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〔映画〕地上

1957年 大映 98分(映画館で鑑賞)
監督:吉村公三郎 原作:島田清次郎
出演:川口浩 香川京子 野添ひとみ 田中絹代

 島田清次郎といえば「天才と狂人の間」という杉森久英の伝記が
あることしか、知らなかった。 この映画を見、本を読んで、彼が
何と言う激しく純粋な生き方を貫こうとしていたかを、知って驚いた。
大正時代の新世代は意外に現代と価値観が近いかのようだ。

 母1人、子1人の貧しさのため、金沢第二中学の学費も滞り、
遊郭の近くに住まざるを得なかった。そんなこんなで社会の
矛盾を痛切に感じ「貧乏を無くすため、政治家になる」
という野心を抱いた。

身分ちがいの恋愛を追求し、みずみずしい恋文(ですます調)
のやりとりもしている。
そのことや、工場のスト支援がばれたりで、停学になり、
故郷を追われるように、母とふたり、東京に出るところ
で映画は終る。

 中学の制服が良く似合う川口浩が清次郎を、
香川京子が、冬子という芸者を、泉鏡花を思わす、
気品と憂愁をたたえて好演している。

島田清次郎「地上」季節社 1990年刊(2050円)
   初出 1919年(20歳の時)

→「川喜多映画記念館」20-1-13
→本「地上」6-11-4 

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