ワニなつノート

10月のメモ(その1)

10月のメモ(その1)


ホームの仕事をはじめて2か月半。
ようやく、自分の立ち位置が少しずつ分かってきました。

相談会はもう20年以上続けてきて、自分が何をしたいのか分かっているつもりでした。
子どもとのつきあいも、定時制や情緒障害児学級、不登校の適応教室、一時保護所や援助ホームでの出会いが支えになってきました。

今までそれは、一つ一つ、自分の家の「外」にありました。一つ一つ、分けて考えることができました。ところが、いまは24時間子どもたちと暮らしながら、就学相談会や学習会に出かけていくとき、すべてが切り離せない思いでつながっていることを実感するようになりました。

でも、そのことをまだ言葉にすることができません。
まとめようとしようにも、帰ってこない子がいたり、また別の子が一晩帰ってこなかったりと、落ち着いて考える日は、しばらくなさそうです。

来週、五女がホームを見学に来ます。定員が6人で二人部屋しかないので、しばらく女の子だけのホームになってしまいそうです。二人くらい男の子がほしかったのですが…(-.-)

そんな訳で、最近のメモを並べてみます。
どれとどれをつなげばいいのか、それから考えてみます。



《就学相談会と京ちゃんの学習会のこと》

「親の思い」に届く言葉がほしいとずっと願ってきました。
親が、わが子をかけがえなく大切に育てている思い。
その思いのままに、家族の中で大切に育ててきた子どもを、外の社会に委ねるとはどうすることなのか。
親の思いに正直に、子どもを大切にするとは、どういうことか。
すでに知っているはずのその思いに、気づく言葉。
社会に目隠しされて、気づかずにいる思いと言葉。
何よりも、親にわかってほしいと願いせいいっぱい手をのばしている子どもの、その手のさきにある願いを、言葉にしたいと願ってきました。
今まで出会ってきた子どもたちに、私に教えてくれた言葉を通して伝えたいと願ってきました。

障害のある子どもの親に、「この子が、普通の学校に行ってもいいんですか?」「本当にいいんですか?」と、言わせてしまう「社会の目隠し」が何かを、ちゃんと言葉にしたいと思います。


京ちゃんの学習会に参加して、果てしなく心地よかったのは、京ちゃんのお父さんお母さんの思いと言葉が、たとえ「世界政府や海軍を敵に回しても、この子を守る」という思いが、体中に染み込んでくる感じがしたからでした。
それは、一緒に会場に向かったミーナちゃんとお父さんから、伝わってくる思いでもありました。

すべての子どもたちの親が、こうして「子どもの味方」であれば、それだけで子どもたちは、安心して、自信をもって、自由に、自分の希望と自分の人生を生きていけると思うのです。

「障害の苦労」を受けとめて生きる子どもを支えるのは、医療やリハビリではなく、子どもがさびしくないように守る親の思いだと、京ちゃん、ミーナちゃん、そして涼さんの話を聞きながら思いました。

私が就学相談会を続けているのは、そんな「親」に会いたいからのようです。
そういう「親」に出会うたびに、私のなかの「8歳の子ども」がほっとするのです。
自分の親も、本当は、自分を守ってくれる思いはあったのだと。
ただ、どうすれば子どもの味方でいることができるのか、そのやり方を知らなかっただけなのだと。
就学相談会のあとに、「遠慮しないで、この子をお友だちと一緒の学校に行かせてあげたいと思います」と言ってくれる親に出会うたびに、私の中の8歳の子どもが何度も何度もほっと胸をなでおろしているようです。
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