やっちゃんがいく（１） （小学校入学編）

やっちゃんがいく（１）　（小学校入学編）

Naoちゃんと一緒に、就学時健診を拒否した
やっちゃんママの原稿も載せちゃいます(^.^)/~~~

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≪就学時健診を拒否して≫


自閉症といわれる我が子の就学は、
いつからか頭が痛い問題でした。

４０名近くの子どもたちに一人の先生という学級の中に、
じっとしていられない我が子を入れて、
授業が成立するのは困難だと思ったからです。

夏休みに入る前に市の就学相談に行き、
近くの特殊学級を見学させてもらうことになりました。

「ここの一員になるんだろうな」と思って夏休みを過ごしていたところ、
その学校に通う前から知っていた子に、
「うちの子、なかよし学級に行くことになるから、よろしく」と言うと、
「えー、なかよし。やばいよ……。みんなキョーボーだし」、

…なかよし学級の子どもたちの人格を否定する言葉が
次々出てきました。
まわりの大人たちが、障害があるが故に、
時にパニックを起こしてしまうことなど、
ちゃんと他の子どもたちに説明していないなんて……。

子どもたちに自然と差別させてしまう分離教育は恐ろしいと思い、
すぐに校長に電話しましたが、納得いく回答は得られませんでした。

「分けない」ことの大切さを痛感させられる出来事でした。

「そんなところに入れられるわけがない。
市の就学相談ではらちがあかない。
納得いく相談に乗ってくれるのは誰？」と思っているときに、
『生活と教育を考える会』の就学相談のチラシに飛びつきました。

早速、連絡先の仲井さんに電話して話を聞いたところ、
その場で言われた「みんな一緒がいい」という言葉が
自然に体の中にしみ込んでいきました。

今まで、どこの療育相談でも聞けなかった言葉でした。
私はその言葉をずっと、待っていたのでしょうか。

その後、『生活と教育を考える会』の定例会や、
千葉市で行われた県連絡会の就学相談会に参加して、
「子どものありのままを受けとめる」という
先輩の皆さんの姿勢に共感し、
またそこで親も法律や制度を勉強して、
しっかりとした子育ての方針を持って運動することは
大事なことだという、皆さんのエネルギーを
もらえたような気がします。

市の就学相談はもう必要がないので、
「普通学級に行きます。相談票は破棄してください」と
言いに行った時、担当者の上司から、
「彼が教室から飛び出したらどうするのか？」と言われて、
きちんと言い返せなかったことが今でも悔しくてなりません。
今ならたっぷり反論できると思います。

不思議なことに、親がどっしりと構えたからか、
子どもがすごく落ち着いてきて、
今は小学校に入学する自覚がみなぎっています。

障害児を探し出す目的の就学時健診に必要性が感じられず
（うちの子の場合、学校がいやな場所という
強い印象を拭い去るのに時間がかかりそうだったのもあり）、
１１月に「就健および就学に関する申し入れ書」を、
会の代表の方と数人の親とで市の教育委員会に提出しました。

就学時健診は受けませんが、必要があれば学校生活がスムーズに
送れるよう、学校と話し合うといった内容もあり、
本当に子どもの事をきちんと考えた親の行動だと思います。

その間、何事もなく、１月末には、
他の子と同じように無事「入学通知」が届きました。

学校の校長先生とは、「学校全体で彼を見てほしい」
「人権侵害、差別をしないでほしい」
「うちの子だけでなく、一人一人の子を見られる教育をしてほしい」
…と話をするつもりでいます。

当たり前のことをわざわざ言いに行かなければならない
現状をかみしめながら……。
　
これからの学校生活に不安がないわけではありません。
想像すれば、とても怖いことばかりです。

理念と現実のギャップをどう乗り切っていけばいいのか、
課題は続々と出てくることでしょう。

でも、ここまでくるのに、
彼と私たち家族にはいろいろなことがありました。
彼との関係に悪循環をもたらして、
児童相談所に預けたこともありました。

しかし、今は良い方へ変わってきて、私も周りの言うことに、
もういたずらに傷ついたりしない自信があります。
これも会の皆さんとの出会いのおかげかと感謝しています。