和翠塾ブログ

目黒都立大にある書道教室「和翠塾」のブログです。

大晦日になりました

2009-12-31 09:37:12 | 日記
早いもので、もう大晦日になってしまいました。
しかし、今年は早かったですね。


時代の大きな流れに抗いながらも、結局は軌道修正ぐらいしか出来ず、流されてしまった一年だったような気がします。


そんなあわただしい一年でしたが、それだけに大切なものがはっきりと見えた年でもありました。


全ての行動や思考の基準が、『豊かな心を持つことに繋がるのかどうか?』ということが、私の中で明確になりました。


そのためには、公私にかかわらず、虚飾を省き物事の本質を見極めることが重要ではないでしょうか。


本質と特質や特徴を間違えてしまわないように注意したいところです。


全ての学問が目指すところは、『人間はどこからきてどこへ行くのか』にあると思います。

ある者は物理学で、ある者は哲学で、そしてある者は絵画や彫刻で、同じ目標を何千年も目指してきたのです。

ではなぜそんな思考行為が永遠と続いてきたのでしょうか。

それは自身を含めた『人間』そのものが、一番面白い対象だからではないでしょうか。


わたしは書道することの目的も、すべての学問と同じ目標に近づくことだと思っています。


座禅を組むことも、まっすぐな直線道路をバイクでゆったり流すのも、 スキューバダイビングで海に潜り脳を浮遊させるのも、もちろん書道することも、すべて無心状態をつくって心を無限大に大きくさせながら、自由に遊ばせることだと思っています。


『無心』は『有』を生み出すのです。

『無心』はブラックホールであり、ブラックホールは全てのエネルギーの源です。
そしてそのブラックホールは、外宇宙だけに存在するのではなく、人間ひとりひとりの心に作り出すことができるのです。


『無心』はぼーっとしていることではありません。
もっと能動的です。


皆さんも書道することで、一瞬でもその『無心状態』を感じたはずですし、そこが書道の奥深い魅力でもあるのです。


皆さんが筆を持ち姿勢を正して紙に正面から向き合うとき、それは文字を使って紙に『宇宙』を作り出すことなのです。


『無心』にならねば、自身の中にブラックホールは出来ず、宇宙創造のエネルギーは得られません。
書の作品をつくる時、その状態は必須です。

ですから書の作品作りは、格闘技のように体力と精神力を消耗します。

お能の舞い手があまり動いていないのに汗だくになってしまうのと同様に、『無心』になるたもに必要な呼吸で消耗するのです。


だからこそ、ディテールばかりにとらわれず、まずは『無心』になって一気に書き上げることを目指してみましょう。


具体的には墨つぎで、張り詰めた緊張状態を緩めめてしまわないよう心がけましょう。

墨つぎでの呼吸で『気』を抜かないようにしましょう。


墨の香りに包まれながら墨をすっていると、色々と瞑想できますよね。

ぼーっとしたり、直ぐに書き出したいために力まかせに早くすってはいけません。

なぜなら、性急にすった墨色はよくないこともありますが、そのような墨すりでは、表現者になっていない状態で紙と向き合っても、よい作品はできないからです。

ざっくりですが、ここが習字と書道の違いでしょうか。


自身を客観的に観察し、墨すりや正座などいくつかの儀式を経て、内側にあるエネルギーを引き出し、それを紙に白黒という対極化した世界で表現する。

それでこそ『心』が解放されるのではないでしょうか。

勝手なことばかり述べてしまいました。
刺激や参考になれば幸いです。


来年も皆さんと一緒に『書道』と『書』を楽しみたいと思います。


みなさま、よい年をお迎えください。

盛り上がりました~

2009-12-27 00:24:55 | 日記
7時に乾杯してから気がつけば11時!

片付けていたら12時近くに~

時間たつのが早い忘年会でした!

塾生の皆さん一年間ご苦労様でした。

来年もしっかりお稽古しましょう。


書道の神様に感謝します!

来年も感動できる一年でありますように。


今日の漢字は『酒宴』
楽しい雰囲気だしていきましょー