講談社文芸文庫 1998年刊 (初出1954)
伊藤整(1905ー1990)といえば「チャタレー夫人の恋人 . . . 本文を読む
1991年 角川文庫
ケート・D・ウィギン著 大久保康雄訳 . . . 本文を読む
1997年集英社刊 妹澁澤幸子の目に映った兄のすがた . . . 本文を読む
著者 中根千枝 発行所 中央公論社 . . . 本文を読む
「ジュリア」のモデルと言われるミュリエル・ガードナーの自伝 . . . 本文を読む
著者 リリアン・ヘルマン 発行所 早川書房 発行年 1989年 訳者 大石千鶴
「ジュリア」ほか6短編を収録。1937年「子供の時間」を発表し、モスクワの演劇祭に招かれたリリアン・ヘルマンが、ベルリンに途中下車し、反ナチ運動資金の運搬に一役買ったという、あの映画にたちこめた緊張感とスリル、そして幼友達ジュリアの波乱にとんだ生涯と悲劇……。彼女に寄せるリリアンの哀切極ま . . . 本文を読む
レフ・トルストイ(1828-1910)著 北御門二郎訳 ちくま文庫(全3巻)
新聞記事で知り、訳者北御門二郎の名前に惹かれて読んだ。最晩年の作で、いわば日記スタイルの修養書とでもいうべきか。世界各国の民間の格言・聖書・論語・仏陀・孔子・老子・セネカ・キケロ・エピクテトス・カント・パスカル・エマスン・ソロー・カーライルほかの聖人・賢人・偉人(計170人)の言の抜粋に、トルストイ自身の文がこれまた . . . 本文を読む
山崎豊子 新潮文庫全5巻 2009年刊 (初出1976)
山本薩夫の自伝によれば、映画化した時、シベリアの描写が簡略すぎて山崎豊子が憤慨したそうなので、興味をいだき、この巻を読むことにした。
映画は大分前2回見たが、壹岐正(いきただし)役の仲代達也があまりに迫力があり、こんな人間が実在するものだろうかと疑った。
負けるとわかっている戦争を始め、相手もあろうにソ連に和平の仲介を頼るなんて、と今 . . . 本文を読む
1984年 新日本出版社 山本薩夫著
先日「戦争と人間」1~3部を見た。気になったのは、軍隊や警察での暴力シーンが執拗で多いことだ。なぜそうなのか、監督はどのような経歴の持ち主かを知りたくてネット検索したが、情報が少ない。ますます気になって、図書館のホームページ検索し、この本に行き当たった。さいわいにも、私の疑問に答える箇所が2つ見つかった。
1つは、「太陽のな . . . 本文を読む
著者 中原みすず 発行所 リトル・モア 発行年 2002年
映画「初恋」の原作。2012年に映画を見てから読みたくて探したのだが、松江では手に入らず、今回偶然、図書館の書架で発見、やっと読むことができた。さぞ素晴らしい胸のときめくような文かと期待したもの………。
一読して、ものを書きなれたプロの文に見える。いまどきの若者 . . . 本文を読む
三浦綾子全集第14巻 主婦の友社 1993年刊 初出「幼児と保育」1988年4月号~1989年12月号 単行本 小学館刊1989年12月20日「私は子供が好きで好きでたまらないというだけで、小学校教師になった。だが矢嶋楫子(かじこ)を調べていて、やみくもに子供が好きなだけで教師になってはならなかったと、つくづくと思った。」という冒頭部で、一躍この書への興味がかきたてられる。さらに「サマセット・モー . . . 本文を読む
著者 吉屋信子発行所 筑摩書房発行年 1965年1964~65年読売新聞「名勝負物語第37話」に連載。吉屋信子はこのとき60代末だった。彼女は馬主になるほどの競馬好きだったので競馬をテーマにするかと思いきや「日本廃娼運動史」になったことに、新聞も世間もおどろいた。だが、連載が始まると反響が大きく、このテーマに固執した著者は、嬉しさのあまり涙を流したそうだ。 さて「名勝負」というだけに公娼制度廃止の . . . 本文を読む
著者 田辺聖子 集英社刊 1987副題 わが愛の杉田久女杉田久女(1890ー1946)を知ったのは「足袋つぐやノラともならず教師妻」で十代のころ。その後松本清張の「菊枕」吉屋信子の「私の見なかったひと」などに現れた、何やら癖の強い女性というイメージがずっとあった。田辺聖子氏は、あとがきによると、はじめこの評伝を書くのにためらいがあったという。そのわけは、日頃なじんでいた川柳と違い「伝統と因襲に . . . 本文を読む
著者 吉屋信子発行所 国書刊行会発行年 2003年(初出1932年4-12月「少女の友」)吉屋信子36歳の作品。彼女の面目躍如の「少女小説」。「あの夜の仄暗い庭の木立で、自分の頬のあたりを匂いを込めた絹レースの半巾で優しくふいて、『わすれなぐさの香水よ、お気に召して、この匂い』と囁いた陽子・・・・・・「心弱く、面を背向けようとする時、ふっとあのわすれなぐさの匂い、陽子がいつも使うわすれなぐさの香水 . . . 本文を読む
著者 井上荒野 講談社文庫 2005年刊(初出2002年)
井上光晴は「地の群れ」「全身小説家」で知った。瀬戸内寂聴の不倫相手ということは「夏の終り」のさえない中年男(小林薫)は、光晴だった訳か。(これは光晴より前の男性。21-7-3追記)
この本は「ファーザーコンプレックス」を自認する娘荒野によって書かれている。べたぼれの相手を書いた文章は読みにくい。主観的で . . . 本文を読む