切られお富!

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スパイの妻が出てくる映画。

2021-01-18 00:01:29 | アメリカの夜(映画日記)
黒沢清監督の『スパイの妻』を観に行きそびれていたら、三月にはDVDが出るんですね。ということで、とりあえず、『スパイの妻』を観に行くのはあきらめて、スパイの妻が出てくる映画を2本。

あの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を撮った監督でブラピ主演の『マリアンヌ』と、フランスの巨匠エリック・ロメール監督の『三重スパイ』をご紹介しましょう。

『マリアンヌ』はブラピというより、妻役のマリオン・コティヤールがよいんですよね。思わせぶりな場面から、母親の顔まで、どの表情も魅力的。映画の舞台がカサブランカだということもあり、ハンフリー・ボガードの『カサブランカ』を観ている人なら、ニヤッとする場面もあります。このあたりが監督の手腕かな。でも、全般的には落ち着いた演出でよいです。特に、マリオン・コティヤールが銃を構える場面と、最後。

ロメールの『三重スパイ』は見逃していたんだけど、かの蓮實重彦氏の新刊の新書(!)で、「ロメールの最高傑作」みたいな言い方をしていたのでビックリ。急遽観てみました。個人的には、ロメールは『冬物語』とか『友だちの恋人』を偏愛するわたしですが、普通は『モード家の一夜』か『クレールの膝』、『緑の光線』が最高傑作っていうんでしょうね。

で、『三重スパイ』は、悪くないです。というか、一つのスタイルを洗練させると、恋愛だろうがこういうテーマだろうが撮れてしまうんだと感心しました。もっとも、スパイの生活を家庭の室内劇として撮るというアプローチが意外とないアイデアなんですね。最後の展開がため息が出ました。全然関係ないけど、夫の顔がなんだかプルーストに似ているな~っていうのが、個人的には観ている間中気になっていたけど・・・。

というわけで、わたしと同様に『スパイの妻』を観に行きそびれた人にはお勧めできる2本です。当面の外出しない生活の楽しみにどうぞ!






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