「障害」のある子への援助と、ホームの仕事とは、「別もの」だと。
いつのまにか、私はそう思っていたようです。
どうして、そう思ったのだろう?
いつのまに、そう思い始めたのだったろう?
誰かに言われた訳ではありません。
どこかに書いてあった訳でもありません。
ホームのパンフレットには、「人工呼吸器」をつけている場合にでも、「気管切開」している場合にでも、受け入れたいと書きました。
そのとき、歩さんやかいとくんの顔を思い浮かべていました。
その歩さんが一人暮らしを始めたことが、先日の「はるこい」に書かれていました。
18年前、歩さんが6歳のときに、初めて「人工呼吸器をつけて普通学級に通う」女の子に会ったとき、私のなかに、目の前の女の子が将来「一人暮らし」するイメージはありませんでした。
24時間介助が必要な、康司の生活に関わっていながら、「人工呼吸器」という「未知」のものによって、見えなくされていたのでした。
あれから、長い年月がたって、いまは、みーなちゃんのブログを楽しみに読みながら、みーなちゃんが将来「一人暮らし」することに、なんの不思議も感じないようになれました。
それは、すべて歩さんや涼さんの生き方を遠くから見せてもらってきたからでした。
Hideの自立生活も身近でみてきました。
それなのに、どこかで、「障害」のある子どもたちの「自立」への援助と、ホームの仕事とは、どこか違うものだと間違っていたようです。
勘違いの一つは、「ことば」にとらわれすぎていたことです。
「ことば」で考えること。
「ことば」で理解しようとすること。
「ことば」で伝えようとすること。
「ことば」で答えを出そうとすること。
「ことば」で関係をつくろうとすること。
ことばなんて、ただの道具の一つでしかないと、改めて思います。
手や目や耳や指や足や、顔や心臓や喉のように、人の「手持ちの道具の一つ」でしかないと。
「コミュニケーションの前に、コミュニオンがある」
だから、ことばの前にある関係を、忘れないように。
それを忘れて、「関係」をことばで「作ろう」なんてすると、どこかすれ違う。
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ishizaki
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