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感想:ガラスの花と壊す世界

2016-01-21 14:57:59 | 劇場アニメ


公式サイト


観てきました!!


舞台は「ViOS」なるシステムの内部。

世界の歴史や文化のバックアップを集めた「知識の箱」。
ウイルスに感染したファイルを削除する使命を帯びた
アンチウイルスプログラムであるドロシーとデュアルが主人公。
そして、ある歴史を消去した際に「リモ」という謎の少女が現れる。



ウイルスの感染をチェックするためにその世界の住人になって
感染が発覚した時点で世界ごと抹消しなければならない。
当然、住んでいた世界の人々との永遠の別れが発生するわけで、
「感情を持たないプログラム」という設定なのに
最初からバリバリ感情丸出しなのはどうかな…。


あらゆる世界のバックアップを好きに引き出せるので
作中の素材自体は実質無限のようなもの。
様々な歴史・風景の中を3人で遊び回る描写はいかにも映画的。

キャストはメインの2人が佐倉・種田と安定の実力派に対し、
リモ役はあまり馴染みのない花守ゆみり。
劇中歌を華麗に歌いきってたのが印象的だったし
演技の幅もかなり広かったので今後けっこう売れそう。
「ローリングガールズ」の千綾役も良かったしね!


最初からメディア展開を狙った「アニメ化大賞」の大賞受賞作ということで
おそらく原作者はかなり若く、世界観もストーリーも瑞々しさを感じた。

四方を遥か彼方まで不思議な色の空と海で囲まれた家に住み
現実と仮想のディストピアを局所的に表現するという
原作者の求めた世界観を丁寧に構築した映像美は心の奥をくすぐられる。
うん、若いころはこういう風景をよく夢で見ていた気がする。


と、ここまで書いて
むかし自分が演劇部だったときに高校演劇で
こういう話を多く見たことを思い出した。
演じる人数も少なくて済み、同世代のシンパシーを得られる空気のつくり方。

つまり意地悪な言い方をすれば「雰囲気アニメ」ではあるものの
閉鎖空間のセカイ系としては割とよくできたシナリオで
レイトショーで観て帰ると気持ちよく眠れそうな出来の良さ。

スタッフを見る限りかなり力を入れた作品だとわかるので
これは是非若い人に観て共感して欲しいし
次代のクリエイターへ向けたアニメ化大賞の存続も期待したい。

コメント
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