この子の一番かわいいところ 義務化40年目の問い(その1)
「自分(子ども)の魂の救済」のために、人生の40年を使い、ようやく分かったような気がすることがある。誰も言葉では教えてくれなかったこと。
鍵は、「養護学校義務化79」と「親は敵だ」という言葉。
そして、「迷い」ながらも「ふつう学級の就学相談会」に来る、世代を超えた「親」たちだった。
言葉では「迷っている」と言いながら、言葉でないところでは「迷っていない」姿を、私はみてきたのだった。
障害のあるふつうの子を、「障害児」という「特別な子」にしたものは何だったか?
障害のある子どもに、「時代と地域によって異なる扱い」(ふつう扱いのための特別扱い=合理的配慮)が必要だとしても、ひとりの「子ども」としては「特別」ではない、という基本を「隠した」のは何だったか。
「親は敵だ」といわれる時、それは「障害児にとっての親」を表してきた。つまり「障害児親」だ。そんな言葉はないが、意味は通じる。障害のあるふつうの子を「障害児」という「特別な子」にしたものが、障害のあるふつうの子の親を、「障害児親」にしてきた。
それが何かを問うことなしに、「どっちの学校がいいか」「どっちの教育がいいか」と語られてきた。
私が40年、探してきたものは、それとは別のところにあった。学校や教育とは、別のところにあった。
それを確かめるためのヒントが、就学相談会で尋ねてきた質問にある。
「子どもの一番かわいいところはどんなところですか?」
「子どもが一番好きなものは何ですか?」
今日、この先の問いを見つけた。それは「入学前」と「卒業後」それぞれに対応する問いになっている。
《小学校入学前の問い》
A:「この子の一番かわいいところ」はどんなところですか。
B:「それを、一緒に感じてくれる仲間には、どこで出会えるでしょう。」
C:「母親にとってはどこでしょう。父親にとっては。きょうだいにとっては。そして、この子にとって、《自分のいいところ》を見てくれる仲間がいる場所はどこでしょう?」
《ふつう学級を卒業してからの問い》
P:「この子が一番かわいかった時期は何歳のころですか」
Q:「ふつう学級での学校生活を振り返って、この子が一番成長したところは、どんなところだと感じていますか?」
R:「もしも6歳のとき、ふつう学級ではなく違う人生を選んでいたら、今とは何が違っていたと感じますか?」
(つづく)
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