光市事件の判決が話題になっているんだけど、世の大勢は「死刑は当然」ってことのようですね。でも、どうも違和感が残るんですよ、以前も記事に書いたけど・・・。
光母子殺害、元少年に死刑判決(gooニュース) - goo ニュース
①面倒くさい解説は省きますが、従来の判例を見ると、今の日本の刑事事件では3人以上殺すか、2人を相当残酷に殺すかしないと死刑にはならない。
おそらく、今回のケースは被害者遺族の本村氏が運動しなければ、無期懲役だったろうし、たぶん類似の判例を調べれば無期懲役になったケースのほうが多いのではないでしょうか?
となると、運動したかしなかったかで「死刑」か「無期」かが決まってしまうということになってしまって、法の下の平等に反するのではないか、ということを考えるんですよね、わたしは。
②ただ、潜在的な世論の問題として、日本の刑罰は軽すぎるということがあって、だから厳罰歓迎という声がネットやテレビを中心にして起こる。
でも、考えなければいけないのは、厳罰化を促進しようというのなら、従来の量刑の考え方を抜本的に変える制度改革(法改正)こそが、真に必要な課題なのであって、個別の事件で厳罰化していくというのは、死刑を執行しない法務大臣のやっていることと、皮肉にも同じなんじゃないかって思えるんです。
③それと、被告の弁護人・安田弁護士というのは、主張の賛否はともかく、たいした人ではあると思います。
そもそも、こんな損な役まわりを平気で引き受ける根性が凄いし、「死刑廃止論者」というより「警察・検察批判の弁護士」というのがわたしの彼にたいするイメージですが、正面から議論を受けて立つという姿勢は、テレビでセンチメンタルな弁護人批判を繰り広げる古舘伊知郎あたりとはタマが違います。
どうも、テレビは安易な形で、「死刑制度反対論者が死刑回避の弁護をしている」という説を展開していますが、裁判の仕組みに多少関心のある人なら、そんな話はバカバカしいと思うでしょう。
裁判は「事実」を争う場なのであって、主義主張を争う場所ではない。このことは、当の安田弁護士もどこかで発言しているらしいのですが、にもかかわらず、古舘氏のような迷言がまかり通るテレビ報道・・・。
<以前書いた参考記事>
・光市母子殺人について考える前に。
・山口母子殺害事件と、「罪の軽い国」。
まあ、真っ当な人はテレビなんて観ないことです。
なお、付け加えるべきは、安田弁護士が不当逮捕事件の被害者になったこともあるという、警察・検察の目の敵になっている弁護士だということ。
・「弁護士欠席」報道に気をつけろ! (以前書いた記事)
となると、大本営発表に飛びつく記者クラブの報道に注意が必要だということは、誰にでもわかることですよね。
④最後に、今回の加害者の件。
彼に責任能力があるのかないのかについては、もうちょっと詳しく報じられる必要があるんじゃないですか。というのも、私の頭には『累犯障害者』という本のことがあるからで、多少の障害だとなかったことにされかねないのが、今の司法の問題だということは指摘せざる得ないでしょう。
なお、「精神鑑定なんていい加減なものなんじゃないの」なんて、なんとなく思っているあなた、せめて下記の本くらいは読んでから、考えてください。
そんなに出鱈目でもないんです。
ただし、逮捕後すぐに鑑定してもらえるかっていうのが大問題なんですが・・・。
以上、思いついたことだけ・・・。
光母子殺害、元少年に死刑判決(gooニュース) - goo ニュース
①面倒くさい解説は省きますが、従来の判例を見ると、今の日本の刑事事件では3人以上殺すか、2人を相当残酷に殺すかしないと死刑にはならない。
おそらく、今回のケースは被害者遺族の本村氏が運動しなければ、無期懲役だったろうし、たぶん類似の判例を調べれば無期懲役になったケースのほうが多いのではないでしょうか?
となると、運動したかしなかったかで「死刑」か「無期」かが決まってしまうということになってしまって、法の下の平等に反するのではないか、ということを考えるんですよね、わたしは。
②ただ、潜在的な世論の問題として、日本の刑罰は軽すぎるということがあって、だから厳罰歓迎という声がネットやテレビを中心にして起こる。
でも、考えなければいけないのは、厳罰化を促進しようというのなら、従来の量刑の考え方を抜本的に変える制度改革(法改正)こそが、真に必要な課題なのであって、個別の事件で厳罰化していくというのは、死刑を執行しない法務大臣のやっていることと、皮肉にも同じなんじゃないかって思えるんです。
③それと、被告の弁護人・安田弁護士というのは、主張の賛否はともかく、たいした人ではあると思います。
そもそも、こんな損な役まわりを平気で引き受ける根性が凄いし、「死刑廃止論者」というより「警察・検察批判の弁護士」というのがわたしの彼にたいするイメージですが、正面から議論を受けて立つという姿勢は、テレビでセンチメンタルな弁護人批判を繰り広げる古舘伊知郎あたりとはタマが違います。
どうも、テレビは安易な形で、「死刑制度反対論者が死刑回避の弁護をしている」という説を展開していますが、裁判の仕組みに多少関心のある人なら、そんな話はバカバカしいと思うでしょう。
裁判は「事実」を争う場なのであって、主義主張を争う場所ではない。このことは、当の安田弁護士もどこかで発言しているらしいのですが、にもかかわらず、古舘氏のような迷言がまかり通るテレビ報道・・・。
<以前書いた参考記事>
・光市母子殺人について考える前に。
・山口母子殺害事件と、「罪の軽い国」。
まあ、真っ当な人はテレビなんて観ないことです。
なお、付け加えるべきは、安田弁護士が不当逮捕事件の被害者になったこともあるという、警察・検察の目の敵になっている弁護士だということ。
・「弁護士欠席」報道に気をつけろ! (以前書いた記事)
となると、大本営発表に飛びつく記者クラブの報道に注意が必要だということは、誰にでもわかることですよね。
④最後に、今回の加害者の件。
彼に責任能力があるのかないのかについては、もうちょっと詳しく報じられる必要があるんじゃないですか。というのも、私の頭には『累犯障害者』という本のことがあるからで、多少の障害だとなかったことにされかねないのが、今の司法の問題だということは指摘せざる得ないでしょう。
なお、「精神鑑定なんていい加減なものなんじゃないの」なんて、なんとなく思っているあなた、せめて下記の本くらいは読んでから、考えてください。
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