感想:劇場版SHIROBAKO

2020-03-01 12:00:02 | 劇場アニメ


公式サイト


観てきました!!


「アニメを作るアニメ」として最高の出来だったSHIROBAKOが
「劇場アニメを作る劇場アニメ」に!!

中盤まで制作していたアニメがお蔵入りになったせいで
会社ごと傾いた武蔵野アニメーションが、
劇場アニメ制作へ向けて以前のスタッフを集めていく。


作中は現実時間に合わせていきなり4年後!!
でも人物の顔がほとんど変わってない!!
宮森とか過労で超絶劣化しててもおかしくないのにw
年齢不詳のゴスロリ様もまったく変わってなくてなにより。
昼食で自宅に戻って作り置きのカレーを食べていた
アニメーターの絵麻ちゃんは作画監督にランクアップして
結構まともな生活ができてて泣くほど嬉しかった!



しかしまあ、序盤からアニメバブルが弾けた今のアニメの自虐だらけで
たった数年でここまで状況が変わってしまったのは
アニメファンとしても非常に悲しい。
夢を作る仕事なのに夢がないというクリエイター側の視点が
実にリアルで同情してしまうな…。



TV版が神だったのは本当に絶望しかない状況から
一筋の光明を掴むという池井戸潤ばりの逆転劇が
究極のカタルシスを生み出してた点。

今回は万策尽きるようなギリギリ感こそないものの
「バラバラになった仲間を集める」という少年漫画展開の熱さ。
集まるスタッフもTV版から久しぶりに見る面々で
「そういやこんな人もいたよなー」と嬉しくなる。

モデルになった実在人物がいるキャラもいるけれど、
リアルとデフォルメをうまくアニメキャラとして落とし込んでるのは
流石だなぁと5年越しに感心。



アニメ制作の現場を見れるのも相変わらず楽しい。
個人的にはアニメを観るときは脚本を気にする比重が高いので
脚本を考える打ち合わせの場面が非常に面白かった。
ベテラン脚本家も若手にアイデアを出してもらったりするんだなー。


そして「ラストシーンが気に入らないので作り直す」という
クリエイターの矜持にもとづいた展開!!
今のアニメでどれだけのスタジオにこんな無茶ができるんだろう。

劇中アニメのクライマックスシーンをまるまる流して
「アニメというメディアはこんな表現ができるんだ!」という無言の主張。
ジャパニメーションは職人の誇りで成り立っているというのが
痛いほど伝わる出来だった。
まだまだAIに替わられるような仕事ではないな…。


今のアニメは映像技術が上がっているにもかかわらず
ひとつひとつの作品のクオリティがひどかったりするのは
こういう裏側を見せられると本当に仕方がない部分もあるね。

それを観て無責任に文句をつけているだけの我々は
文句と同時にリスペクトを常に持たねばならん!!



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