乱鳥の書きなぐり

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22: 『国宝源氏物語絵巻を読む』から「蓬生」 清水婦久子著 尋ねてもわれこそとはめ…

2012-02-06 | 絵巻物、縁起絵巻、巻物、絵解き掛け軸、屏風



  2012年  本

    22: 『国宝源氏物語絵巻を読む』から「蓬生」「論考」



 清水婦久子 著

 2011年06月25日

 275頁 ¥ 2,940

 和泉書院





「蓬生」  1-19ページ

「論考編」 117-181







『国宝源氏物語絵巻を読む』から「蓬生」「論考」を読む。

「蓬生」のあらすじを追うだけでなく、日を変えて何度も何度も繰り返し読んだので、かなり長い時間を楽しむことができた。

 かなもじと穴あき(?)部分は難しいが、著者の説明がとても親切。

 美しい紙と文字、加えて絵巻の一部は誠に美しい。

 まだ「蓬生」を読んだだけだが、源氏物語の魅力を感じることができる、手元に置きたい素晴らしい本だと感じた。

 


 
                       (上の箇所には 穴あき(?)部分はない。)


 尋ねてもわれこそとはめ

 道もなく深き藻のもとの心を     15ページ


 





 「源氏物語絵巻」の絵19面と詞書103紙をすべてカラー掲載、詞書全文に初めて口語訳を付け、絵の画面に描かれたものと比較し、詳しい論考を加えた画期的な手引き書。図版には、「国宝源氏物語絵巻」(徳川本・五島本)を模写した「木版本源氏物語絵巻」(川面義雄制作)を使用。絵巻に不可欠な詞書を丁寧に読み解き、絵の画面とつきあわせて読み解くことにより、源氏物語の内容と安易に結びつけて説明されてきた従来の入門書に見られた誤解や認識不足を正し、「源氏物語絵巻」の真価を実証。「国宝源氏物語絵巻」の詞書の書体・様式や内容が絵の画面と対照すべく工夫されていたこと、絵巻を制作した王朝人は源氏物語を長編小説ではなく歌物語のように捉えていたこと、登場人物一人一人の美質が描かれていたことなど、数々の発見を挙げ、絵巻の正しい読み方をわかりやすく論じる。コラムには、源氏物語や源氏絵にまつわる多彩な話題を掲載。

序章 
 一、国宝源氏物語絵巻を読むために
 二、木版本源氏物語絵巻について
 三、源氏物語全巻と源氏物語絵巻
[鑑賞編] 
【蓬生】/【関屋】/【絵合】/【柏木一】/【柏木二】/【柏木三】/【横笛】/【鈴虫一】/【鈴虫二】/【夕霧】/【御法】/【竹河一】/【竹河二】/【橋姫】/【早蕨】/【宿木一】/【宿木二】/【宿木三】/【東屋一】/【東屋二】
コラム 
 1 源氏物語の巻名と和歌
 2 絵合と歌合
 3 五十日の祝い
 4 源氏物語のあらすじ
 5 源氏物語の成立と順序
 6 歌の意味と書法「継色紙」
 7 源氏物語の引歌
 8 源氏物語古系図
 9 人物呼称について
 10 源氏物語絵巻の書風
 11 絵の大きさと画風
 12『源氏物語絵詞』と「絵入源氏」
 13 物語の音読
 14 住吉派の絵師達と廬山寺
 ◇若紫図の断簡について
[論考編] 
第一章 源氏物語本文と源氏物語絵巻 
 一、源氏物語絵巻の形式
 二、源氏物語絵巻の詞書【蓬生】
 三、源氏物語の世界と絵巻の世界
 四、詞書と画面との対応
第二章 和歌と絵巻 
 一、詞書と歌枕と画面【関屋】
 二、詞書の断簡より【絵合】
 三、画面と和歌表現【宿木三】
第三章 詞書の手法と画面の表現 
 一、心情表現は画面に表されているか【柏木一】
 二、詞書の字配りと画面の構図【柏木二】
 三、歌の表現と画面の表現【柏木三】
 四、人物と歌の素材【御法】
第四章 絵巻の詞書と画面
 一、絵巻の意図【鈴虫一】
 二、異時同図はあるのか【鈴虫二】
 三、詞書と画面の対照美【早蕨】
第五章 平安時代の物語絵 
 一、源氏物語絵巻は絵巻物か
 二、姫君と絵物語【東屋一】
 三、源氏古系図との関わり【竹河二】
 四、歌の場面と背景【宿木一】
第六章 絵巻の人物描写 
 一、母子の描写【横笛】
 二、夫婦の描写【夕霧】
 三、女君の描写【宿木二】
 四、歌と人物【東屋二】
第七章 復元模写の問題点 
 一、若木の梅は紅梅か【竹河一】
 二、この場面は白梅であるべき
第八章 橋姫巻の箏と琵琶 
 一、姉妹は描き分けられていないのか【橋姫】
 二、弦楽器の難易度
結びに代えて―国宝源氏物語絵巻の真価を問い直す―
あとがき





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2 コメント

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こんばんはです。^±^ノ (てくっぺ)
2012-02-07 02:01:54
源氏物語、やったやった。^±^
うちは文学部だったので必修科目でした。^±^ノ
原文で読みましたよ。^±^
原文は難しいですよね。x±x
枕草子などとは違いますね。^±^
返信する
こんばんは ☆ (Rancho)
2012-02-07 03:40:47
 てくっぺさん!すごいすごい!
 源氏物語、必修科目だったのですか?…やはり文学部は原文で読まれるのですね(*^D^*) うらやましいです!
 てくっぺさんに触発され、京都大学附属図書館所蔵 貴重書 [源氏物語]を見つけました。
 http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/genji/gmfrcont.htm
 美しいですね☆そして、難しそうですね☆いずれまたそのうちなんとか……ウフフ…と、笑ってごまかす^^
 恐るべし!源氏物語、流れる仮名文字に、手応えありですね☆
 
 てくっぺさん、うれしいコメントをありがとうございます(*^D^*)感謝感謝感謝でございまーーす
 
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