サボ科の記録

笑いのツボ・怒りの着火点・涙の分岐点は人それぞれ
その瞬間のヒラメキをちょこっとメモしてます(^-^)

京都 その2 血天井

2010-08-07 | 旅の話
血天井とは 戦国時代、志なかばで自害しなければならなかった武将たちの血痕のついた床板を踏みつけるのは心が痛む。彼らの供養のためにもと、床板を天井に張り替えてしまった。そして後世に残った血のシミの付いた天井のこと。

数年前、京都・大原にある天台宗の寺院:宝泉院(ほうせんいん)を訪れた時、中国人の団体ツアー客で大賑わいだった。その案内人と思われる一人の女性が長い棒を振り回し、渡り廊下の天井を乱暴に示しながら血天井について甲高い声で説明していた。静かに庭園を眺めてのんびりと寛ぎたかったけれど、それは幻想に終わってしまった。次に行くときは朝一で行くべきだと反省した。

今回は宇治市にある曹洞宗の寺院:興聖寺(こうしょうじ)に向かった。川は上流のダムの放水で赤土色となって水位も高く流れも激しかった。にもかかわらず、何とか魚がつれないかと頑張っているおじさんもいた。興聖寺は秋の紅葉の季節が一番人気があるらしく、この時期はひっそりとしていて実にお寺らしい頑固な雰囲気を醸し出していた。観光客に媚びる様子もなく、血天井がある事さえも小さな看板でその記録を残すのみ。「どこ?」とキョロキョロすると、渡り廊下の上部に手形のような薄いシミがあったけれど確信は持てない。

興聖寺はとても好感の持てるお寺だった。一つ不思議な事が。何人かの見学者とすれ違ったものの、みな、お寺でお参りせずに門の外で帰ってしまうのだ。私は曹洞宗ではないが、見学させて頂いたお礼はすべきではないかと思うのですが・・・

写真は興聖寺の屋根瓦。
見覚えがある鬼の顔だ。
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