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〔本〕美少年映画セミナー

著者 長沢節  発行所 角川書店 1994年 (古書600円)

自転車の転倒がもとで亡くなった長沢節(1917-1999)はファッション・イラストレーターとして戦前戦後を通じて活躍し、エッセイや映画評でも、名高い。

 三島由紀夫が彼のデッサン教室に通ったり、「仮面の告白」の表紙を依頼した(実現はしない)こともあったという。

 「装苑」に71年から連載された映画評は85年に「セツの100本立映画館」として草思社から出版されたが、これはその後9年分を追加・再編して角川書店から出されたもの。

 先日、ある映画館の片隅の古書コーナーで発見し、慎重な私には珍しく、即買った。それというのも30数年前から、彼のファンなので。いつも「若い、貧しい、瘠せている」ことに美の基準をおいていた(そのことの功罪はともかく)。

 彼の死因は写生会に生徒を引率し、見回り中に自転車が転倒したため。救急車で運ばれている最中も、包帯の巻き方にこだわる、美意識の強さは残していた。

 あくまで「欧米の」美少年を映画スクリーン上に愛した八十二年の生涯独身、その生には彼の出身地会津の白虎隊に通じる何かを感じる。
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コメント
 
 
 
Unknown (Bianca)
2006-10-18 01:38:00
「若い、やせている、美少年、欧米」では、全くこちらはお呼びじゃないということですよね、それに、セツさんはリュックをしょった女性が大嫌いだったそうですが、私はいつも愛用してるし。

共通するのは、映画の中の美しい生きものが好きということだけなんですね。

 
 
 
独特の美の世界 (sabunori)
2006-10-27 19:06:10
を持っておられた方でしたよね。



Biancaさん、こんにちは。

「セツの100本立映画館」図書館で借りて読んだ覚えがあります。

(もしかしたら別の本だったかも?確かこれだったと思います)

彼の死因については詳細を知りませんでした。

そういうことだったのですね。

救急車で運ばれる間にも包帯の巻き方にこだわる・・・

ちょっと前に観た「キンキーブーツ」で主演のローラがやはり救急車で運ばれながら「ディオール(違ったかな?)のストッキングが・・・!」としきりに気にしているシーンを思い出してしまいました。

(ちょっと違いますかね??)
 
 
 
Unknown (Unknown)
2006-10-27 21:41:31
sabunoriさま、いらっしゃいませ!

うれしいです、セツの読者に会えて・・・

そういえば、私が初めて彼の本を見たのも、日比谷図書館だったと・・・もう30年以上になりますが・・・

キンキーブーツにそんなシーンありましたっけ?

女性の服装に興味ないので、憶えてないのかな?
 
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