子どもの頃から、『凄いなぁ』と密かに思ってきた人が二人います。
密かにと言うのは、本人に気持ちを伝えた訳でもなく、本人の名前すら知らないからです。
一人は町にひとつの特定郵便局に勤め続けた女性です。
小学生の頃初めて出会ったその人は、窓口業務に就いていました。
たまに切手を買いに行くだけでしたから、一年に一度見かけるぐらいでした。
古い郵便局は暗くて油の匂いのする、夏暑く冬寒い建物でした。
そこで毎日働いているのかと思うと『大人って凄い!』と感じていたのです。
大人になると郵便局に行く用事もなくなり、その人の記憶は片隅に追いやられていきました。
三年程前、30年ぶりぐらいに郵便局に行った時、その人は窓口にいたのです。
子供のころの記憶と変わらずに、そこにいらっしゃったのです。
凄さの記憶は今につながりました。
数ヶ月後、彼女の姿が見えなくなりました。
思い切ってその人の消息を新しく窓口に就いた方に聞いてみました。
定年退職なさったとのこと。
良かった。
彼女は仕事を全うしたんだ。
こどもの頃に感じた凄さは、さらに輝きを増して私の忘れられない記憶になったのです。
さて、もう一人のお話しは次回に。
杉山
密かにと言うのは、本人に気持ちを伝えた訳でもなく、本人の名前すら知らないからです。
一人は町にひとつの特定郵便局に勤め続けた女性です。
小学生の頃初めて出会ったその人は、窓口業務に就いていました。
たまに切手を買いに行くだけでしたから、一年に一度見かけるぐらいでした。
古い郵便局は暗くて油の匂いのする、夏暑く冬寒い建物でした。
そこで毎日働いているのかと思うと『大人って凄い!』と感じていたのです。
大人になると郵便局に行く用事もなくなり、その人の記憶は片隅に追いやられていきました。
三年程前、30年ぶりぐらいに郵便局に行った時、その人は窓口にいたのです。
子供のころの記憶と変わらずに、そこにいらっしゃったのです。
凄さの記憶は今につながりました。
数ヶ月後、彼女の姿が見えなくなりました。
思い切ってその人の消息を新しく窓口に就いた方に聞いてみました。
定年退職なさったとのこと。
良かった。
彼女は仕事を全うしたんだ。
こどもの頃に感じた凄さは、さらに輝きを増して私の忘れられない記憶になったのです。
さて、もう一人のお話しは次回に。
杉山