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映画「ナイト・ミュージアム エジプト王の秘密」


2014 米 97分 松江SATY東宝にて鑑賞 原題≪Night at the Museum Secret of the Tomb≫
監督 ショーン・レヴィ 出演 ベン・スティラー ロビン・ウィリアムズ オーウェン・ウィルソン 
リッキー・ジャーヴェイス レベル・ウィルソン ダン・スティーブンス

深夜の博物館で展示物が動き出す「ナイト・ミュージアム」シリーズの3作目。

舞台は海を越えて大英博物館に。

あれから8年、ニューヨークの自然史博物館ではプラネタリウム新設の記念式典が行われている。エジプト伝来の魔法の石板に緑色のかびが生じ、展示物たちの言動が狂いだし、式典が滅茶苦茶になってしまう。石板劣化の秘密はロンドンの大英博物館にいる父王が握っていると聞いて、一同は海を渡ることに。

●第1作では主人公ラルフ(ベン・スティラー)が息子の敬意を得るために夜警になったのだが、
その息子ニックもすでに父と対立するまでに成長。
一方、ラルフにかたどって作られた(まるで神が自分にかたどってアダムを作ったように)原始人ラーは、ベン・スティラーの1人2役だ。知能が乳幼児ぐらいで彼を見ると”DADA”(パパ)と寄ってくる。それがうれしいラルフ。

●ロンドンの両親のもとに合流するエジプト王子。ここでも家族のきずなが描かれる。

●エジプト王がラルフに太陽神を礼拝するように命じると、自分はユダヤ人だからと断る、王「ユダヤ人は好きだ、幸福な人々だ」と王。「そうでもないよ」といずれ起る大脱出をほのめかし、ユダヤのアイデンティティを初めてはっきりさせている。アメリカ原住民サカジャウェアの祖霊信仰についても言及、他人の宗教を尊重しようというわけだ。

騎士ランスロット(美貌で勇敢だが)のバカさ加減と
思い込みの激しさを戯画化し、十字軍※(キリスト教)の自己中心性をさりげなく批判。
第2作では女流飛行家のアメリア・イアハートだったが、善意で能力はあるが困った面がある冒険家と見ている。

博物館は、世界の広大さと多様性を示すもの。国のない民として迫害から身を守るために知性を重視し、知性に頼ってきたかれらの伝統と結びつく。ISが博物館を破壊するのとは逆である。

ところで、大英博物館の夜警が、見るからに喜劇的な女性で、原始人と相思相愛になるというバカバカしいおまけ。エネルギッシュなこの女優レベル・ウィルソンを覚えておこう。

エジプト王の石板は危うく全部緑色になりかけたが、ある方法で霊力がよみがえった。(太陽光エネルギーが支える計算機とはちょうど逆だ)

ラルフは夜警だが、②では企業家になったし、今回は数学教師になっている。

セオドア・ルーズベルトのロビン・ウィリアムズ(14年8月他界)が段々体が不自由になるのが、実際とかぶって痛々しい。ミニチュア人形の2人組、ジェデッドダイア(19世紀米国の毛皮業者)とローマ初代皇帝オクタヴィウス、この二人はじめ犬猿の仲だったが今ではすっかり運命共同体、これが最後と言うとき「手をつなごう」。「ミッドナイト・イン・パリ」の主役オーウェン・ウィルソンがジェデットダイアだが彼の夢見る瞳はロマンティックで、いかにも未知の世界の探検家にふさわしい。

この記事を書くのに登場人物をおさらいしたところで、もう一度前2作を見たくなった。

※訂正(15-3-28)
ランスロットはケルトのアーサー王伝説中の人物だから5世紀の人で、11世紀から始まる十字軍には参加していない。
きょう外出先でそれを知って、恥ずかしさに赤面し、急ぎ帰宅して訂正のためこのページを開いた。
十字架上のキリストの血を受けたという聖杯を探す旅に出るから、キリスト教とは無関係でもないが。
追記(19-11-1)
「ボヘミアン・ラプソディ」(2018)のラミ・レミックがエジプト王子で出ている。

→「ナイト・ミュージアム2」9-8-19
→「アメリア 永遠の翼」11-7-27
→「ミッドナイト・イン・パリ」14-8-5
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (セレンディピティ)
2015-04-08 23:16:41
こんばんは。
大人が見るには少々ばかばかしいところもありますが
近くにいた女子高生たちには大受けで、彼女たちを見るだけでも楽しかったです。
息子が後から「僕も見たかった!」と残念がっていたので
誘ってあげればよかったなーと思いました。

第2作は見ていないのですが、女性飛行士のアメリアが出ていたのですね!
スミソニアンが舞台ですし、私も見てみたいです。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2015-04-09 13:17:34
セレンディピティ様
TBとコメント有難うございます。

>女子高生たちを見ているだけで楽しかった

ああいう年代の「箸が転んでも」と言う感じ好きですか?私は腹が立って仕方がないのですが、そのわけは
自分の高校時代が暗かったせいでしょうか。

息子さん、大きくなってもNYの思い出をo共有しているのですね。
 
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