いがプンプンする「おかしな店」である。私は店の前を通るとき、ここのマスターとはなるべく目を合わせないように注意しているのだが、ある時「角を曲がった時に、出会い頭に鉢合わせして目が合ってしまった」のだ。

マスターは恐ろしく暗いダークグレーの目をしていて、目は決して笑わないのに唇だけは薄笑いの半開きでゆらーりとこちらに歩いてきた。私は、一度見たら決して忘れない「背筋も凍る連続殺人鬼」に違いないと確信した。、マスターは何か言っていたが私は適当な言葉で返して、すぐに逃げるようにしてその場から離れた。しばらくしてから振り向いたが、マスターはもう店に入ってしまったのか姿が見えない。「まずい、顔を覚えられたかな」。私はちょっと心配になったが2、3日経って何ともないので、今は前の通りに店の前を通りすぎて駅まで行っている。相変わらず店は繁盛しているが、マスターの話術の魅力が「何処にあるのか」は、未だに確認は出来ていない。

このマスターが何故これらの種々雑多な客層を引き寄せることが出来るのか、なんとも不思議な「謎解きに誘う」喫茶店である。

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