ワニなつノート

Halの冒険 (8)



昔の携帯メールを読み返していたら、
当時、送信していないメールが出てきました。
妹の携帯の字数制限が2000字?とかで、そのままになっていたものです。
いっつも同じようなことしか書いてないよな~と思います(;一_一)

☆   ☆   ☆

Halが「のんびり」してたり、
集団の中で「うまく立ち回れない」こととか、
そういう「気になる」部分はあるだろうと思う。
3つ下の妹と比べても、頼りない気はするしね‥。
でも、それって成長とかじゃなくて、「持ち味」の違いだよね。
だって、Halが4歳のときでさえ、
すでに0歳のMaoの方がしっかりしてた印象があるくらいだから‥。

そのHalの「持ち味」の中に、いいところと不安なところがあって、
その「持ち味」というのは、学校へ行くとか、行かないで、
変るものではないと思うんだ。

自分の小学校時代の同級生を思い出してみても、
大人になって持ち味が変わったやつは、ほとんどいない気がする。
子どものときの持ち味は、どこかに持ったまま大人になったりしてる。
大人になったからって、みんな人間的に大人になってるわけじゃないし、
そんなのは、うちのじいさんを見てたら一番よくわかるよな。
いつまでたっても、クソオヤジはクソジジイになるだけだし(-_-;)

もちろん、成長すれば今より字を覚えたり、
九九も言えるようになったりするんだろうし、
今の3年生のテストくらいなら、「みんなみたいに」
100点も取れるようになるかもしれない。
でも、その時は、みんなは、因数分解とかやってたりしてね。

しかも、それができるようになるかどうかは、
学校に行く、行かないとは関係ない気がする。

HalがHalのままで、「がんばれる」と感じたり、「我慢しなくちゃ」とか、
いじめられたり、からかわれても、「だいじょうぶ」と、
自分で思えれば、行くだろうし。

そこが「耐えたり、がんばるだけ」の場所で、
何の意味も楽しみも感じられないなら、行かない方がいいよね。

「学校くらい行かなきゃ」って、みんなが言うのは、そこに行けば、
何か意味や価値があるに決まってるって信じてるから、そういうんだよね。
自分は、それを疑わずにすんできたから。

でも、本人も親も、それよりも大事なものがあるって思えば、
迷いながらでも、揺れながらでも、
その本当に大事なものを大事にしたいよね。

親だからって、自分の人生を悟っているわけでもないし、
毎日のことにジタバタしてる。
それを、まだ十にもならない子どもとの人生について
「悟る」ことなんかあるはずもないけど。

親から見て、Halの気がかりな「部分」。
それは、HalがHalであるかぎり、持ち続ける「部分」だとしたら、
その持ち続ける姿のままで、この世と向き合う姿勢や覚悟を、
大人になりながら、Hal自身が手に入れていかなきゃいけないんだよね。

Halがまだ小さく、頼りなく見えるから、
なんとかしてあげたいと思ったとして、
そのHal自身の道を通ったこともない親や私たちもまた、
頼りなさは同じだよね。

HalがHalのままで、自分を保ちながら成長していく道。
その方法も困難も知らない私たちも、十分「頼りない」んだよ。

その自分の頼りなさを認めたくない人が、無理に自分のやり方を、
どの子にもあてはめようとする姿勢が、
Halを無理やり学校に行かせようとしてる。
この道で大丈夫と言い張っている。

その光景は、ディズニーランドでもよく見かける。
小さい子どもが、初めて見るミッキーやドナルドに怯えて、
後ずさり泣いているのに、
周りの大人は、笑いながら「恐くないから」大丈夫だから」と
言い張るのと一緒。
それでも、子どもが怖がっていると、怒り出す親も珍しくないからね。

子どもの目に映っているのは、「かわいいキャラクター」として
大人が知りつくしているミッキーやプーさんではなく、
無表情に近づいてくる巨大なネズミやクマなんだから、
怖いに決まってるのにね。

だから、学校が自分に迫ってくる巨大なものに感じられたら、
それは怖いよね。
その上、周りにその怖さを分かってくれる人がいないのは苦しいよな。
Halは、誰にも教えてもらえない自分の道を、
一人で行かなければいけない。

Halからすれば、お前や俺の方が、よっぽど頼りないんだ。
「もういい大人なのに、もう30年も40年も生きてるのに、
ぼくがぼくのままで、ぼくの道を堂々と自由に自信を持って、
歩いていくにはどうすればいいのか、
そんなことも知らないなんて…(・。・)」

せめて、俺やお前にできるのは、
Halはその道を自分で歩いて行けると信じて見守ること。
少し離れて、後からついていくことだと思うよ。

今のHalを認めず、もう少しましになれと迫る
学校や世間の価値に惑わされて、Halの道の邪魔をしないこと。
その道の歩き方をHalに教えてもらいながら、
Halの後ろをついていけばいいんだよ。

それでも、何か、心配なことや気がかりなこと、
教えたいことがあったら、Halに聞いてみればいい。

「わたしは、こう思うんだけど、Halはどうかな」って

Halが首をふることもあれば、黙って目をそらしたり、
うつむくこともあるだろう。
親子なんだから、いつも遠慮してなきゃいけないわけじゃないし。
仕方ないなーって、我慢してつきあってくれることもあるだろう。

そんなふうに、Halのことばや、ことばにならない表情を感じながら、
Halの成長につきあえるのは、親だけだから。
それは、Halの親としての、最大の楽しみだよな。

【06年5月26日】
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