『ポワロ』

長い間作られてきたアガサクリスティ原作の、イギリステレビシリーズが終了してしまいました。

とても残念です。

原作の全てを演じきった主役のデビットスーシェに敬意を表します。

ここからは最終話についてです。

まだご存知のない方は、ここから先はご覧にならないようにお願いします。




最終話ではポアロは病死してしまいます。
しかもあれほど犯罪を憎んできたポアロが、殺人を犯すのです。
しかも拳銃で犯人の頭を撃ち抜くのです。

それまで何年もかかって作り上げてきたポアロというキャラクターを崩壊させる行為です。

『オリエント急行殺人事件』での高潔なポアロが悩み苦しむ姿とは真逆の行いです。


原作者のアガサクリスティは、最終話を書いて金庫に封じ込め、指定した日まで開けないよう指示していたとのことです。

これはポアロを使って、アガサクリスティの本音が表されているように思えます。

実際には手を下さないが、明らかにトラブルの原因を意図的につくりあげ、それを生業や生きがいにしている者たちへの鉄槌、、、、

いざこざやトラブルを起こしそれを煽り、多くの人々を扇動し、戦争のきっかけまで作ってしまう事も。

そしてそれらを食物にして楽しみながら生活している者たち。

そんな存在に、大切なポアロを使って鉄槌を下したのではないかと思うのです。

よっぽどの怒り、憤り、悩みがあったのでしょうね。

病死したポアロもアガサクリスティ本人と被ります。

他人の不幸をネタにしている人達の存在なら、知ってはいても無視ぐらいできます。

しかし、他人を不幸に陥れそれを楽しんだり生業にしたりしている人達は気をつけてください。

ポアロだって拳銃を握るのですからね。