和翠塾ブログ

目黒都立大にある書道教室「和翠塾」のブログです。

1006字

2015-05-19 07:21:56 | 日記
小学生が習う漢字の数1006字に、それぞれ音訓読みがあり、それに日本語を学ぼうとしている中国人が驚愕しているとの記事がありました。

確かに『明』の音読みは
『ミョウ』『ミン』『メイ』
そして訓読みで
『あかるい』

でも音読みの
『ミョウ』は呉音
『ミン』は漢音
『メイ』は唐音
で、中国からそれぞれの時代に渡来してきた読み方なのです。

その読み方は宗教によって伝わってきたのだと言われています。

『和尚』をしらべてみると、
真言宗では『ワジョウ』と呉音で読み
天台宗では『カショウ』と漢音読み
禅宗、浄土宗では『オショウ』と唐音読みするのだそうです。

しかし、多くの仏教用語は古くから伝わってきた呉音読みなのだとか。

知りませんでした、、、、

その後、呉音は仏教用語や日常語として定着し、漢音は儒学で使われ、近代日本では西洋語の翻訳に漢音をつかった和製漢語が用いられたようです。
唐音は禅宗で用いられましたが、その他には『椅子』『布団』など、中国から入ってきた物品名にあてられたのだそうです。

『提灯チョウチン』
『行灯アンドン』
『暖簾ノレン』
もだそうです。

古今の中国人の名前の読み方は漢音読みだそうです。

『停止』は江戸時代まては
『チャウジ』と読んでいたそうですが、
明治の改革で
『テイシ』と漢音読みになったそうです。

『文書』は呉音の『モンジョ』から漢音の『ブンショ』になったのだとか。

『古文書』になると今でも『コモンジョ』と読みますね。

調べるとこれは奥の深い学問対象であることがわかってきました。

日本人が使っている漢字に、中国の歴史や中国大陸や朝鮮半島を経由して渡来してきた宗教や文化が詰まっているんですね。

日本人でさえわかっていない事が多いのですから、日本の漢字を学ぼうとする現代中国人の苦悩は大きそうです。



日本はアジア文化の吹き溜まりというか、タイムカプセルと言うか、漢字の読み方だけでなく、雅楽や宗教、建築物など多くのアジア文化が、当時のままの姿で継承されてきた歴史があります。


古い物は大切にして伝えていきましょう。


最新の画像もっと見る