9月の定期検診の日、病院で半日過ごしながら、「やっぱり集会をやろう」と思った。
どう考えても、理不尽であり不正義であり不平等なことが目の前で行われている。そのことをどう訴えていくのか。この3か月間、ずっと考えてきた。
100人の中学生が仲間の一人を「村八分」にしていたら、おとなはそれを「いじめ」とみなし、「いじめ」はいけないと言う。
国は「いじめ防止法」という法律まで作って、子どもに「いじめ」をやめろという。
中学生が、「でも、あいつは貧乏だから、汚いから」と言い訳したら、それでも「いじめ・無視・排除」は間違いだという。
貧乏なのは、その子のせいじゃない。
国は「子どもの貧困解消法」という法律まで作って、貧困の子どもを助けると宣言する。
中学生が、「でも、あいつは障害があるから、つきあわなくていいんだ」と言い訳したら、障害で差別してはいけないという。
国は「障害者差別解消法」という法律まで作って、子どもに「差別」をしてはいけないという。
ところが、しかし、なぜか、
中学生が、「でも、あいつは点数が取れないから、同じ高校生仲間にだけはなれなくていいんだ。あいつは「貧乏中卒」、あいつは「低学力中卒」、あいつは「障害中卒」で、おれらと同じ「高校生仲間」にはなれなくてとうぜんだ。」といって100人の中学生が99人の高校生になる時、
この国の大人たちはいう。
「そうだな。こればっかりは仕方ないな」
この国の学校の先生たちは子どもに教える。
「そうだな。高校は義務境域じゃないからな」
そうして、子ども時代に「いじめ」や「差別」はいけないという「教育」をしておきながら、子どもから大人になる「15~18の高校生」に、「1%」だけはいじめていい人間がいる、差別していい人間がいる。
それが現実の社会だという教育の教えを、「義務教育の最後」に、高校入試を通じて、教える。
それが、この国の「義務教育」の「教え」だ。
そりゃあ、ろくな社会じゃない。
飲酒運転もオレオレ詐欺も、ブラック企業も高齢者虐待も児童虐待も、こんな国でなくなるわけがない。
どう考えても、理不尽であり不正義であり不平等なことが目の前で行われている。
この状況を、どう理解して、変えていくことができるのか。
この3カ月、そのことばかりを考えてきて、気がついたら集会より、定期検診の日が先に来てすこし焦った。
そうだ、前回、この集会をやろうと思ったのは、もし「再発」と言われたら、その瞬間に「残り時間」が決まってしまうかもしれないと思ったからだった。
この問題だけは、生きているうちにやれるだけのことをやりたい。
解決が間に合わなくても、誰かが引き継いでくれるように。
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